1. 刀剣目録
  2. 1320 view|最終更新 19/05/05

【こぼれ話】現実と設定のバランス。

エオルゼアには「鶏卵」があります。現実世界にもありますね、にわとりのたまご。一方で、「ドードーの卵」という食材もあります。

ドードー。現実世界では既に絶滅し存在しませんが、そのたまご。……となったとき、ゲーム内の設定と、現実のすり合わせが重要となってきます。

ゲームに登場するアイテムたちは、ゲーム中での情報や設定だけでなく、現実世界ではドーどうかといった部分も踏まえ、プレイヤーに認識されます。

もちろん、ゲーム内設定のほうが比重は大きいのですが、それが明かされていない状況であったら、頼るべきは現実側の情報。

特に、現実に存在する名称や表記を用いた場合、ドーどうしても比較・参照されるものです。そのうえで、インゲームアイテムとして、ドーどう定義していくか。ある意味では、ゲームデザインの核心とも言えましょう。

例としてたまごを挙げましたが、エオルゼアにおける刀もまた、ドードー同様なのです。

 

先日の記事で、菊一文字の打刀は存在しない、と書きました。

→ 【こぼれ話】エオルゼアの太刀と打刀について。

 

しかしこれは、現実側に立脚した意見であって、ゲーム内(エオルゼアやひんがしの国において)もそう、とは限らないわけです。

もっといえば、「菊一文字とは似て非なるもの」であっても、ゲーム内で菊一文字と呼称して構わないわけです。

とはいえ、まず「菊一文字の打刀は存在しない」の理屈について。鍛刀に親しんだ後鳥羽院(後鳥羽上皇)にお付きした御番鍛冶(ごばんかじ)、その中でも特に優秀であった備前”一文字“派の則宗という刀工に、後鳥羽院は、皇位の紋所である「十六弁の”“」の銘を許しました。

これが、菊一文字の由来。そして、なぜ菊一文字の打刀は存在しないのか。理由は簡単、則宗が活躍した時代は、打刀という概念が登場する100年以上前だから。短刀に属するモノを除けば、すべてが太刀であったのです。

もちろん、太刀を打刀にする(研磨して短くする、磨り上げと言う)こともありますが、則宗は御番鍛冶筆頭の誉れがあり、その作品は室町時代から既に珍重され、大名すら喉から手が出る至高の贈答品、天下の大業物とされました。

そんな品を、実戦のために磨り上げる……のは、いささか考えづらい。同様の理由で、沖田総司所有というのは創作、とされていたり。

それでも、菊の紋と一の銘を彫った刀を作っていたなら、可能性としてゼロではない……のですが、則宗は自身の作には「則宗」と銘を入れており、菊一文字の銘となる刀を作ってはいないとされます。

別の人物がそう彫った刀はありますが、菊一文字の代名詞である則宗は、菊一文字を作ってはいないのです。作っていないのならば、存在のしようがありませんよネ。

……長くなってしまいましたが、こういう背景が、現実にはあります。

 

 

しかし!!

ゲームはゲーム!!!

 

こういう理由で、菊一文字はエオルゼアに存在するんだよ!があれば、私はそれで満足なんです。(突然の自分語り

というわけで、カバーストーリーを考えてみよう!!ちなみに、公式設定資料集では刀工の名はすべてカタカナでしたので、それに倣って「ノリムネ」と表記します。

 

ノリムネは菊一文字の銘で打刀を作ったよ説

エオルゼアのノリムネは、銘をガッツリ入れた打刀も作っていた!現代地球とエオルゼアは違うからなァ!HAHAHA!!ゆえに「打刀の菊一文字」を光の戦士は手に入れられたのである!

菊一文字はブランド名だよ説

ノリムネを祖として勃興した刀の一大ブランドを「菊一文字」と呼ぶ!ブランドなのでノリムネ以外も作ったし超高級品から(比較的)お手頃品までラインナップ!もちろん打刀も取り揃えてございます!ゆえに「打刀の菊一文字」を光の戦士は(以下略

虎徹のように良質な贋作がめっちゃ出回った説

菊一文字といえば誰もが知る名物業物!ゆえにパクリも大量発生!しかしパクリの中にはノリムネの作をも超える逸品があったりもした!ゆえに、菊一文字ではないけれど、そう表現して差し支えない刀を光の(以下略

 

…他にもいろいろと妄想はできますがこのへんで。いずれにしても、菊一文字としてゲーム内に存在している以上、なんらかの設定があると嬉しいですよね。

また、プレイヤーのそれと外見が同じ為、ヒエンの佩刀も菊一文字としましたが、ドマ国主であるヒエンのは本物、プレイヤーのは贋作、みたいなのもおいしい。

また、エウレカ関連で菊一文字はハゲ野郎ゲロルトに強化を施されますが、それはそれで、各種の設定やキャラクターが反映されていたら楽しいですよね。

「武器ってのは美術品じゃねェンだよ!」みたいなこと言いそう。

 

ともあれ、菊一文字についてはそんな感じ。(雑なまとめ

菊一文字に限らず、現実と設定の間で齟齬があるアイテムは多数あります。むしろ、冒頭で挙げた鶏卵も、地球とエオルゼアでは違いがあるかもしれません。エーテルとかさ、そういうのが、ね。

そういった違いを、眉をひそめて「おかしい!どういうことだ!」とあげつらうのではなく、「そういうことね~~~なるほど~~~わかる~~~」と受け入れて咀嚼できれば、より一層、おいしく楽しく触れられるのかなと思いますよ!

 

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