実在の童子切安綱とは大きく異なる姿でありますが、それはそれとして、刀身に刻まれた紋様や豪快な鞘が印象的な一振りです。赤糸と黒革の対比が美しい鞘には龍が絡みつき、荒々しい雰囲気を醸し出します。
造 … 菖蒲造。
刃 … ……?( ˊᵕˋ )
鐔 … 龍頭の飾り。
柄 … 鮫皮巻き着せ。
鞘 … 昇竜の飾り。
IL/Lv … 430/80
絡繰 … なし
染色 … 不可
入手 … クエスト(Lv80クラスクエ+メインクエ)
公式 … 童子切安綱【劣】
刀身の長さは、平均的なサイズ(精霊銀打刀)よりはほんの少し長め。刃文は……直刃
にも思えますが、侍の存在が確認できない世界に生きる鍛冶職人が打った刀ゆえ、折り返し鍛錬ではないかもしれません。それでも、刀身に彫られた彫刻か紋様か、菖蒲造の刀身と相まって異彩を放ちます。
刀には「樋」が設けられることもあり、これも一見すると樋と言えなくもありませんが……果たして。
鐔の表側には、龍の頭が象られています。口から刃が出ているかのような、刃を呑み込まんとしているかのような、独特なデザインです。持ち手側には一般的な鐔も設えられていますが、こちらも龍が呼びし雲の意匠といったところでしょうか。
柄は兵庫鎖太刀(厳物造)とされる刀、なかでも「上杉太刀」こと群鳥文兵庫鎖太刀に良く似た形状と外観をしています。柄に巻いてあるのは鮫皮か、何らかの布や金属かはわかりませんが、蛇腹のような模様にも見えますね。この刀を打った鍛冶師は海底の底に住んでいることもあり、案外そのあたりの海棲生物の革かもしれません。
鞘には龍が絡みついており、鞘尻にかけて巻かれた緋色の糸とあわせて、直線と曲線のコントラストが目を引きます。様々な素材に丁寧な刺繍や加工がなされており、多少奇抜な印象もありますが、全体としてはリアルとファンタジーの融合した一振りだと言えましょう。
童子切安綱は日本の国宝であり、その見事さから「天下五剣(てんかごけん)」に数えられます。FFXIVの侍が操る技に同名のモノがありますが、それはこの童子切安綱に由来する名称から来ていて……なんてお話はさておき。
エオルゼアにおいては、いずれ世界設定資料集などで明かされるかもしれないものの、いまのところ由来や来歴は明らかでありません。本家の童子切安綱は酒呑童子を退治した逸話を持つことから、鬼ではなく何か別の怪物を倒した刀として語られるかもしれませんね。
……脱線しますが、現実世界に実在する刀をゲーム世界へ持ってくるのは、なかなか難儀するだろうなぁと思います。その刀が既に持つイメージをゲーム世界とどう融合させるか。映像表現の限界などの妥協点もあるでしょう。どうしても「本物」とは異なってしまいますが、その差異を(こうして刀剣目録などとして)味わうのも愉しみ方の一つ、と私は考えています。
ちなみに、この記事公開時点でエオルゼアに存在する天下五剣は、暗黒騎士用両手剣の「大伝多(大典太)」と、この童子切です。他の三口はいつ、どのカテゴリで登場することやら……!
童子切安綱と同時に入手する「春日(かすが)装束」は、侍というジョブのコンセプトが反映された、いわゆるアーティファクト(AF)と呼ばれる装備です。春日装束は、その名の通り春日派と呼ばれる甲冑師一派の作品で、いまの奈良県付近を拠点としていたそうです。甲冑師といえば明珍(みょうちん)が有名で……といって私は甲冑に疎い(刀にも詳しくはない)ので語れませんけれど、明珍はLv70AFにその名を冠されています。
春日装束あるいは春日具足の内訳は、上から半頬(はんぽお)、長羽織(ながはおり)、籠手(こて)、筒袴(つつはかま)、草履(ぞうり)となっています。……これについては、また別の記事で、自身の勉強も兼ねてご紹介しましょうかね!
2019年7月9日 … 初版公開。
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