花鳥風月

ユンブさんとボズヤ戦争。

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約10分

みなさんこんにちは!戦争、楽しんでますか!(クソ不穏

先週実装されました「南方ボズヤ戦線」。これまでのアラミゴやドマ同様、帝国の圧制からボズヤ地方の解放を目指すお話です。ただ、メインストーリーではないこともあってか、若干毛色の異なる描写が随所に見受けられます。漆黒で語られた『それぞれの正義』について、別角度からスポットをあてるような、と申しますか。

というわけで、ガレマール帝国第IV軍団所属の「恩徳のユンブ」さんと、彼女を通じ『戦争』について触れてみます。わかりやすく一言でいえば、彼女は『闇落ち』します。いえ、まあ闇落ちさせたのは光の戦士なんですけれど、それはまさに戦争そのものであって。彼女の詳細はご自身の目でご覧いただきたいのですが、未見さん向けにざっくりご説明……する前に、ネタバレがイヤだという方のためにスクショをぽちぽち挟んでいくよ!

本記事はサブストーリーですらないNPCのお話ですが、ぜんぶ自分で見て体験したい!という方は精神安定の観点から回れ右が推奨でござる!注意はしたでござるよ!(ृ '꒳' ृ)

ネタバレ防止ヨシ!それではいってみよう!

「恩徳のユンブ」。

・慈悲深い性格の属州出身ミコッテ族女性。
・出自に囚われないという第IV軍団に心酔している。
・ボズヤは帝国の支配を受け入れるべきと考えている。

二つ名からもわかるように、部下から非常に信頼されています。支配による恐怖心からではなく、文字通りの忠誠心から、命尽きるまで付き従う者ばかりです。戦場でまみえた際は「命を捨てるような真似はお辞めなさい」「抵抗しなければ命までは奪いません」と、敵であるこちらをも慮った発言をします。そんな彼女は第IV軍団長ノア・ヴァン・ガブラスの『王国楽土』思想に心酔しており、ボズヤもそれを受け入れるべきと考えています。

ユンブ・ピル・ポティトゥス。

彼女の本名はユンブ・ピル・ポティトゥス。下級士官階級のピル(Pyr)のなかでも選抜兵、かつてのグリーンワートと同等の指揮権などを持つと考えられます。そう、士官とはいえ、現場指揮官クラスに過ぎません。大隊長や師団長などの、規律をどうこうできる立場ではないのです。ここ重要なポイント。

彼女がどのようにして士官となったか、何故かような思想に傾倒したのか。戦果記録に記されている内容もあれば、明らかではないこともあります。そもそも戦果記録の記述がすべて真かも注意して見なければいけません、なんてお話はさておきまして。

脱線: 断片的な情報について。

すべてを疑っては検証や裏取りだけで人生が終わってしまいます。ゆえに概ね信頼できると思しき情報は、確率論的な観点に基づきぼちぼち用いるのが『賢い』わけです。しかしながら、真実に嘘を紛れ込ませるのが詐欺の常套。エオルゼア百科事典の第一弾でも、ガイウスは死んだことになっていたりしますしね。それが詐欺というわけではありませんけれど、そうして『逆手に取る』『予想を裏切る』のです。

そんなわけで、戦果記録。いまのところは、おそらく真実の割合が多いように感じます。けれど、それが森羅万象の未来永劫に渡る真実性を担保するものではありません。そもそも真実とは何かというお話でもありますけれど、意図して捻じ曲げられた真実、意図せずに折れ曲がってしまった真実、どちらも本来の姿からはかけ離れたものが独り歩きするケースは少なくありません。

そう考えたとき、敵方の情報など、いかようにも揺蕩い、移ろうものだと言えましょう。断片的な情報に、提供者の意図や意志が込められていたら。記述の端々に、僅かながらの感情と思惑が埋められていたら。すべてを疑うのは時間が足りないけれど、重要と思われることについてくらいは、慎重に判断していきたいですね、という脱線でございました!

『王国楽土』とは。

種族や出自や性別などに囚われず、実力と忠誠心でのみ評価される、従前の帝国式支配とは異なる体制だとされます。また、出自を差別しないということは、それぞれの土地が持つ意味も薄まるということ。つまり、ボズヤはボズヤの民だけでなく、あまねく人民が幸福に暮らすための地となるべきだ、と言うのです。かつてのボズヤは貧富の差が激しく、見かねた帝国側が福祉局を設置するほどだったとか。ガブラスが掲げる理念は、聞くだけであれば、そうした事態とは無縁になるようにも思えます。

語られる通り完全な実力主義なら、たとえレジスタンスとして活動してこようと、挽回の余地はありそうです。少なくとも、旧態依然のボズヤに戻ることはないでしょう。よって、ボズヤの民にも少なからぬ利益があるのだから、こっちに靡いたらどうだ、と言うわけです。

理想と現実。

₍՞◌′ᵕ‵ू◌₎はい、ここまでは『あちらの言い分』=『あちらの正義』。戦争というのはお互いが譲れない正義をぶつけ合って殺め合う行為であり、あちらとは相容れない正義がボズヤ・レジスタンス側にもあるから起こります。蛇足を申せば、利害調整が出来れば戦争は起きません。戦争なんて、起こした時点でどちらも邪悪なんです。

……さておき、王国楽土思想はわからなくもないのですが、それをボズヤの民……故郷を灰燼とされ、一族郎党を文字通り "蒸発" させられた者、あるいは身命を賭し抵抗せんと決意した者に説くのは、いささか清すぎます。一通りではないレジスタンス側各人の思惑ごと内包できるようにも思えません。もちろん、故郷奪還を錦の旗とする破壊行為にいかほどの価値や正当性があるのかという議論でもありますが、少なくとも、それを『正義』とし活動するレジスタンスに、彼女の説得はいかほどの意味があるだろうか、と。

故郷を取り戻そうとする人に向け、いやそんな小さい視点じゃなくてすべての人が幸せに暮らせる土地にしよ!そのためには私達の支配を受けてね!などと宣うのは、控えめにいっても逆撫でにほかなりません。発想の出発点が既に支配する側、自らを上に置いていると理解できていないのです。傲慢な立場から分かち合いを謳っているわけですね。旧態依然には戻らないだろうとは申しましたが、『王国楽土』のボズヤがかつてより良いとは限りません。そのようなすれ違いと断絶が戦争に至る一因なのですが、果たして彼女は考えが及んでいたか否か。

そして、彼女はせいぜい分隊長。捕虜の処遇をどうこうできるような権力はなく、上官命令に背いて独自の行動をとれる立場でもありません。彼女がいかに慈悲深かろうと、術士大隊長は味方からも「妖術士」と恐れられるクレイジーさです。彼女の意思が通るとも思えません。簡潔かつ齟齬を恐れずに申し上げれば、彼女は理想を体現する力がなかった。それでなお、理想を押し通せると思った。つまり『身の程を知らなかった』んです。

手折られる花。

身の程を知らず、戦場に駆り出されたらどうなるか。戦場に吹き荒れる『力』こそすべての暴風に、いとも容易く折られてしまうだけです。理想を抱くのは結構なことです。そのために慈悲深くあらんとし、敵味方に恩徳を施すのも結構なことです。しかしながら、その理想を戦場で実現しうるだけの『力』が、彼女にはなかった。権力、戦闘力、信力、その他いろいろ挙げられる『力』が、彼女には不足していたのです。結果、部下をひとりまたひとりと斃され、彼女は叫びます。

「解放を謳う、血に飢えた蛮族ども……!私は、貴様たちの顔を忘れない……絶対に、絶対にッ!」

₍՞◌′ᵕ‵ू◌₎……戦争にござるなぁ。清く掲げた理想は戦場の嵐により血塗られた絶望へ転じ、恩徳とまで呼ばれた彼女は復讐の鬼と化しました。ここから先の顛末は、なんとなく折りたたんでおきます。

折りたたみ: 恩讐のユンブ。

彼女は術士大隊とは行動を別にし、単独でレジスタンスを待ち伏せます。そして、ちょうど居合わせた魔獣大隊に乗じ、仲間の仇を討ち果たさんと襲いかかります。

「来たな、血に飢えた蛮族ども……!死んでいった仲間たちの下へ、送ってやるッ……!」
「おい、術士大隊の……ユンブと言ったか?前に出すぎだ、下がれ!」
「黙れ……!復讐の好機、誰であろうと奪わせはしないッ……!」

「よくも、私の仲間たちを……!皆、自由を信じて戦っていたんだッ……それをッ……!」
「死んだ仲間が、復讐を望んでいるのか……?信念のためにこそ武器をとっていたのではないのか?」
「黙れ、黙れ、黙れッ……!蛮族が軽々しく、私の仲間の想いを口にするなッ……!」

「私の仲間を…よくも…よくもッ…!」
「何がレジスタンスだ…自由を拒む者どもめ…!」

しかし、力戦も及ばず、掲げた理想は叶わず。彼女は戦場の露と消えます。理想に焼かれ、憎悪に囚われし彼女が今際の際、仲間たちの在処を見出せたのは、僅かばかりの救いだったのかもしれません。

「嗚呼…やっと…皆に逢える…」

彼女は愚かだったのか。

₍՞◌′ᵕ‵ू◌₎愚かでない人間なんておりませんけども。(突然の悟り

叶わぬ理想に焦がれ、理想に焼かれ、聖女から羅刹へと成り果てた彼女。果たしてその存在は、取るに足らない夢見がちな少女の愚かしい思い上がりだったのでしょうか。

一言で言ってしまえば、愚かだったのかも知れません。たとえば、アゼルバイジャンとアルメニアの戦争。当事者本人たちより強大な大国が控えていますから、それらが停戦をとりなして話し合い、なんて道が残されています。実際の現地は泥沼っぽいのはさておき。けれど、仮に米露中欧がドンパチはじめたら、間に入れる国なんてありませんよね。行き着くところまで、勝者と敗者が決するまで終わりません。戦争とはそういうものです。

エオルゼアでは、帝国という最大勢力が侵略者です。間に入れる国などありません。帝国と相対する立場で選べる選択肢は、抗うか従うかです。帝国側と被侵略側のどちら側からも、清い理想で物事を変えられる地点は、とうの昔に通り過ぎています。そのように選択を押し付ける側である自覚が彼女にはなかったことでしょう。であれば、見当外れな理想を戦場で謳う、力不足で未熟な彼女が倒れるのは当然の帰結だったとすら言えます。

もちろん、彼女なりに正義と平和と自由を信じていたのは確かでしょう。例え非帝国民からすれば歪であったとしても、その願いは本物で、拒絶できこそすれ、否定はできません。けれど、そうした魂の灯火ごと吹き消すのが戦争です。繰り返す悲劇、連鎖する憎悪、果てなき復讐が戦争です。いつか断ち切れるかもしれないけれど、戦争が戦争の顔をしている限り、きっと終わりません。お互いに譲れない正義があるのだから。犠牲になった仲間たちが居るのだから。さて、いちばん愚かなのは誰でしょうか。

おわりに。

さてさてー(ृ '꒳' ृ)

彼女の理想が砕かれ、命を散らすこととなったのは、帝国とボズヤ・レジスタンスの戦争が原因です。ただし、英雄である光の戦士の介入が何よりも大きなターニングポイントであったのは間違いありません。

そんなわけで、暁の英雄こと光の戦士こと闇の戦士こと紅蓮の解放者は、屍山血河の上で栄冠を戴いています。理想に燃える武人、徴集された属州兵。さまざまな敵対者を、自らが望む未来のため、屠り続けてきたのです。進駐する帝国軍、偽りの歴史を騙る聖職者、故郷を恨み踏み躙る圧制者、悠久の宿願を果たさんとする調停者。自らの道を拓くため、すべてを討ってきたのが光の戦士です。いえ、討てたからこそ光の戦士たりえるのです。

One murder makes a villain, millions a hero. Numbers sanctify.
一人殺せば殺人者、百万人殺せば英雄。数が行為を神聖化する。 - 殺人狂時代

光の戦士としてのストーリーは、ゲームのなかに描かれます。では、そのストーリーを観測し、紡いでいく側である私やあなたの気持ちや覚悟は、どのようなものでしょうか。掲げる正義、奉じる大義、なにをもって骸の道を進む標としましょうか。光の戦士によって閉じられた者達の未来を、彼らが願った結末を、どのように繋げていきましょうか。ひとつの答えは「覚えていること」ですね。

もちろん、こうしたモノを考えずともまったく構いません。こんな小難しそうで、その実大して何も語れていないことをせずとも、ゲームシステムを満喫して嗜むだけでも十分に楽しい世界です。やりたいことをやれる余地がある、というのはとてもありがたいものですね(ृ '꒳' ृ)

私は私の楽しみ方として、よくわからない感情や感想をこねくり回したり、それをネットという星海にぶん投げるのを喜んでいるだけです。はい、というわけでこの記事もここでぶん投げます₍՞◌′ᵕ‵ू◌₎ブンッ……!

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