1. 随筆
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「頑張れ」は言わない。

誰かを励ますときに使われる「頑張れ」ということば。そこに込められる願いや想いを否定するつもりはないけれど、私個人は、できるだけ使わないようにしています。というのも、渦中にあるそのひとは、もう既に十分「頑張っている」だろうと思うから。

問題解決のためだったり、心身を癒やすためだったり。そのひとなりに向き合って、取り組んでいるんだろうと思うのです。傍目にはそう見えなくとも、どうってことないよ!と笑顔を振りまいていても、ほんとのところはギリギリの状態かもしれなくて、そこへ向けて無邪気に「頑張れ」とは言えない、なんておはなし。

「頑張れ」って、なんにでも使えるフレーズです。元気な人にも、しょんぼりな人にも、がんばれーって言えば応援した格好にはなるんです。しかし汎用は専門に劣るわけで、元気な人にはもっと相応しいことばがあって、しょんぼりな人にも頑張れ以上に響くことばがあるはずなのです。……それが何か?は、状況次第ですけれど、状況次第であるからこそ、能力/労力的に状況を読めないシーンで「頑張れ」が選ばれるのかなって。だとしたら、「頑張れ」は、ちょっと物足りないなって。

自分に向けて、あるいは過去の出来事に「頑張ったね」などはアリだと思うのです。「頑張れ」と言われることもイヤではありません。若くてツンツンだった棘乃雪時代はちょっぴりモヤりもしましたが、いまはそうして声を掛けてくれる・気にかけてくれることのありがたさを理解するようになりました。

であればこそ、その善意や厚意が無駄にならないよう、伝えたい気持ちを伝えたいかたちとサイズのことばにできるよう、一層精進していきたいなって。今まさに踏ん張っている人に「頑張れ」というのは、もう頑張ってるんですけど!?と感じられてしまうかもしれず、それだとお互いにしょんぼりですから。

なんて認識があるため、私はできるだけ「頑張れ」以外で、応援や励ましを伝えるようにしています。積み重ねてきた姿を見ていますよとか、自分を信じてとか、表現や語彙としては陳腐かもしれないけれど、それでもできるだけ、ことばを渡す相手に合ったものをお渡ししたいなって。

いまのところはうまく行くことのほうが少ないけれど、精進の先に、相手の方にぴったり届けられるようになりたいな、と思う私でございました!

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