禁断の地:エウレカの最終盤、バルデシオンアーセナルにおいて登場する「ライディーン」から入手できます。オーディンや真・斬鉄剣、ライディーンについては後述。自力入手を考えた場合はなかなかハードルが高いものの、幸いなことにマーケットボードで購入が可能です。
造 … トゥーハンドソード。
刃 … 西洋刀。
鐔 … 護拳のみ。
柄 … 柄巻なし。
鞘 … 存在せず。
IL/Lv … 1/1
絡繰 … あり
染色 … 不可
入手 … バトル/マケボ
公式 … 真・斬鉄剣
抜刀時の全長はカテゴリ最長、ギミックあり、いわゆる「刀」とは異質の姿……。様々な面で特異な一振りです。まず、鞘がありません。かといって抜き身なのではなく、抜刀すると刀身と柄尻が「現界」します。納刀時は刀のなかで最短のところ、いっきにぐいっと最長に。
「リカッソ」と呼ばれる部分が存在します。西洋式の大剣(トゥーハンドソード/ツヴァイハンダー)のほか、日本刀でも「大太刀」などに見られる構造です。これを片手で自在に操っていたのは、まさしく神の所業。色味は全体として白亜・白銀。何らかの合金であろうかとは想像しますが、出自からして素材や意匠の明確な鑑定は困難を極めるでしょう。
構えるとこんな感じ。なにもない空間から刃が現界します。これもエーテルの仕業……!また、武器性能としては設定上の最低ランクとなっています。以下で述べるような色々があるならばなんらかの優遇があっても……と思ってしまいますが、だからこそ敢えて「ミラプリ専用」としたのではと感じます。
そして、その「武器性能の低さ」を逆手にとって、意図的に削りを抑えるために装備することも可能です。何らかの縛りプレイなどをする際にも出番がある、ということですね!
今回も大ボリュームです。しょうがないよねーフリースペースでござるからー!というわけで、つらつらと「真・斬鉄剣」にまつわるお話を。
まず、オーディンとライディーンとは。
オーディンは、FF3から登場している古参NPCです。NPCというより、召喚獣やそれに類する助っ人……でしょうか。単体に大ダメージを与える「グングニル」、敵軍を一刀のもとに葬る「斬鉄剣」を操る強力な助っ人として、シリーズを彩る存在です。
そして、ライディーンとの関係を考えれば、FFXIVでのモチーフは「FFVIのオーディン」といえそうです。ライディーンの初出はFFVIで、オーディン強化版として登場しました。オーディンの属する北欧神話体系には存在しない名称であり、”おおでぃん”によく似た音を持つ雷電(らいでん)を当てた、といわれます。
雷電といえば、雷や稲妻といった大いなる自然、かつ相撲のワールドファースト伝説的な力士の表す単語として有名です。どちらかはさておき、その御威光にあやかるため、あるいはそれほどの威勢を示すものとしての雷電(ライディーン)だったのかもしれません。そのライディーンについて掘り下げてみましょう。
FFVI世界で1000年前に勃発した、魔大戦。その戦禍で陥落・滅亡した「古代城」が、その舞台です。幻獣オーディンはこの古代城の守護者であり、時の王女は、オーディンにほのかな恋心を寄せていました。
宝石が表紙にきらめく本…
「王女の日記」…私はやはり、オーディン様のことを愛している…
許されぬことなの…
だが人の心をしばることはできぬはず
ましてや、あの気高い心をお持ちのかたを想うこの心…
誰もとがめはできぬはず
この戦いが終ったとき…
必ず…この想いをうちあけよう…出典元 – FINAL FANTASY VI
死亡フラグやん、なんて茶化すのは簡単ですし、際そうなってしまったんですけども……満身創痍になりながら、軍勢を押し返し続けたオーディンは、惜しくも最後の決戦に破れ、石化させられてしまいます。
自室で、彼の勝利に祈りを捧げていたであろう王女も、同様に。こうして、今や名すら伝わらぬ「古代城」は、終焉を迎えました……という、1000年前の出来事。
1000年ののち、主人公達は、石化したオーディンを発見します。するとオーディンは、まるで彼らを待ちわびていたかのように、自らを託すかのように「魔石」を残し、砕け散ったのです。そして、オーディンの魔石を携え、石と化した王女の元へ赴くと……こぼれるはずのない涙が、魔石と化したオーディンを濡らし、涙の輝きに呼応するかのように、オーディンはライディーンへとなったのです。
……ここまでが、FFVIのオーディンとライディーンの出自。続いては、FFXIVにおける彼らについて。
FFXIVのオーディンは「聖女ウルズを惨殺し、人々を苦しめた悪神」との烙印がアラグ帝国によって押されています。けれど、ちょっとまってほしい。歴史とは、勝者が作る勝者の物語であり、敗者が強くて悪いほど、打ち勝った自陣営の強さを誇示できます。……つまり、後世に伝わるオーディンの評価は、勝者(帝国)の都合で、悪し様に脚色されている可能性は大きいのです。
(アラグは)オーディンが聖女「ウルズ」を惨殺したとしてきましたが、オーディンは、その聖女を探しているような描写もあるのです。自分でやっちゃったはずなのにネー。不思議ネー。
…ウルズよ…いずこに…
…ウルズよ…そなたの元へ…
…ウルズよ…今度こそ…出典元 – F.A.T.E「古の闘神「オーディン」」
そして、ライディーンはこのように語ります。
「嗚呼、オーディン……悲哀の英雄よ!
我は、その意志を継ぎて、悪しき帝国に挑まん!」
「乙女の涙によりて磨かれし、すべてを断つ刃よ!
今ここに真なる力を示せ! 斬鉄剣ッ!」出典元 – 禁断の地エウレカ・バルデシオンアーセナルにて
「悲哀の英雄」「乙女の涙によりて磨かれし、すべてを断つ刃」というフレーズは、FFVIにおけるそれぞれとも重なります。以下、私の妄想ではありますが……ウルズとオーディンはアラグ帝国全盛期に実存し、恋仲あるいはFFVI同様ウルズ側が片恋慕しており、帝国に抵抗せんとした騎士オーディンがあえなく果て、佩刀である斬鉄剣だけが帰還し、涙をこぼした……ところを雷電(※東方出身)は見ていた!!!!
……義憤に駆られた雷電は、オーディンの遺志を継がんと、彼への衷心を示すかのように、オーディンの黒甲冑の対になる白銀の甲冑と、遺されし斬鉄剣を……というのがひとつ。
もうひとつは、聖女ウルズをアラグ帝国が暗殺等したため、”ウルズ派”が暴動を起こし、持ち出したのが「斬鉄剣」であり、それを依り代に(同時に彼らの願いに乗じる形で)オーディンが現界した、あるいは騎士オーディンが神器として斬鉄剣を振るったものの、抵抗虚しく力尽き……たのでこれまた雷電(※東方出身)が一念発起、という流れ。
どちらとも「斬鉄剣」の位置付けが大きな要素となりまして、その正体は、オーディン関連クエストや禁断の地エウレカで語られるのですが……内容はご自分の目で、としておきましょう!いずれにしても、聖女ウルズと騎士オーディンは、アラグによって悲劇的な結末を迎えたのだと、私は確信しています。
さておき、なぜライディーンを雷電と呼ぶのかといえば。バトル中に使用する技に雷関係が多いこと……だけでなく「天逆鉾(あまのさかほこ)」という技があるからです。天逆鉾とは、日本神話の「国産み」で使われた矛(槍みたいなの)です。そうして産まれたひとつが”オノコロ島”、というのはさておき。
→ オノゴロ島 – wikipedia
かような名称の技を使うとなれば、ルーツがあると見るのが妥当です。アラグ帝国は今のガレマール帝国を凌ぐ領土を誇ったそうですから、ドマどころか更に東まで攻め落としていても不思議はありません。4000年前に東方文化圏が?とか、色々粗のある推論ではありますが、アラグの技術と同様に、東方の騎馬術や刀術も霊災で失われたとすれば、強引ながら説明をつけることも、不可能ではありませんから!!!
……アイテムひとつ、刀ひとつでここまで楽しめるのも、良いものです。悠久の彼方の出来事に想いを馳せつつ、この刀を握ってみるのも……止めはしませんよ!
2019年4月9日 … 初版公開。
2019年10月6日 … 加筆修正。
今更ですがアメノミハシラはアラグ帝国の崩壊から生き延びた技術者が建てたとかいう話があったような
-ペヤングさん
いらっしゃいませ!
アメノミハシラ……天逆鉾(あまのさかほこ)のことでしょうか!あるいは別の記事とお間違えになられた可能性……?
天逆鉾については、記事中で触れているように、国産み神話にみることができます。
ミハシラのお話であれば、仰られている通り、アラグの崩壊を逃れた「鬼師衆」が建造したものですね。こちらは、天逆鉾との接点はありません。
予見された星の滅びを防ぐため、アラグ最後の皇族サリーナとも縁のあった初代棟梁が作り上げた、英雄を鍛え上げる訓練施設。
心ある人々が遺した様々な助けを受けて、英雄は星を守るのですねぇ。