白亜の鞘が美しく、和洋折衷の趣も感じさせる一振りです。打刀と銘打ちますが、太刀並の大きさを誇ります。鞘は元々の色の上に染料が乗るのか、白色の絵の具を混ぜたような色調に染め上がるのも特徴です。
造 … 菖蒲造。
刃 … 広直刃。
鐔 … カップヒルト風。
柄 … 黒革の出し鮫柄。
鞘 … 白革と黒革、チャクラ形の装飾。
IL/Lv … 409/76
絡繰 … なし
染色 … 可
入手 … 製作/クエスト/NPC販売
公式 … 賢銅打刀
アラミガンサムライブレードと同型色違いです。「チャクラ形」についての解説などは上の記事にてしておりますので、よろしければ併せてどうぞ。
アラミガンサムライブレードは刃側が染まりましたが、賢銅打刀は棟側が高めの彩度で染まります。ほか、それぞれのパーツで染色される・されないがざっくりと逆転しています。こちらは鞘の地が染まりますが、あちらは鞘の地はそのまま、など。
比較的長大な刀なのに菖蒲造なのは、対人間ではなく、対モンスターの武器だからと推測します。人間相手ならば「斬」れるでしょうが、バケモノの毛皮と肉をを断てるとも限りません。であれば、ずずいっと心の臓や脳天を「突」き貫けるほうが良い、と時代の要求があったのではと。
さておき、鐔部分はカップヒルトのような形状をしています。アラミガンサムライブレードでは「アラミゴの鍛冶師が見様見真似で作ったから」と推察しましたが、第一世界にて登場した賢銅打刀の場合は「刀鍛冶の技が絶たれて久しいから」かもしれません。
鞘には精緻な飾りが施されており、存在感と重厚感を醸し出します。アラミガンサムライブレードではさらりとした布でしたが、こちらはシボのある革を巻いているようです。染めた色によってはシボ感が強調されたり抑えられたりするため、プレビューでの確認をおすすめします。
染色面積が大きく、同型との差別化が図られています。華やかな金物は見目麗しく、これまで同型を愛用していた方はもちろん、これまで手にとっていなかった方にもオススメの一振りです。
この刀を素材で説明するならば、チタン銅を主とし、硬銀を装飾に用いた一振り。
素材を辿るとチタンブロンズインゴット→賢銅鉱と行き当たります。賢銅鉱は「チタン銅を含有する鉱石」とあり、錫を含む青銅 (ブロンズ) よりは銅 (カッパー) が近そう。チタン銅系合金と考えて良いでしょう。ちなみにチタン銅合金、現実世界だとスマートフォンの電源部品に使われていたりします。現実のチタン銅合金はチタン含有量が 3% ほど。チタンブロンズインゴットのようにチタンを追加すれば強度は増しますが加工が難しくなります。が、そこはエーテルですべてを解決です。色味は概ね銅と同じ。チタンを追加した賢銅打刀なら若干白みが強くても良さそうですが、これくらいもアリと思います。
ファンタジー世界の製作物ゆえ厳密な整合性はアレですし、さらには鞘の素材が含まれていなかったりもしますが、ゲーム的な制約がある以上は仕方がありません。むしろ、制約のなかでもこうした考察ができるほどの設定を練ってもらえるのは、とても喜ばしいことだと思うのでありました。
2020 年 3 月 1 日 … 初版公開。
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