四聖獣が一、青龍の荒御魂を鎮めることで手に入る刀です。四聖獣奇譚というストーリー、青龍という登場人物のディテールやニュアンスを、アイテムに落とし込んだ逸品です。また、鞘自体の装飾の繊細さもさることながら、実用的な下げ緒が付いているエオルゼアの刀は非常に珍しく、そういった意味でもエッジの効いた名品であるといえましょう。実装から日を置いて、エフェクトつきの「【輝】」が追加されました。
造つくり。形状から刀を区分けする分類。「○○造」と称される。刺突に向く、斬撃に適するなど、形状ごとに特徴がある。 … 鎬造しのぎづくり。鎬(しのぎ。刃と地の境)と横手(よこて。刀身と先端の境)に筋をつけ、棟(むね。刀の刃を表とすれば裏側部分、いくつかのパターンがある)も形成する、典型的な刀の形のこと。単に日本刀と呼ぶ場合にイメージされるフォルム。別名を「本造(ほんづくり)」。。
刃やいば。は。切断や刺突に用いられる鋭利な面のこと。また、その面に表れる文様、刃文/刃紋(はもん)のこと。 … 鱗の紋様。
柄つか。刀の持ち手のこと。滑り止めを巻いたり凝った装飾を施したり、刀の設計思想や使用者によって特色がある。 … 蛇腹の鮫皮、蛇の目貫。
鞘さや。刀を収納するケースのこと。入れば良いわけではなく、刀が内部で鞘に直接触れると刃こぼれ等が起き得るため、作成には高度な技術が必要。エオルゼアの刀には保管用の白鞘(しらさや)がなく、すべて持ち運び用の拵(こしらえ)と呼ばれる形状の鞘が付属する。 … 螺鈿細工?鱗模様、浪人結びの下緒。
鐔つば。指の保護などの実用性もさることながら、高い装飾性を持たせられるため、刀と鞘に並ぶ日本刀の重要パーツ。侍のジョブアイコンは鐔がモチーフ。 … 菱形。

まず、四聖獣・青龍という存在について。四聖獣奇譚は、上代(平安時代まで)をモデルとして展開される物語です。朱雀の歌に出てくる単語や言い回しなどから、個人的には確定。
2018.11.11「千年の暁」の歌詞を味わう。朱雀征魂戦BGM「千年の暁」。その公式歌詞を振り返ります。
ゆえに、登場人物のテンゼンや四聖獣たちは、平安時代の装いや風潮に影響を受けているわけです。そして青龍鱗紋刀。平安時代の刀は「腰反りこしぞり。刀身の根本で反る、備前物などの古刀に著名な形。復古刀にも存在する。」という大きな特徴を持ちます。標準的な(おそらくは寛文新刀がモチーフであろう)と比較してみました。
2017.10.24[刀剣目録] 精霊銀打刀精霊銀打刀 (英:Mythrite Uchigatana) の概観や寸評など、動…

反りの中心だと私の思うところに赤色の矢印を置いてあります。棟区が地面と垂直になるように持った状態で、精霊銀打刀はまっすぐ伸びた後にクイッと反るのに対し、青龍鱗紋刀はスタート直後にグッと反っています。……が、自信はありません。「四聖獣奇譚が平安時代ベースだから平安期の刀だと良いな!」という思い込みの産物である可能性は全く否定できません。でも、仰け反るようなフォルムかつ踏ん張りがある(刃の根本と比べ先端が細い)等、古刀のエッセンスが濃いめだと思うんですよね……!ガチ刀剣審美家のお方に見解を伺いたいところですが、ひとまずさておき。

画像引用元→刀の下緒の結び方。③左右別れ結び。別名、浪人結び。
エオルゼアの刀では珍しい、この下緒(さげお)について。この結び方は「大名結び(別名:浪人結び)」と呼ばれ、通常の蝶結びよりも見栄えのする形として好まれました。ただ、もっぱら鑑賞用途の結び方であり、実戦向きではない……のですが、そこはエーテルのちからでなんとかできる!よし!
蛇腹の柄巻、鱗文様の鞘、果ては刀身までもが鱗紋という、蛇感強めの一振りです。四聖獣奇譚に登場する青龍は大蛇が転じた存在であるからと考えられますが、そうした着想にもとづいてしっかりとモデリングされた秀逸な一振りといえましょう。

画像引用元→都香庵 - 金襴織物 鱗文大(黒・銀)
「鱗紋刀」というモノについて。動画の解説文にて「うろこもんかたな」としましたが、いわゆる重箱読みなのは、青龍は漢語で鱗紋刀は和語と解釈したからです。「せいりゅうりんもんとう」のほうが音の通りは良いのですけれどね!
鱗紋(鱗文)とは、三角形の図形を規則正しく配置したものをさします。古代より世界中で用いられてきた意匠であり、特に魔除け、死者の埋葬品などに好んで施されたといいます。「幽霊のおでこには三角形の白い布」のイメージも、その装飾品を身に着けて埋葬されていたために出来上がったもの。時代が下り、蛇あるいはオロチ、ひいては龍を象徴するデザインとして、鱗紋は龍蛇信仰と密接に結びついていきます。北条氏の家紋および由来なども、まさにそれですね。そして、龍蛇信仰は、まさしく青龍を取り巻いた出来事の肝。なればこそ、御神体ともいえる刀や鞘に鱗紋が含まれるのは、至極当然であるといえましょう。

刃を頂点に、刃身にも龍の鱗紋があしらわれています。まさに鱗のように光を反射するさまは、非常にインパクトがあります。鐔つば。指の保護などの実用性もさることながら、高い装飾性を持たせられるため、刀と鞘に並ぶ日本刀の重要パーツ。侍のジョブアイコンは鐔がモチーフ。(つば)に相当する部分も蛇の意匠と思われ、寸評に記したとおり、細部にまで意識が行き届いた逸品という印象です。英名「Seiryu's Rippled Katana」、青龍の漣(さざなみ)の刀、という名称も、海嘯を操るとされた龍蛇を想起させる良い表現ですね。
龍蛇信仰に翻弄された一匹の蛇は、テンゼンとの出逢いにより救われ、テンゼンとの行脚により経験と功徳を積み、テンゼンとの別れを経て青龍へ転じました。一匹の蛇が、青龍に、そして荒御魂に呑まれた災厄の化身になろうとしたとき、在りし日のテンゼンとおなじ力を持つ光の戦士が現れたのは、彼らが言うように天命であったのでしょう。これからも先へ進む光の戦士にとって、ひんがしの国の四聖獣奇譚は、通過点のひとつかもしれません。けれど、この刀こそが、彼らと冒険者とが紡いだ歴史と奇譚の結実であり、ふと眺め握るとき、場所も時代も遥か彼方から続く、縁を思い出すのです。
……ただのアイテムに、それ以上の想いや価値を見出す。この刀剣目録のような、そんな遊び方も、なかなか楽しいですよ!
2020/08/28 … 青龍鱗紋刀【輝】を追記。
2019/06/06 … 体裁の改善。
2019/03/17 … 誤表記の削除。
2017/03/06 … 初版公開。




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