1. 随筆
  2. 5056 view|最終更新 20/12/15

エオルゼアにおける「食文化」について。

人類の歴史は「食」と共にあります。どんな英雄や偉人も、食べることなく生きた者は存在しないのですから。気候風土と折り合いながら、食は多様な営みの土台となり、それもまたひとつの文化として発展してきました。現実世界がそうであるように、エオルゼアにも様々な食文化が存在します。

というわけで、きょうは各国の風土を踏まえつつ、それぞれの食文化を見ていきたいと思います₍՞◌′ᵕ‵ू◌₎15,000文字超えとたいへん長いのでゆっくりお読みくださいまし。

グリダニアの風土。

グリダニアといえば黒衣森。黒衣森といえば精霊。建国の経緯から、精霊……ひいては森そのものを敬う文化が根幹となっています。例えば、森の調和を乱しかねない家畜の飼育は禁じられており、輸入品を除き乳製品はありません。各種の収穫量も厳しく管理されており、贅を尽くした料理などは発展する下地がなかったと考えられます。それでも潤沢な水と適度な日照に支えられた森の恵みは一つの都市を支えて余りあるほど。海にこそ面していませんが、黒衣森に抱かれた森都は、豊かな自然に育まれたといえるでしょう。

上記のとおり、精霊との兼ね合いから様々な制約が生じているのは確かながら、同時に精霊から守られ、森の意思と呼ばれる彼らの恩寵を受けています。純粋に気候条件が厳しい他の国に比べれば恵まれていると言えるかもしれませんが、地道な対話を重ねる必要を鑑みれば、また別の難しさがありそうです。精霊を無視して乱獲乱伐をする無法者たちの尻ぬぐいをさせられるのはグリダニアだったりしますし。単に精霊からの要請だけではなく、自衛のための密猟者摘発なのでしょうね。

グリダニアの食糧事情。

精霊との対話が前提となりますが、様々な食糧を自足できる環境です。園芸師ギルドの存在は最たる例で、食用植物の伐採はもちろん、併設された農場では大きなカボチャやキャベツを始めとした様々な種が育てられています。東武森林のフルフラワー養蜂場からは多彩な花の蜜で作られた蜂蜜が供給され、中央森林の鏡池では漁業も営まれています。ラプトルやマーモット等の狩猟も盛んです。グリダニアは水車の街としても有名ですけれど、水車の役割は脱穀製粉。市街に粉屋があることからも、食糧事情は伺い知れますね。

豊かな食文化のなかでも、南部森林に構えられたムントゥイ醸造庫は特筆すべきでしょう。乳製品がない代わりに、ムントゥイ豆から作られるムントゥイジュース……つまり豆乳風の食材が流通しています。伝統的な食材で、発酵食品ゆえの特徴的な香りに好みは分かれるらしいものの、グリダニア料理の要とも言われる食材です。ちなみにムントゥイ豆を用いた食文化を展開したのはシェーダー族です。シェーダー族はグリダニアで爪弾きにされながら伝統料理をグリダニア名物にされるわけで、そのあたり軋轢がありそう、なんてお話はさておき。

入手が難しい生の海産物以外は、他の食材を一通り自前で揃えられます。唯一の懸念はやはり精霊。ヒトならざる彼らの意向に左右されるのは自由な発展を妨げるといえます。しようと思えば大規模な食糧生産もできる環境があるわけで。ただ、その行き着く先は森を枯らせる未来であることを森都の民はよく理解しており、ヒトの身勝手な飽食を求めるのではなく、自然の恵みとの共存を選択しているのです。それだけ黒衣森に依存しているとも言えますけれど、守れる自然を活用するのもヒトの賢い営みですしね。

グリダニアの料理事情。

素材を活かすためか味付けは薄く、他国……とりわけウルダハ文化圏の住人からは味気ないと言われることも。それもこれも精霊の仕業にござる。花畑に見立ててトマトを載せたトマトパイ、ラプトルのもも肉とキノコを煮込んだカーラインカフェ名物ラプトルシチュー、うさぎを模したフォレスター伝統のラビットパイなどは代表的な料理といえるでしょう。マーモットステーキはタマネギとニンニクでパンチがあるように思えますが、グリダニア風の味付けならだいぶ大人しくなりそうな気もします。

調理についても、やはり「森を汚さないこと」が前提におかれているのではと推測します。木材を大量に消費したり、森の空気を大きく汚したりすることはご法度とされていそう。薪を使うなら効率的にしなければ、森の恵みを浪費することになってしまいますからね。弱火で十分なレシピであったり、暖を取るのと同時に調理も進められるような料理が好まれていたりするのかもしれません。そういう意味でも、厚切りステーキなどはやはり違う文化圏なのかなと思います。

実際、黒衣森原産のブラッドカーラントを使うタルト、様々なキノコのソテー、レンズ豆と栗をワインで煮込んだシチュー、マッシュルームを炙ったムーンキーパー伝統のミコッテ風森の幸串焼……いわゆる豊かで静かな森イメージの料理が多数存在しており、素朴ながらも多彩な食卓が目に浮かぶようです。漁業は細く、魚介系が若干手薄でありながら、それを補って余りある森の恵みに支えられた食文化があるといえましょう。

リムサ・ロミンサの風土。

まさしく海上に造られた海都リムサ・ロミンサは、海の恵みを享受しつつ、海賊活動や陸・海運業も交えて文化を発展させてきました。入植地は点在するものの、内陸に強固な拠点が持てなかったこともあり、自前での陸の恵みは比較的手薄。しかしながら、様々な物資が行き交う交易都市の立場を確立したことで、食文化が花開いていきました。調理師ギルドや「レストラン・ビスマルク」などはその一端でしょう。漁師ギルドも海産物供給で大きな役割を担っていたことは想像に難くありません。

海風に曝される土地は塩害に悩まされがちで、実際に海都周辺の農地では苦労の声が聞かれます。昨今では解散となった海賊の受け入れ先として入植が勧められていますが、なかなか定着できないのが実情のようです。かつてコボルド族と「海はリムサ、土はコボルド」との協定を結んでいることもあり、それを破っている現状にはコボルド族の反発も強硬です。かといって海だけでは人々を養いきれず……そのうえ海にはサハギン族も……と、なんとも難しい舵取りが求められる状況にあります。

リムサ・ロミンサの食糧事情。

リムサ・ロミンサ自身の勢力圏は沿岸部に留まり、農耕で得られる食糧は多くありません。それでも遠洋航海に不可欠な水がわりのエール用の麦、エール造りが発展したワイン醸造用ブドウの栽培などは盛んです。逆にいえばそれくらい。霊災前は一面の麦畑だったとされる土地も、いまでは「クォーターストーン(土地の1/4が石)」と呼ばれる有様です。そんな現在でも健在のレッドルースター農場で作られる麦はグレイフリート風車群に持ち込まれ、エールの材料や食用となっています。牧畜は前述の都合から土地に乏しく、家畜はドードー程度。ほか、アプカルなど海岸地帯に営巣する鳥類の卵もよく使われるようです。

周囲すべてが海ゆえに海産物は豊富です。食卓にのぼる魚料理のバリエーションはもちろん、航海へ出る船に積まれる干し魚なども多様で、交易品としても機能したことでしょう。入港する船からは様々な食材が得られたでしょうし、帝国船相手の「スパイス交易」も、いろいろな好影響があったはず。モノは集まるところにより集まりますから、海都の食文化はそうした相乗効果が集積した結晶と言えます。

ちなみに、スパイス交易を言い換えれば香辛料貿易。現実世界でそのフレーズが意味するのは黒胡椒の通商航路確保を巡る一連となり、大航海時代の発端となったほどの出来事ですが、エオルゼアの黒胡椒……ブラックペッパーにそのような薀蓄はなさそうです。もちろん、アラブ商人との摩擦やらシルクロードとの関係やら、考慮すべき項目が多すぎて設定が硬直化しそうですから、それはそれで良いのですけれどね。

リムサ・ロミンサの料理事情。

エオルゼアに名を轟かせるレストラン・ビスマルクが目を引きますが、その礎はあくまで海都の食文化です。特産であるドードーやアプカルの卵を活用するオムレツ、同じく特産の小麦から作られたパンを用いたラノシアトーストなどの家庭料理と同じ目線に、ビスマルク名物ドードーのグリルがあります。港湾労働者向けの素朴な料理をアレンジしたビスマルク風エッグサンドも、彼らが商うこととなるザワークラウト、エーコンクッキー、ビーフジャーキーといった存在と切り離せません。

また、ゼーヴォルフ族の漁師たちは良くいえば素朴、悪くいえば大雑把に調理したものを漁師メシとして食していましたが、ミッドランダー族との交流により、適当な魚の煮込みが複雑で洗練された味わいのブイヤベースに発展したとされます。共通の掟さえ守れるならば、他氏族のヒトはもちろん、キキルンにゴブリンにマムージャなどの異種族異文化をも迎え入れる気風こそが、海都の食文化を育んだ原動力といえましょう。総料理長リングサスも遠洋船の調理師出身で、各地の食に触れ腕を磨いたとされますしね。

エールの醸造から発展したワイン文化を含め、飲食物の質はとても高いと言えます。この背景には、気の荒い船乗りの不満を抑えるには旨いメシが重要、なんて思惑もあったのではと考えます。さておき、様々な食材が集えば、様々な料理が生まれます。料理が生まれれば、文化もまた紡がれます。環境や時代という潮流を御すことで育まれた多彩で豊かな食文化は、まさしく海都の歴史そのものと言えましょう。

ウルダハの風土。

強烈な日差しと乾燥による厳しい環境は、ヒトが住むのに適した土地とは言えません。ではなぜ彼の地に街ができたのか。砂都のルーツは第六星暦初頭、魔道士や魔法そのものが迫害されていた頃まで遡ります。烈しい迫害から逃れるには人里離れた地へ身を隠すほかなく、彼らの落ち延び先がザナラーンでした。そして迫害が過去の歴史となった頃、時代の影で培ってきた魔法を用いて水脈を掘り当て、集落を形成したのが始まりとされます。

それでも農耕に不適かつ厳しい気候条件は覆しがたく、口にできるものはもっぱら他の土地で作られた保存食であったようです。乾燥地帯の割には水源が豊富で、地下水脈を含めればかなりの水量となるように思われます。メソポタミアの時代から、ヒトが文化を育むのに水は必要不可欠でありますから、少なくともその条件はクリアしている、といえます。そこから先の部分は各都市の運と努力次第であって、砂都ウルダハは、ある意味で最大の敵でもあった「土」を制して発展したといえましょう。

ウルダハの食糧事情。

痩せた土地でも逞しく育つ大山羊をはじめとした食肉が一般的です。クレセントコーヴなど海に面した土地での漁業もありましたが、ウルダハの民すべてに届く規模ではなく、多くは一握りの富豪に渡ったものと思われます。そのうえ第七霊災で潮流が変化、壊滅的な被害により操業停止状態となっています。強すぎる日差しと乾燥で作物も育たず、食糧自給には限界があるといえましょう。その代わりに鉱物資源は豊富で、採掘される各種金属をベースとした宝飾品産業が発展。得た富で陸路海路を通じた通商に頼ることで、食糧を輸入してきたものと考えられます。

建国の経緯にもあるように、乾燥地帯ながら水源は豊富です。飲料水には困らないで済むのは大きな利点といえます。飲み水としてだけでなく、錬金術の基礎であり真髄でもある蒸留水の素材にも使われるわけで、ウルダハ発展の重要な資源であったことに疑いの余地はありません。錬金術の発展は食糧の保存や加工にも関係していき、乾燥の厳しい土地での食糧事情に一役買ったのだろうと想像できます。干し肉に使う保存料であったり、香辛料の効果増強であったり。

それでもウルダハにおいて、生鮮食品を食べられるのはステータスと財力の証です。貧富の差が激しい構造上、食材の偏りが生じがち。貧者はきょうのパンにすら困窮する一方、富者は新鮮で豪勢な料理に毎夜舌鼓を打つような状態です。もちろん当人の才覚と努力によるものであり、それこそが砂都の美徳とも言われます。百億ギルの男と称されるロロリトは美食を趣味とし、財力を活かして各国の料理を堪能しているのは有名な話。ギルでしか食糧を工面できないということは、裏を返せばギルさえあれば何でも揃えられるということ。それもまた砂都の文化なのです。

ウルダハの料理事情。

ウルダハはララフェル族とヒューラン族が主要民族です。なかでもデューンフォークとハイランダーの割合が高いとされ、砂都の食文化は彼らに担われてきました。交易で得た香辛料を肉にまぶし豪快に焼き上げるステーキが、他国民の想像するウルダハ料理のようです。実際、発汗によって失われるミネラルを補い活力をもたらしてくれる理に適った一品ですが、ハイランダー族が作るとレアというより生に近い焼き加減なのは玉に瑕。いささか濃すぎる味と雑な調理法は賛否あるものの、言い換えればそうするしかない食糧事情や資源環境が垣間見えます。デューンフォーク伝統の塩味パンであるプレッツェルも、汗で失われた塩分を補給するのに良い一品。柔らかなパンはすぐに悪くなってしまう環境下で、少しでも長持ちする工夫を感じられますね。

また、古くからラザハンなど東方地域との交易があった関係からか、スパイスやハーブをブレンドした健康茶マルドティー、アラミゴ難民から持ち込まれた薬茶など、意外(?)にもお茶文化が盛んです。錬金術ギルドでも薬茶や蒸留酒の研究がされており、食を彩る一助となっています。錬金術が発展したのも、厳しい環境のなかで得られる物品を少しでも活用転用しようとしたがゆえなのかなと感じます。それが食に関わるのも自然な流れで、そうした多層的かつ独自の発展こそが、まさしく食文化なのです。

森の恵みを享受するグリダニア、海の幸に囲まれるリムサ・ロミンサと比べてしまえば、食に関する周辺環境は見劣りします。名物とされるウルダハ料理も少なく、酒場クイックサンドのクランペットが挙げられる程度。一般家庭の平均水準を出したなら、他都市よりも味気ない食卓になりそうではあります。であればこそ、産業の差別化とブランド化を図って外貨を稼ぎ、コントロールできない自然に真っ向から挑むのではなく、人間社会が築き上げた商取引で別角度から克服せんとするのが、砂都のやり方なのです。

イシュガルドの風土。

クルザス地方は標高が高く、エオルゼア軍事同盟の他三国と比べて涼しい気候が特徴です。黒衣森とも連絡しており、収穫できる植物と狩猟できる動物は多彩であったようですが、霊災による寒冷化の被害は甚大。食糧に関する各種産業は軒並み苦労を強いられているようです。長きにわたった鎖国政策が一転したのは、エオルゼア軍事同盟側の働きかけやアシエンの暗躍などはもちろんながら、食糧問題を他国に頼りたい側面もあったのかな、と推測してみたり。

厳しさの差こそありますが、もともと寒かったこともあり、寒冷地でも育つ作物を栽培していたのは不幸中の幸いでしょう。後述するライ麦などはその筆頭で、耐雪性や耐寒性は麦類でも随一とされます。小麦はラノシアと黒衣森が主流ですが、ライ麦はクルザスおよび隣接したモードゥナ一帯でのみ収穫できるのも、ある意味では怪我の功名といえるのかもしれません。ライ麦で作ったパンは小麦とは風味や栄養素が違いますから、もしかしたらイシュガルドの特産品として強みになるかもしれませんね。

イシュガルドの食糧事情。

作物が育たないほどではないものの、冷涼な気候であることから、農耕より畜産酪農が主体であったようです。羊などは肉・乳・毛皮と余すことなく使えるため、現在も盛んに飼育されています。とはいえ前述のとおり、霊災による寒冷化で多大なる打撃を受け、寒さに強いライ麦栽培などを除き、一次産業は方針転換を余儀なくされています。アバラシア雲海の土地に作付を試みていたり、一転した開国政策により外貨と物資を外に求めたり。食文化は歴史や環境にあわせて変わるものですから、そのような部分で今後変わっていく可能性は高そうです。

イシュガルドで象徴的なものといえば、貴族と平民の身分制度でしょう。正教改革で緩和されたものの、長い歴史のなかでそれぞれが積み上げてきたモノの差は大きく、それはウルダハと同様、食卓の差としても表れます。特に「雲霧街」の住人は苦しい生活を強いられており、炊き出しや配給などとあわせての支援を強く望まれていましたが、アインハルト家主導の「蒼天街」事業が奏功……と、脱線はこのへんで。ギルの多寡のみが直結するウルダハと比べればノブレス・オブリージュなどもありそうですし、多少はマシだったのかな、なんて。

正教の欺瞞が明らかになる前は、異端者と号された者達の略奪行為が頻発、流通の妨げとなっていました。現在はそのあたりが解消されはじめており、聖都の同盟復帰もあわせ、他国からの支援あるいは交易も盛んとなっていくことでしょう。寒冷化という抗い難い自然の変化に知恵と団結で立ち向かう姿は、まさに歴史を切り拓くものです。その結果どのような食卓となるかはまだわかりませんけれど、カリーがカレーライスとなったように、パンに餡を詰めたように、文化と文化が交われば、新たな文化が生まれることは確かです。

イシュガルドの料理事情。

イシュガルド料理といえば、暖を取れるシチューやグラタン料理が定番です。肉と野菜を煮込んでサワークリームを添えたクリムゾンスープは代表的なイシュガルドの家庭料理で、エフトの尾やポポトを煮込んだゼーメル家風グラタン、クルザスの気候でも育つライ麦のナイツブレッド、作付面積こそ減少したであろうものの今も重要なハイランド小麦で作るカイザーゼンメルなどが脇を固め、クルザス茶葉をヤクの乳で煮出したイシュガルドティー……と、一通りが揃います。個人的イチオシはオニオングラタンスープです。

教皇庁は文化の形成に大きく寄与しており (というか教皇庁自体が国家とイコールみたいなものでしたが)、祝祭用のガレット・デ・ロワやガトー・オ・フレーズなど、正教の信仰に基づいたスイーツなども特徴的です。教皇庁御用達としてヘヴンスエッグノッグやプリーストオムレツ、ホットココアなども知られています。市井から教皇庁に取り入れられたのか、教皇庁の食文化が民間に広まったのかは定かでないものの、国と国のような大きな規模ではなく、もっと小さな範囲でも文化が醸成しうる好例ですね。

ちなみに、イシュガルドでは「戦神鋼」を始めとする鍛冶・冶金産業が盛んで、魔導技術を研究する工房もあります。なんとなくのイメージですが、調理器具の品質はしっかりしていそうな印象。親子代々使われる薪オーブンとか、何十年モノのフライパンとかがありそう。ドラゴンのブレスにも耐えるお鍋です!とか。あっむしろドラゴンのブレスでお肉焼いて貰えば話題になりそうでござらんか!(下世話

アラミゴの風土。

アラミゴは概ねウルダハに近い気候で耕作適地は少なく、ウルダハと違い水資源もありませんでした。ゆえに豊かな土地を巡る争いが耐えなかった歴史があります。そんな厳しい自然と苦しい生活を乗り越えるため、星導教による尊武の精神が醸成されていきます。その後アラミゴとして統一がなされると、痩せた領地を嘆くのではなく、アラミゴが東方地域とエオルゼアを繋ぐ陸路であることから、街道の整備と警備により商隊から通行料を取ることで経済的に発展していきました。しかし、それも文明の発展による海路開拓で暗礁に乗り上げます。かといって、では農業をやろう!とはなりませんでした。これまで楽に稼いできた (もちろん警備等はしたけど) のですから。通行料を投資し土壌改良しておけばよかったのに、は言わないお約束です。

結局アラミゴが採ったのは、土地が痩せているなら豊かな土地をぶんどればいいじゃんプラン。グリダニアの黒衣森を狙った「紅葉戦争」でしたが、返り討ちにされたうえ、敗戦が尾を引き帝国に併呑されてしまいます。そこからの凋落は散々語られたとおりで、属州に課される重い税は、乾いた雑巾から一滴の水を絞り出すがごとく。痩せた土地はさらに痩せ細り、解放されたいまも傷は癒えていない状態ですが、後述する製塩事業や彫金細工など、少しずつ兆しは見えてきており、これからの復興に期待がかかります。

アラミゴの食糧事情。

かつての為政者がもう少し賢ければ……の思いもなくはありませんが、水もない痩せた土地で育つ作物は少なく、内陸地であるため、食糧自給には限りがあります。それでも東方交易が陸路で盛んだった時分には多くの外貨を稼いでおり、これまたウルダハ同様に食糧の輸入をしていたものと考えられます。また、東方とエオルゼア、双方の食糧が行き交う土地であるため、それぞれの食材が比較的手に入りやすい土地であったとも言えましょう。もちろんこれも陸路の交易があった頃は、の話ですけれどね。

そもそも、農耕に適さず畜産も難しい山岳地帯となれば、産業の発展自体がハードモード。ならどうするかといえば、かつてのスイス同様、傭兵です。時にウルダハ富豪のボディーガードとして、時にリムサ海賊の切り込み隊長として、幼い頃から鍛錬に慣れ親しむ精強なアラミゴ傭兵は、各国で重宝されました。彼らが雇い主から賃金を得、アラミゴの家族に仕送りをし、帝国支配前のアラミゴは生活が成り立っていたわけです。翻っていえば、アラミゴ領内での農耕畜産はそれほどに厳しかったということ。現在も、耕作地はバイロンズブレッドなどのごく小規模にとどまります。

そんな環境のなかでも食糧関連の産業に数えられたのが、ソルトリーで産出される岩塩と塩漬け食品でした。美食家の間では名の通った品だったようで、帝国の支配により出回らなくなった際には、多くの人々が嘆いたとされます。現在は復興を目指すアラミゴの柱として急ピッチで再開発が進められています。もちろん自然資源ですから無尽蔵とはいきませんし、現実世界での死海のような事態等が起きないよう、慎重な管理が求められます。まあ、あのロロリトが噛んでいますから、金の卵を産む鶏を絞め殺すような真似はしないと思いますけれどね!

アラミゴの料理事情。

調理師クエストでも触れられるように、アラミゴの調理器具がひんがしに伝わってSUKIYAKIが生まれるなど、東方交易の中継地であった影響を感じさせます。ただし通行料を得られなくなってからの経済情勢は芳しくなく、食糧と同様に調理法も質素にならざるを得なかったようです。肉を焼くだけの大雑把な料理と評されがちなウルダハ料理と同類、というよりはモンク僧を始めとした自己鍛錬を重視する風潮から、輪をかけてそんな感じだったのではと思われます。

そのモンク僧が気絶するほど美味だとされる茄子料理パトゥルジャン・イマム・バユルドゥは、現実世界ではトルコ料理です。トルコはシルクロード、アラミゴは東方交易の要衝という共通点こそありますが、かたや世界三大と謳われるトルコ料理、かたや肉を焼くだけと揶揄されるアラミゴ料理の間には、自前の食糧事情が大きかったものと考えられます。過去を悔やんだところで何ともなりませんが、アラミゴが食糧面で自立し、帝国の侵略も跳ね除けられていたら、どんな食文化になったろうかと。

……心なしかアラミゴへの当たりが強くなってしまい恐縮ですが、アラミゴの薬茶は広く有名です。動物の角、木々の根、香草などを煎じたそれは薬効もあり、ウルダハを始めとした他国でも飲まれています。他所のように食卓を満たすような食文化はなくとも、乱世を生き延びた伝統には違いありません。しかしどうしても、帝国支配下で散逸してしまった薬茶のレシピもあろうかと思えば、つくづく惜しい、という感想が途切れないのも正直なところです。

シャーレアンの風土。

政治的不干渉をとるシャーレアンの方針から、エオルゼア諸国とシャーレアン本国の国家間交流は少ないようです。個人や組織レベルでは「暁」を筆頭に多少はあるようですが、まだまだ謎の多い土地です。かつてはイディルシャイアに植民都市を構えていたものの現在は撤収放棄されており、いま現在の状況をつぶさに知ることはできません。北洋諸島にあるとされることから、個人的な気候イメージはアイスランド。さらに、国民全員を首長と表現し、直接民主制を前提とする (現在は人口増のため間接民主制に移行) こと、哲学の都とされるあたりは古代ギリシアのエッセンスを取り入れているのかなーなんて。もっともアテナイの直接民主制は女性に選挙権がなく……あたりの脱線はさておき。

寒い地域であったならば、おそらくイシュガルドと同様、ライ麦の栽培がされているような気はします。ライ麦には独特の風味がありますから、後述する賢人パンの評判に影響していそうです。また、寒い地域でも海には魚介類がいますから、それらを活用もしていることでしょう。唯一の懸念は飲料水の確保ですが、真水の湧水があればもちろん解決ですし、あるいは知の都の叡智で逆浸透膜法を編み出しているかもしれません。

食糧事情

上述のとおりシャーレアンの全貌は明らかになっておらず、国内産業である農耕水産の事情を窺い知ることはできません。とはいえリムサ・ロミンサと同様、海洋資源には恵まれているでしょうし、知の都であれば養殖や温室栽培などが盛んでもおかしくありません。品種改良などもお手の物っぽいイメージはありますし。あるいはそうした一次産業には商用使い魔とでも言うような仕組みや労働力が導入されていたりして。

エオルゼアは様々な食材が手に入りますが、実はシャーレアン由来と断定できる食品、ひとつもありません。近東ラザハンや遥か遠いひんがしの国や南洋諸島の食品はあるというのに。唯一の手がかりは、植民都市イディルシャイアに放棄された食糧らしきもの……モルボルやオプケンではなく、ドードー種のコカトリスと巨大うなぎオーケアニスです。それぞれフリカデレとオーケアニスシュニッツェルがレシピにあります。これらを養殖していたのかもしれませんね。

完全に交流がないわけではなく、例えばエーテライトシステムは専売特許ですし、学問の都らしく書籍事業も盛んです。そうして稼いだ外貨で食糧を輸入している可能性はあるでしょう。以下のように美食文化はないらしいものの、シャーレアンはシャーレアンなりに文化と歴史を積み重ねていることは窺えます。

料理事情

特筆すべきはそのモットー「知識の集積者たれ」に従い、食材から調理法まで、食文化に関する知識も収集されている点です。つまりはイシュガルド風の晩餐からアラミゴ風の豪快なステーキまで、シャーレアンにかかればお手の物。ただし残念なのは、それらはあくまで知識の集積と実践が念頭にあり、おいしいごはんを食べるためではない、という点。合理性を尊ぶ風潮から、食事は栄養と健康に良いかが最重要視され、味は二の次。もちろん、あまりに不味い食物をヒトは食べたがりませんから、ひとまず食べられるレベルではあるようです。

ストーリーでは「賢人パン」のエピソードが語られます。魚と野菜を練り込んだパンは独特の風味が鼻に抜け、つい真顔になってしまうほど。前述のような知識を多少なりとも動員すれば改善できそうなものですが、何か制約があるのでしょうかね。製法や原料の定めがなされた制度が現実世界でもあるように、賢人パンは乾燥させた魚ではなく生魚を使わねばならない、とか。賢人パンの食味改善には根強い抵抗勢力が存在する、とか。

エオルゼアに滞在するシャーレアン出身者がそもそも少なく、特に光の戦士と交流を持つのは賢人位を取得した者ばかりなため、情報に偏りがある可能性は否めません。ムーンブリダの得意料理はフリカデレなので、しようと思えば普通に料理できる環境はありそうです。エオルゼア出身でシャーレアンに留学した経歴をもつサンクレッドなら何か手がかりになりそうですが、彼は彼で家庭の味という概念があるかどうか……なんてところも含め、いまだ謎は多いシャーレアンです。それでも確かに、少なくとも賢人パンを巡る一幕で、彼らなりの食文化を垣間見ることができます。

ガレマール帝国の風土。

魔法が猛威をふるった時代。魔法が使えないために連戦連敗となったガレアン族が、イルサバード大陸の北のすみっこまで逃げのび、身を寄せ合ったのが「ガレマール共和国」です。厳しい寒さに曝される北州では作物の収穫も望めず、外洋へ出ようにも港は凍る有様。自然環境はアラミゴと別ベクトルでハードモードでしたが、青燐水の発見と活用を通じた「魔導革命」により転機が訪れます。軍民とも機械化が進んだことで、おそらくは農耕事業にも転機があったことでしょう。そして共和国は絶対的指導者ソル・ガルヴァスを得て帝政へ移行、侵略政策でその版図を拡大していきます。帝政ロシアの南下政策と重なりますが、ガレマールの進撃は、まるで北州に追いやられた過去の復讐を果たすかのようである、とも言われます。

現在はエオルゼア、つまりアルデナード小大陸にまで勢力を拡げているため含めましたが、元来はイルサバード大陸の国家です。アルデナード小大陸、イルサバード大陸、オサード小大陸のいずれにも勢力下の土地があるという広大さは、かつてのアラグ帝国に負けず劣らずの覇道っぷりといえましょう。もちろんそれだけ膨張すればほころびも出てくるわけで。ただいま絶賛内戦中であるあたり、拡大政策の終焉を見るようです。が、そういう時こそ破れかぶれの一撃に気をつけたいですね、なんてお話はさておき。

帝都の食糧事情。

厳しい気候から、農業や畜産は発展しなかったと考えられます。ロシアに似た環境と仮定すれば、白菜や大根やビーツやライ麦などは採れたでしょうか。ただし前述の通り、他国を属州とするようになって以後、土地が豊かな属州からの徴発により、様々な食材が集まるようになったとされます。そして恐らく、食文化という意味でも帝政転換前と後で大きな違いがあるものと考えられます。特に東方文化圏の食材も流入してきたわけですから、バリエーションという意味では他国にはないものがありそうです。

とはいえ、それらはあくまで支配できていたときの話。支配と搾取を続けられている間は良いのですが、できなくなったときの反動が大きいのは言うまでもありません。人間って一度得たものを手放すのは大変なんですよね。もっとも、生活レベルを下げるのは難しい!なんてレベルを通り越して内乱連発でヒトも国家も生命の危機状態ですけれど。それでもヒトは死なない限り、食べなければ生きられません。これまでの貯蓄分、あるいは前述の魔導革命によって機械化された農業などで賄っているのかなと推測します。

もともと青燐水は燃料として利用されており、温室栽培用タービンの燃料にも使われていた可能性はあります。魔導トラクターとか農薬散布用飛空艇とか、そういう農業機械があってもおかしくありません。なんせ「軍隊は胃袋で動く」と言われるくらいです。食糧が兵站の要なのは言うまでもありません。と考えたとき、寒冷地ゆえの保存食技術は兵隊のレーション作製にも活かされたことでしょう。戦力と補給の両面で、侵略の手を伸ばしうる環境が揃っていたと言えますね。

帝都の料理事情。

ガレマール帝国内については情報が少ないため想像するほかありませんが、基本的には寒冷地ならではの煮込み料理、スープ類が多かったものと考えられます。使用する食材の違いこそあれ、イシュガルドと同様の方向性だといえましょう。その後、転換点である魔導革命が起きてからは、もしかしたら現代と遜色ない調理器具が発明されたかもしれません。火を使わずにお湯を沸かせる魔導ケトルはゲーム内に出てきましたし、魔導グリルとか魔導圧力鍋とか魔導食洗機とか、きっとあるはずです。

これまでに紹介したいずれの国よりも厳格な身分制度が設けられており、もしかしたら買える食材や器具にも身分制限があるかもしれません。そうした区別は不満の種になると同時に、強烈な上昇志向と成果欲に繋がり、帝国の原動力になったことは想像に難くありません。上官の食べているうまそうなアレを俺もいつか!みたいな。逆説的に、そうした利益を感じさせるためには、魅力に映るモノを用意する必要があります。拡大政策はそこが大変なのですよねぇ。

また、素材だけ奪っても料理はできあがりません。属州となった土地の調理人を奴隷として連行し、調理そのものやレシピの伝授などをさせたのだろうと考えられます。ただ、大英帝国のような例もありますから、その料理が根付くかといえばまた別問題です。あるいは現在のイギリスと同じく、冷凍食品が大いに発展しているのかもしれませんね。蛇足として、ガレマールのような階級制度こそありませんが、上流階級が使うスーパーはウェイトローズで中流階級はテスコで労働階級はアズダ、なんて雰囲気があります。ガレマール帝国にもそうした区分けがあってもおかしくはありません。

エオルゼア外の地域について。

エオルゼアはアルデナード小大陸の別名です。ハイデリンが惑星の名前。判明している限りではアルデナード小大陸、オサード小大陸、イルサバード大陸、そして北洋南洋東洋に諸島があるとされます。そのうち、アルデナード小大陸のことをエオルゼアと呼んでいるのです。オサードはドマやアジムステップがあり、イルサバードではガレマールを筆頭にウェルリトやボズヤなどの土地が知られます。

概ねユーラシア大陸を三分割したものと考えてよく、エオルゼアが西ヨーロッパ系、イルサバードがスラヴ系、オサードがアジア系と捉えられます。というわけで、オサードは東~南アジアあたり。ヤンサは中国・武陵源のような趣ですし、稲作風景はベトナムやビルマ (敢えてビルマ) のようにも。アジムステップはモンゴルがモチーフで、それぞれ気候風土も似ており、食糧や食文化も同様と考えてよいでしょう。

イルサバードは上の地図でも雲に覆われているとおり、まだ明らかになっていないことが多い状態。ガレマール帝国でお話した特色も、あくまでイルサバードの北側の話であり、南側は状況が違うものと考えられます。地図が正確だとして、緯度的にはアラミゴやリムサより南側の土地もあり、温暖な気候の土地もあることでしょう。

そんなわけで、オマケとしてエオルゼア外の土地について!

ひんがしの国の食文化。

現時点では出島のクガネを通じて触れる程度で、本国に足を踏み入れられてはいませんが、概ね中世の日本モチーフと言ってよいでしょう。江戸時代の中後期くらいかな。太巻き寿司、おでん、豚角煮、茶碗蒸し、抹茶、醤油、味噌、蕎麦……食材や調理品はもちろん、オリエンタル系家具としても存在します。ただ、例えば現実世界のタコ焼きは発祥が20世紀とされるので、このあたりはイメージ先行でゴーサインが出たのかなと思います。なんでもかんでもモチーフに寄せる必要はありませんからね!

ほか、例えばドマノヨアケなど品種改良した米が存在すること、白米が流通していることなど、現実世界基準で考えれば辻褄の合わないことが色々あります。でもまあ、そもそもエーテルとかなんとかで魔法つかったりできる世界ですから、比較して突付くのは野暮ってなもんでござる₍՞◌′ᵕ‵ू◌₎

ドマの食文化。

ナマイ村の水田が美しさを謳われるように、稲作が盛んな土地です。ひんがしの国と似て米飯文化ですが、ひんがしの国に近い沿岸部では出汁文化の影響によるあっさりした味付けと魚食、西方への交易路とアジムステップに近い内陸部では香辛料による比較的しっかりした味付けと肉食、という具合に若干の地域差があるようです。冒険者が立ち入れるヤンサは海岸部のため、印象はひんがしの国とおおむねイコールかもしれませんね。

ドマに接するナグサ地方の粉物料理として実装されているバインセオはベトナム風のお好み焼きです。広島風お好み焼きと口走るとどこからともなくカチコミをかけられますが、ベトナム風なら大丈夫です。たぶん。あくまで推測ですが、西洋人から見たオリエンタルなアジアをざっくりごちゃまぜにしたのではないかなと思います。ともあれ、海と川の幸だけでなく農耕に重要な水源も豊富。食糧を得るには恵まれた地域といえましょう。

アジムステップの食文化。

モンゴル方面がモチーフであり、中央アジア圏の食文化との融合も見られます。アジムステップでは「夜は赤い肉を食べ、朝は白い茶を飲む」とシリナが語りますが、モンゴルでは乳製品を白い食べ物と呼びます。ケナガウシの乳で団茶を煮出した濃厚なミルクティー・ステップティーが飲まれていることから、つまり夜はモンゴルのケバブことショルログ、朝はステップティーを……ということなのでしょうね。団茶はドマ商人から手に入れていると思われ、このあたりも中国モンゴルの歴史とだぶります。

多くが遊牧民かつ草原であるため農作物は少ないと思われますが、グオズやボーズに使われる麦の栽培はされていると思われます。ヒエンが語るとおり彩りには欠けますが、ブータン料理であるエマダツィもアジムステップ奥地からの伝来とされており、そのあたりもナグサ同様ミックスされているのかなという印象です。また、遊牧は季節と共に暮らすため、生肉や生乳を摂れる期間は限られます。干し肉やチーズ作りも盛んなのでしょうね。

ほか諸地域の食文化。

ラザハンのようなエオルゼアから「近東」とされる地域も、今のところ謎が多い地域です。錬金術が発展しているとか、露出度の高い踊り子さんがいるとか。彼の地に由来する食品は、現実世界の東地中海で食されるグラタン風料理のジャムメルムサカ、ラザハン伝来とされる甘酸っぱい発酵乳飲料ロランベリーラッシーなど。つまりエジプトからインド周辺になるでしょうか。南洋諸島関連ではアロエが実装されているほか、つい最近のフレイムダンスがフラをモチーフとしている様子なので、ハワイでしょうね。

さらにディープな地域を挙げれば、イクサル族が焚き火で豪快に作るのであろうベーコンスープ、燻製技術を持つアマルジャ族がラプトルもも肉を仕上げたスモークドラプトル、古代アラグ人が好んだというアラガンスネイルなど、色々な料理と食文化がエオルゼアには存在します。乾燥地帯に暮らすアマルジャ族はチーズ作りにも秀でるようで、彼ら独自のチーズがあったりするのかもしれませんね。

脱線: 料理に魔法は使えるか?

現実世界にはおそらくありませんが、エオルゼアには魔法があります。炎を操ったり、氷を繰り出したり、風を吹かせたりできます。では、それらを料理に活用することはできるのでしょうか。個人的には、結構難しいんじゃないかな、と考えています。できなくはないけれど難しい。発展した科学は魔法と区別がつかないように、魔法のような技術があるように、魔法で調理技術を補うことは可能でしょう。でも、ちょっと間違えると怪我、場合によっては人が死にます。

ファイアで何かを焼くとして、火力調節が必要です。特に、どのくらいの割合で調節に失敗し、どんな規模感で失敗するかの把握が重要です。100回に1回でも、火力設定を無視して壁を焦がすほどの火柱を上げるコンロは使いたくありませんよね。でも、10回に1回だけフライパンが一瞬火に包まれる程度なら許容範囲かもしれません。そして、そうした調整が魔道士でもない一般人にできるかどうか。あるいは、魔道士でもできるかどうか。

例えば楽器なら、大きな音を出すのは比較的簡単だったりしますが、小さな音を維持するのは案外難しかったりします。魔法のように楽器を操る人もいますけれども。楽器と料理と魔法は違いますけれども。何事にも向き不向きがあり、最大火力特化タイプがいれば、安定した炎を継続して出せる持久力特化タイプがいます。それらと同じように、とろ火を上手に出せるお料理特化タイプなら良さそうです。もしくは火急の事態なら、緊急避難的にありえるでしょう。

そして、魔法は概ね精神力を消耗します。上記のように調整ができる魔法技術が前提として、お手軽に調理へ望める器具があるのに、敢えて対価を支払って行使する価値があるのかという天秤になります。個人的には、お皿洗いなどなどの後片付けが残っている状態で、前もって精神を削っておきたい人はあんまりいないのではないかなぁと思います₍՞◌′ᵕ‵ू◌₎

一方で、シャードやクリスタルを利用した調理はありそうかなと思います。各種の素質モリモリの冒険者ほどさくっと作り上げることはできなくとも、ファイアシャードでふっくら焼き芋を焼いたり、ウィンドシャードで一夜干しをしたり、アースシャードで発酵を促進したり、みたいな用法はありえそう。そしてそのような調理法が広まっていたならば、エオルゼアの食文化は、現実世界とは少し異なる趣となっていることでしょうね。

おわりに。

そんなわけで(ृ ‘꒳’ ृ)

エオルゼア諸国に食文化は存在します。冒頭でもお伝えしたように、食はすべての土台であり、娯楽であり、癒やしです。どのようなことが重視され、見捨てられ、いまに形作られているかを考えれば、その歴史とともに人々の暮らしが浮かび上がってきます。

この長い記事でも、触れられなかったことはたくさんあります。パスタの原料となる小麦の品種とか、各氏族ごとの伝統料理だとか、第一世界についてとか、現実世界との比較とかとか。それらはお読みいただいたあなたのお楽しみにとっておくとしましょう。もしよろしければ、コメントなどで共有していただけると嬉しいです。

エオルゼアには緻密な設定が存在します。同時に、大胆な脚色も存在します。食文化においても同様であり……それはまさに、私達の冒険者人生を彩る香辛料のようなもの。これからも楽しくおいしく、味わっていきたいですね!

おまけの関連記事。

エオルゼア各国における差別意識についてほんわり切り込んでみた記事にござる(ृ ‘꒳’ ृ)

もうひとつの文化の土台、信仰についてふんわり切り込んじゃった記事にござる(ृ ‘꒳’ ृ)

そろそろカテゴリにまとめたほうが良いかもしれないでござるなぁ₍՞◌′ᵕ‵ू◌₎

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コメント

  1. つい先日(11/7頃?)完結を迎えた、「~.go.jp」のサイトの一端でございます。
    コメント投稿フォームのフィルメントにコピペしましたが、外部的にどう反映されるか不明ゆえ、以下に再掲いたします。
    今回も素敵な記事に相応しい内容かと存じますゆえ…(笑)。

    https://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/ca_c/page24_000897.html

      • 松乃雪
      • 2020年 11月 10日

      乙嫁語りの森薫さんが参加されていた企画ですね!まだ続いていた&完結したとは!良い情報をありがとうございます₍՞◌′ᵕ‵ू◌₎
      あの漫画のストーリーでも欧米人の彼がモンゴルの暮らしを書き記しているように、エオルゼアで知られるようになった各地の風習は、それぞれの土地に飛び込んだ観察者がいて、彼らの熱意の賜物が受け継がれて今に至るのだなぁと思います。私もこうした記事で、そんな彼らの真似事のひとつでもできればと思いますが、まだまだ研鑽を積まなければいけませんね!

    • すがり
    • 2020年 11月 10日

    一点だけ。
    本文中「ひんがしの国の調理法がアラミゴに伝わっている」とありましたが、
    調理師Lv70クエ『繋がりのレシピ』においてラザハン出身の老人が

    バックラー鍋なら、ワシの大好物さ!
    アラミゴから伝わって、ラザハンでは一般的だよ。
    何を隠そう、ワシはその味に魅せられて、この地へ来たんだ。

    ああ、そりゃ有名な話だよ。
    スパイスを買い付けに来ていたドマの商人が、
    ラザハンでバックラー鍋を食べて、いたく気に入ったそうじゃ。

    祖国に戻って店を出そうと、バックラー鍋に使う、
    底の浅い独特な鍋を大量に買ったはいいが、重くて運べんでな。
    農具の鋤(すき)を代わりにすると言って、置いて帰ったそうじゃ。

    と述べており
    「アラミゴのアラギリ付近で食べられていた傭兵料理のバックラー鍋が
    ラザハン経由でドマに入りすき焼きになった」
    という面もあるようです。アラミゴにもいいところはありますのよ。

      • 松乃雪
      • 2020年 11月 10日

      ご指摘ありがとうございます、アラミゴと東方の記述順が反対になっておりました!記載いただいている通り、アラミゴの食事がひんがしに伝わっており、それを知った彼女の父親がアラミゴ料理を認める……という流れでしたね。これを逆にしたらあの二人の未来が違うものになってしまう……(˚ ˃̣̣̥ω˂̣̣̥ )
      記事本文も修正いたしました、重ねてお礼申し上げます!

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