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  2. 1889 view|最終更新 23/02/19

[刀剣目録] マンダヴィル・サムライブレード

動画
静画(ミラプリ/染色例含む)

寸評

マンダヴィル家に受け継がれるレシピで作刀された一振りです。美しく長い刀身、見事な 金物 が施された鞘など、その出で立ちは細やかかつ大胆。優美で紳士的な佇まいは見るものを魅了します。

形状

鎬造
濤乱鎬地 狭め、重ね 薄め。
… 丸鐔、鉄地金象嵌。
… 黒 鮫皮、白糸 諸捻巻、花の 目貫
… 黒塗、龍 金物正式結 下緒

仕様

IL/Lv … 615/90
絡繰 … なし
染色 … 可
入手 … NPC交換
公式 … マンダヴィル・サムライブレード

検分

来歴に恥じない仕事が随所に見られる、日本刀と称して差し支えのない一振りです。特にゴッドベルト氏が施した装飾は見事で、繊細ながら確かな存在感を放っています。

まずは柄。鮫皮 が一般的な白ではなく黒の理由は後述しますが、それと対比される白の 柄巻(諸捻巻)がよく映えます。柄巻は染色により鮮やかに染まるのもポイントです。そして 目貫 と思われる花柄の装飾が風流ですね。手溜まり にも好影響が考えられ、正式結下緒 も含めて美しさと実利を兼ね備えています。

ひんがしの国方面で認識される瑞獣としての龍が鞘に象られています。その先には薔薇でしょうか。レシピ通りの作刀とはいえ、おそらく何らかのアレンジはあったことでしょう。ゴッドベルト氏はインスピレーションを重要視することもあり、彼の愛息子のエッセンスが若干入り込んだのかもしれません。

鐔は体配の割にはわずか小さめ。象嵌されているのは風雲の意匠でしょうか。少しわかりにくいものの十二角形をしており、エオルゼア十二神をイメージしたのかもしれません。/小柄 を通すための孔がないため 三所物 ではなさそうです。


最後に刀身。難しいところですが、横手 がわずかに見てとれるため、菖蒲造 ではなく 鎬造 としました。ただし反りは少なく、重ね の薄さや刀身そのものの長さを考慮すれば斬撃よりは刺突での運用を想定されたものと推測します。マンダリウム由来と思しきほのかな金色に 濤乱 の波紋がダイナミックですね。

全体として非常に高水準でバランスが取れており、和洋どちらの装いでも確かな存在感を放ちます。染色の影響は限定的(柄巻/鞘尻/一部の 金物)で調和を崩さない範疇にとどまるため、自身のイメージカラーに寄せることもしやすいでしょう。あのマンダヴィル家関連とは思えないほどの正統派な一振りですね。

小話

検分で「鮫皮 が白ではなく黒」と注釈を申した理由について。これには歴史的な経緯が関係しています。ツールチップでも記述している通り、鮫皮はエイの革で、かつての日本では舶来の高級品しかありませんでした。よって戦国時代は高級武士の携える刀にしか使えず、広く用いられるのは江戸時代からです。

鮫皮はもともと白色ですが、戦国時代に柄巻とされた鮫皮は漆塗り……つまり黒色が多くあります。というのも、技術が未発達な時代の魚の革ですから、濡れると滑ります。つまり汗や雨や返り血で水分を吸うと無垢の鮫皮は滑るんですね。刀を振るうには致命的なので、刀が実用品の時代は鮫皮が黒いのです。

翻ってお江戸の治世は戦乱なき平和な時代。ゆえに鮫皮は高級感優先で「美しさ」が求められました。鮫皮の特徴的なツブツブの表面を際立たせるには白が最適で、結果「鮫皮は白」の共通認識が強くなりました。そこをあえて黒、実戦的な拵とするあたりに、よい仕事を感じた次第です。

また、正式結下緒 もよく考えられています。来歴からして実用品だったであろうマンダヴィル・サムライブレードは、奉納されてもおかしくない青龍鱗文刀(大名結)と異なり、実戦で使える必要があります。もちろんゲーム内のお話ですから野暮はいいっこなしですが、鮫皮の話も含めて外観と実用性のバランスが現実的にも美しくて良いですね、というお話でございました!

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