江戸紫の刀身に、ガマズミやナンテンのような小ぶりの赤い実が象られた鞘。刃文は豪快なる湾れを見せ、美しさのなかにも力強さを併せ持つ小粋な一振りです。
造 … 鎬造。
刃 … 湾れ。
鐔 … 炎の意匠。
柄 … 薄黒革平巻。
鞘 … 黒塗木、金の鍍金、赤い実の飾り。
IL/Lv … 136/55
絡繰 … なし
染色 … 不可
入手 … ドラゴンズエアリー
備考 … 同型複数あり
黒から紫へと仄か染まる鞘には、かわいらしい赤い木の実が象られています。鞘を取り巻く金物も落ち着いた輝きを放っており、心地よい塩梅に感じます。刀身は紫色の地金が特徴的。光の加減で変わる表情も美しく、どこか気品漂う佇まいです。
それらと比べれば、炎を象った鐔は勇ましく荒々しい印象を受けます。かといって悪目立ちはしておらず、ある種の「振れ幅」として調和しているように思えます。 にある窪みは……やはり意図や用途が不明ですが、まあ、これはこれで!ね!
FFXIVの片山一文字には、公式の来歴設定が存在します。
この刀は幾人もの侍たちの手を渡り歩いたが、その使い手が西方へと武者修行の旅に出たのを最後に、長らく行方不明となっていた。どうやら強敵を求めるあまり、踏み入れてはならぬ場所へと至り、壮絶な戦いの後に討ち死にしたようだ。(出典 – Encyclopedia Eorzea II P.184)
この刀が手に入る地は、ドラゴンズエアリー。……つまり、前所有者はドラゴンズエアリーで邪竜の眷属と戦い、散ったのでしょう。片山一文字に限らず、同様の運命を辿った刀も少なからぬように思いますが……志半ばで斃れた侍の魂を継ぎ、新たなる泰平の世を守るのも、粋なことではないでしょうか。
また、片山一文字は刀工およびその作品として実存します。いわゆる「菊一文字」則宗を開祖として福岡一文字派が生じ、その流れを汲むのが片山一文字派であり、祖を則房(のりふさ)と言います。そのため則房の作は「片山一文字」とも呼ばれるのです。
→ 太刀〈銘則房〉 – 文化遺産オンライン
→ 太刀 片山一文字 則房 – つるぎの屋
他にも様々な一文字派が存在しますが、作風の模倣やフォロワーが出るほど、菊一文字から連なる一文字派が優れた流派であったことが伺えます。しかし、御番鍛冶13名中7名を占めるほどの隆盛を誇ったものの、独特の美しい刃文は継承が難しく次第に衰退。おなじ備前の長船派にその座を譲ることとなりました。
FFXIVにおいてその美しい刃文を表現することはシステム的に難しいと思われますが、そういう来歴もひとつのお話として、このアイテムに彩りを添えてくれるといえましょう。
細部こそ多少の違いはありますが、同型色違いが存在します。ロミンサンキャプテン・カタナは黒渦団軍票交換で装備できるのも所属時のみ、卸金打刀はマーケットボードで購入可能、この片山一文字とレイクランド・ブレードはダンジョンドロップ品……と、それぞれの入手先にも違いがあります。
すべてを装備できるようにして気分で色変え……は、すこしだけハードルが高いかもしれませんね!
2019年7月19日 … レイクランド・ブレードを追記。
2019年6月16日 … 初版公開。
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