刀身は暗紫、鞘は白と黒が基調の色味です。特徴的な鞘飾りは、希望の園エデン:覚醒編のモチーフである FinalFantasy VIII の主人公・スコールの衣裳デザインから取られているのかもしれません。ローマ字表記では grace(恵み) なのに「グレース/グレイス」ではなく「グレーズ」なのは……エーテルの仕業にござる!
※2020/02/19 追記
Patch5.20 で修正がおこなわれ、五時であったことが藩名しました。後述。
造 … 菖蒲造。
刃 … 直刃……になるのかな。
鐔 … 透かし彫り。
柄 … 紫の……なんだろうこれ……。
鞘 … 白と黒の革、細やかな金物。
IL/Lv … 475/80
絡繰 … なし
染色 … 可
入手 … バトル / NPC交換
公式 … エデングレース・ブレード
日本刀のフォルムながら刃文は判然とせず、出土元である「エデン」の存在も含め、謎の多い一振りです。エオルゼアの刀には菖蒲造のかたちをとるものが多いのですが、考察などはまた折を見て。
また、重ねがかなり薄く、峰側は両刃に思えるほどの薄さです。鋒がわずかに反っているため鋒両刃造ではないと思われますが、現実世界の知見がエオルゼア世界でも通じるとは限りません。真実やいかに!
鞘についている金物……いわゆる「バックル」は、スコールの衣裳とコンセプトが近しいように思えます。私はFF8を未プレイですが、経験者さんはピンとくるデザインだったりするのかな。紫色の紐は下緒にも見えますが、たぶん装飾品。石突付近では翼の意匠も見られますし、作成者の美意識を感じますね。
鐔は大胆な透かし彫りです。エデン・プライム関連に似たデザインがあった気もしますが、総じて個性的なこの刀のなかで、意外なほどに「日本刀らしさ」が高めな形状とデザインです。笄や小柄用の孔こそありませんが、刀身と柄の渡しとして独立しており、厚みも大きさもほどよく、機能を満たしています。
……の一方で、柄はちょっと持ちにくい可能性。グリップする場所らしきでっぱりはあるものの、材質の光り方からしてなんだかツルツル。柄自体も細めで、刀身の薄さも含め、扱いには熟練を要する刀であると言えるのかもしれません。
冒頭でもお話した「グレーズ」について。日本語以外の言語間で意味に違いがあるかを見るまえに、英語名を紐解きましょう。英語名では Edengrace ……日本語訳では「楽園の恩寵」。他言語でも同様の意味を持っているかどうか。
英 … Edengrace Blade (Grace = 恩寵)
仏 … Lame de grâce édénique (Grâce = 恩寵)
独 … Edengunst-Katana (Gunst = 恩寵)
……持ってござった。つまり、日本語名だけが何か別の単語を言い表しているか、単純な表記ミスのどちらかです。こればかりは外部から窺い知ることはできないため、対応があるのかを含めて未知数ですね。
↓
表記ミスでした。
Patch5.20 以前、日本語名称が「エデングレーズ・ブレード」と表記されていた本品は、エデングレース・ブレードへと改名。他言語との整合性もとれ、無事解決となりました!
刀の重ねについて。一般に「厚ければ断ち切る、薄ければ滑らせるように切る」というイメージがあるかと思います。確かにその側面はあり、実戦でメインウェポンだった時代には、耐久力や質量に優れる厚い刀が多く作られたとも言われています。しかし、厚いなら厚いぶんだけ物理的な抵抗も大きく、切り抜くことは難しくなります。
厚い刀が多く作られた……という歴史的事実については、表現はよろしくないかもしれませんが、ある意味で「粗製濫造」であった可能性もまた捨てきれないのかなと思います。薄く作ったうえで切れ味を保てるかは刀工の腕前によるところが非常に大きく、需要にこたえるため、武器としての用をなす範囲で、多く生産する選択の結果だった……のかもしれません。
「切れ味」は、重ねの厚み、平肉の幅や角度、身幅といった刀側の要因が多数あったうえで、使い手の身体的特徴や技量などによって決まります。切りつけた際の摩擦や抵抗が大きくとも膂力でブチ斬るゴリラがいれば、流水に遊ぶ花弁のごとく敵陣を舞い踊り、薄い刀を好んだ者もいたことでしょう。どちらにも利点と欠点があるわけですね。
といったところでこの刀、重ねも平肉もかなり薄め、身幅は転じて長めです。あくまでも想像ですが、無闇矢鱈に力任せで斬り倒す用法ではなく、斬り込み角などにも十全に気を配ることで切れ味を発揮する刀……言い換えれば、雑な扱いでは性能を発揮できない、技量を要する一振りに感じます。
……振るう刀に恥じぬよう、しっかりと鍛錬を積んでいきたいですね!
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