かねてより取り上げている「ゲーム規制条例」について、あんまり発覚してほしくなかった情報が明らかになったための第三回です。点の情報を線で結びます。
「ゲームは1日60分」香川県議会が全国初の規制条例制定へ 反発も相次ぐ – 毎日新聞
条例での規制について、ネット依存外来を設ける国立病院機構・久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の樋口進院長は「意味のあることだ」と評価する。センターの調査でもゲーム時間が長い人ほど学業や仕事に支障が出ており、「60分という線を示すのは予防として有効。他の子も同じ条件なので『守ろう』という意識も高まりやすい」と話す。
香川県の令和 2 年予算および概要は以下。
①依存予防対策★
・広報媒体を活用した普及啓発、講演会の開催
②依存症対策★
・医療機関向け回復プログラムの作成★
・回復プログラムの使用方法等についての研修の実施
・久里浜医療センターが実施する専門研修に医療従事者等を派遣・医療従事者を対象とした専門講師による研修の実施
8.ネット・ゲーム依存症対策事業(3,134千円)
(1) 事業内容ネット・ゲーム依存症を治療できる医療提供体制の充実を図るため、回復プログラムの作成や医療従事者等の人材養成を実施する。
(2) 事業期間令和2年度~
(3) 2年度事業内容 (新規)
①回復プログラム作成・活用事業回復プログラムを作成し、使用方法等について研修を実施する。
②医療従事者向け研修事業久里浜医療センターが実施する専門研修に医療従事者等を派遣するほか、医療従事者等を対象とした県内研修を実施する。
条例によって発生してくる業務を受注する側が「この条例は良いものです」とコメントしています。毎日新聞の記者さんはそのあたりまで踏まえてコメント取ってきたのか、あるいは単純に依存症の権威 (※詳細は後述) だからのノリだったのかは窺い知れません。
官民の連携とか行政間連帯みたいな包括的取組はとっても重要ですし、条例案はこうした予算計上ありき!癒着だ!みたいに騒ぎ立てる気はありません。ただ、ご芳名になんだか見覚えがあるなーと思ってさくっとググったところ、以下の記事がヒットしました。
久里浜医療センター院長、樋口進氏の大罪 – BLOGOS (木曽崇)
一応折りたたみで引用をしますが、要約すると、センセーショナルな発表でマスコミや民衆を煽り、依存症の定義を拡大したがりな先生です。
もちろん、少しでも疑いがあれば検査治療!が早期発見に良いわけですが、異なる調査方法の結果を同列に扱わないという基礎中の基礎すら守れない先生では、信憑性が皆無。そんな先生が、依存症患者はこんなに!まだまだ!と仰っていれば、自分の患者と稼ぎを増やしたいだけじゃないの、なんて言われても不思議ではなく。
どうなるの
たぶんこのまま何も変更なく採決されちゃうんじゃないかなー。予算にも組み込まれ、施行が既定路線ならば、できることはリコールくらいです。でもたぶん、高齢化率が全国より高い香川県、こどもに対する規制は「我関せず」というか、たぶん理解している人は少数でしょう。
そもそもの発端が「ゲーム脳」をはじめとしたゲームやインターネットに対する忌避感と、それにつけ込んだ依存症ビジネスと推測されます。ゲーム脳推しの急先鋒だった岡田尊司氏が研修会に呼ばれているくらいですし、第一回で書いたような「無知が恐怖を生む」状態なのでは、と。
知らないものが怖い、怖いから遠ざける、遠ざけて解決したつもりになる。一言で言えば「愚か」ですが、その愚かさに気づく頃には、愚かな振る舞いをした連中は土の中か、こんな愚かなことをしたのは誰だ!と喚くばかりで、尻拭いをさせられるのは別のひとたち。ああ世知辛い(:›_ヽ)_
……さておき、採決されるのか、変更はあるのか、その他もろもろ含め、引き続き追っていこうと思います。
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