実在の童子切安綱とは大きく異なる姿でありますが、それはそれとして、刀身に刻まれた紋様や豪快な鞘が印象的な一振りです。赤糸と黒革の対比が美しい鞘には龍が絡みつき、荒々しい雰囲気を醸し出します。
造つくり。形状から刀を区分けする分類。「○○造」と称される。刺突に向く、斬撃に適するなど、形状ごとに特徴がある。 … 菖蒲造しょうぶづくり。
鎬造から横手筋(よこてすじ。刀身と先端の境界になるライン)を排した、菖蒲の葉に似る形状の造。短刀や脇差に多い。どちらかといえば刺突に向いた形状。。
刃やいば。は。切断や刺突に用いられる鋭利な面のこと。また、その面に表れる文様、刃文/刃紋(はもん)のこと。 … ……?( ˊᵕˋ )
鐔つば。指の保護などの実用性もさることながら、高い装飾性を持たせられるため、刀と鞘に並ぶ日本刀の重要パーツ。侍のジョブアイコンは鐔がモチーフ。 … 龍頭の飾り。
柄つか。刀の持ち手のこと。滑り止めを巻いたり凝った装飾を施したり、刀の設計思想や使用者によって特色がある。 … 鮫皮さめかわ。柄巻の下地となるエイの革。シャークの革ではない。かつての日本国では輸入するしかない高級品で、太平の世となった江戸時代に入って装飾需要が高まり、広く用いられるようになったとされる。梅花皮あるいは鰄と書き「かいらぎ」とも呼ぶ。巻き着せ。
鞘さや。刀を収納するケースのこと。入れば良いわけではなく、刀が内部で鞘に直接触れると刃こぼれ等が起き得るため、作成には高度な技術が必要。エオルゼアの刀には保管用の白鞘(しらさや)がなく、すべて持ち運び用の拵(こしらえ)と呼ばれる形状の鞘が付属する。 … 昇竜の飾り。
IL/Lv … 430/80
絡繰 … なし
染色 … 可
入手 … クエスト(Lv80クラスクエ)
公式 … 童子切安綱【劣】

刀身の長さは、平均的なサイズ(精霊銀打刀うちがたな。非常に断片的に言えば、大中小サイズ別分類での中。刃を上向きにし、帯などを通して腰へ「差す」。紅蓮PVで帝国兵を居合斬りした武器は打刀。)よりはほんの少し長め。刃文は……直刃すぐは。波打っていない、直線状の刃文のこと。幅によって糸(いと)、細(ほそ)、中(ちゅう)、広(ひろ)などに分類される。私は直刃が好きです。
にも思えますが、侍の存在が確認できない世界に生きる鍛冶職人が打った刀ゆえ、折り返し鍛錬おりかえしたんれん。日本刀の製作法。金属を熱して折り返しながら叩き伸ばすことで三万を超える層を形成する技法。ではないかもしれません。それでも、刀身に彫られた彫刻か紋様か、菖蒲造の刀身と相まって異彩を放ちます。
刀には「樋ひ。刀身に彫られた溝のこと。刀身の軽量化や「血流し」の役割を担う。樋のある刀を振るうと特徴的な風切り音がする。振るう際の感覚や刀本体の耐久性などにも影響するため、とにかく彫ればいいわけではない。」が設けられることもあり、これも一見すると樋と言えなくもありませんが……果たして。


鐔の表側には、龍の頭が象られています。口から刃が出ているかのような、刃を呑み込まんとしているかのような、独特なデザインです。持ち手側には一般的な鐔も設えられていますが、こちらも龍が呼びし雲の意匠といったところでしょうか。


柄は兵庫鎖太刀たち。非常に断片的に言えば、大中小サイズ別分類での大。刃を上にし、下緒(さげお。刀を固定するための紐)で吊るして「佩く(はく)」。もっとも、エオルゼアでは太刀と打刀の区別がない。反りがないものは読みを同じく「大刀」と表記される。(厳物造)とされる刀、なかでも「上杉太刀」こと群鳥文兵庫鎖太刀に良く似た形状と外観をしています。柄に巻いてあるのは鮫皮か、何らかの布や金属かはわかりませんが、蛇腹のような模様にも見えますね。この刀を打った鍛冶師は海底の底に住んでいることもあり、案外そのあたりの海棲生物の革かもしれません。

鞘には龍が絡みついており、鞘尻さやじり。鞘の先端のこと。太刀なら石突(いしづき)、打刀なら鐺(こじり)とも呼ぶ。にかけて巻かれた緋色の糸とあわせて、直線と曲線のコントラストが目を引きます。様々な素材に丁寧な刺繍や加工がなされており、多少奇抜な印象もありますが、全体としてはリアルとファンタジーの融合した一振りだと言えましょう。

童子切安綱は日本の国宝であり、その見事さから「天下五剣(てんかごけん)」に数えられます。FFXIVの侍が操る技に同名のモノがありますが、それはこの童子切安綱に由来する名称から来ていて……なんてお話はさておき。
エオルゼアにおいては、いずれ世界設定資料集などで明かされるかもしれないものの、いまのところ由来や来歴は明らかでありません。本家の童子切安綱は酒呑童子を退治した逸話を持つことから、鬼ではなく何か別の怪物を倒した刀として語られるかもしれませんね。
……脱線しますが、現実世界に実在する刀をゲーム世界へ持ってくるのは、なかなか難儀するだろうなぁと思います。その刀が既に持つイメージをゲーム世界とどう融合させるか。映像表現の限界などの妥協点もあるでしょう。どうしても「本物」とは異なってしまいますが、その差異を(こうして刀剣目録などとして)味わうのも愉しみ方の一つ、と私は考えています。
ちなみに、この記事公開時点でエオルゼアに存在する天下五剣は、暗黒騎士用両手剣の「大伝多(大典太)」と、この童子切です。他の三口はいつ、どのカテゴリで登場することやら……!

童子切安綱と同時に入手する「春日(かすが)装束」は、侍というジョブのコンセプトが反映された、いわゆるアーティファクト(AF)と呼ばれる装備です。春日装束は、その名の通り春日派と呼ばれる甲冑師一派の作品で、いまの奈良県付近を拠点としていたそうです。甲冑師といえば明珍(みょうちん)が有名で……といって私は甲冑に疎い(刀にも詳しくはない)ので語れませんけれど、明珍はLv70AFにその名を冠されています。
春日装束あるいは春日具足の内訳は、上から半頬(はんぽお)、長羽織(ながはおり)、籠手(こて)、筒袴(つつはかま)、草履(ぞうり)となっています。……これについては、また別の記事で、自身の勉強も兼ねてご紹介しましょうかね!
2019年7月9日 … 初版公開。


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