「精霊銀打刀と精霊銀太刀」のように、エオルゼアやひんがしの国にも太刀と打刀の別があります。設定資料集Vol.2においては、
刀剣に鎬と呼ばれる筋が通った反りのある刀。
主に馬上での合戦で用いることを想定しているため、
全体的に刀身の反りが強く、長大という傾向がある。 ― 太刀
馬上で振るうことを念頭にした太刀とは異なり、
主に で用いるために造られた刀を「打刀」と呼ぶ。
刀身がやや短く、腰から抜き放ちやすくなっている。 ― 打刀
と記述されています。刀の歴史についても僅かながら触れられており、そこから推察する限りでは、現代地球と概ね同様の経緯を辿っているものと思われます。
すると気になってくるのが、佩用(腰への差し方)の違い。ざっくり分ければ、太刀は刃を下に、打刀は上になるよう身に着けます。が、エオルゼアにおいては、太刀と呼ばれる刀でも、打刀式なんですね。
エオルゼア出身の冒険者だけがこうであれば、異国の者だから勘違いして…等の理由付けもできます。過去作となるFFXIにおいては、
打刀と太刀は、本来その携帯のしかたから異なる刀剣で、
太刀は刃を下にして佩き、打刀は刃を上にして腰に差すものである。
しかし、侍の作法や剣術の伝播よりも先に鋭利な舶来の武器として刀が出回ってしまったため、
直接腰のベルトに吊す、いわゆる片手剣と同じ帯剣の仕方が主流として定着してしまった。
― ファイナルファンタジーXI 電撃の旅団 編 ファッション2007「両手刀」より抜粋
なんて設定が存在していたりします。そういった、いわゆるエオルゼアとひんがしの国の文化的ないきさつが……というわけでもなく。打刀は存在しないとされる菊一文字を持つヒエンも、エオルゼアの冒険者と同様の差し方なのです。となれば、なんらかの理由があるはず!
……有り体に言ってしまえば、「ゲーム仕様上の制約」ですよね。単なるグラフィックだけでなく、実際の動線も考慮しなければいけません。いわゆる「落とし差しから縦抜き」のモーションである以上、ただの上下反転では、今度は抜刀時に刃が自分を向いてしまう。かといって、ひとつの武器カテゴリのなかで別のモーションを作るとなれば、諸々のコストやリスクが膨れ上がってしまいます。他のジョブの武器はどうなるんだ、なんてお話にもなります。そういう現実がある。
……のは、もちろんわかったうえで!!これを世界観に設定する、カバーストーリーを知りたい!!既にどこかで語られていたりするのかなぁー。まだ表に出ていないと仮定して、すこし妄想してみましょう。
侍としての地位があるヒエンも同様となれば、現実として、「種別に関わらず、侍の刀は刃を上に佩く」が正しい作法と考えていいでしょう。問題は、なぜそうなるに至ったのか。なるべくしてそうなるワケで、持ち方、差し方、すべてにワケがあるワケです。個人的には、「剣気(エーテル)を用いる都合で」が、エーテルのせいにできて現代地球との差別化という意味でも、良い落とし所かなと。
エオルゼアの侍たちは、剣気と呼ばれる要素を用いて技を繰り出します。剣気…エーテルは、刀だけでなく、鞘や衣装からも大きな影響を受ける代物。となれば、構えひとつ、差し方ひとつが影響を及ぼすのも想像に難くありません。たとえば、常に落とし差しなのも、本来は鞘当てをしないためだったのが、剣気を用いた抜刀術が発展した結果、技を繰り出す際に、
自然とこの姿勢になり、これがエーテル的に良かった、とか。他の構えや差し方では、無駄や不足が発生したり、扱いのうえで不便があったのかもしれません。あるいは、エオルゼアの刀は発生当初から打刀式だった……とかも良い。ちょっぴり乱暴な気もしますが、プロダクト管理の面でもよさそうです。
他にもいろいろな「設定」を考えることができそうですが、ひとまず、エオルゼアにおける太刀と打刀はこんな捉え方ですよ、という記事でございました!
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