先日のパーティにおいて、こんな発言がありました。
「それではいきますね」
「1り離席してるかも」
1り。
ひとり。
この「1り=ひとり」を一瞬も詰まらずに読めた人は、凄い。柔軟な頭をお持ちだといえます。このとうふあたま!(突然の罵倒
私は、んっ……と1秒ほど考えてから、理解できました。なぜ即座に理解できなかったのかといえば、1り、2り、をスムーズに読むための回路がなかった。
数量の「ひと」は日本語、漢数字で表記した際の音だと捉えていたからです。
一人(ひとり)、二人(ふたり)。もともとは古和語の数詞、ひ、ふ、み、よ、い、む、や、な、こ、と……に、人間を指す助数詞の「たり」をつけ、ひたり(ひとり)、ふたりと用いられる言葉。
なぜ「みたり」以後が漢語由来の「さんにん」に取って代わったのかは、さておき。
原語主義ではありませんが、成立背景から考えれば、漢数字に紐付いているのが本来の姿であると言えましょう。そしてご存知の通り、「1」はアラビア数字です。
馴染みのあるモノゆえに、1り、2り、でも理解は及びますが、仮にこれが「Ⅱり(ローマ数字)」だったりしたら、何のことやら。
そういう意味では、誤りとまではいわないけれど、「1り」というのは不適当な表現である、とは言えるかもしれません。もちろん、不適当にあたらなかったり、むしろ私が間違えていたりする可能性もある。
ちなみに、こんな記事を書いたのは、その誤謬を指摘したい!とかではなくて。「ひとり」という音の言葉を文章で表現しようと、キーボード上の「1」と「り(rキー+iキー、もしくはかな入力)」をした……
というプロセスが、なんだか新鮮に感じたからです。人間っておもしろい!
ひ、と、り、ではなく、1、り。1名(1めい)、とか1人(1にん)ではなく、1り(1り)。
「ひとり」という意味を伝えたい→「ひとり」とは、人間が1ということ→→なのでまず「1」を入力→「1」で「ひと」だから、後ろに「り」をつけよう→「1り」
……これ以外に「1り」って入力するプロセスはあるだろうか……?いやぁー、ふしぎ。にんげんっておもしろいですね。
この記事へのコメントはありません。