「魔神」セフィロトをモチーフとした刀です。印象的なギミックと無骨な鞘を持ち、筋骨隆々のセフィロトを彷彿とさせる出で立ちと言えましょう。せいまいねーむ!せいまいねーむ!せ!ふぃ!ろ!
造 … 鎬造風。
刃 … 乱刃。
鐔 … セフィロトの意匠?
柄 … 黒鮫皮、紺糸諸捻巻。
鞘 … ゴツゴツしてござる。
おそらくは鎬造と思われますが、横手の付き方が特徴的です。刃文は起伏が小さめの乱刃で、以下の印象的なギミックに比べると、割合オーソドックスな刀身に思えます。
なんともメカメカしくてトランスフォーマーな機構です。生命の大樹なのに。同様にメカメカしい変形を備える刀も複数ありますが、いずれも出自で「変形させそうだな」と納得できるものばかり。ある意味でちょっと異色な魔神刀です。
変形したパーツが格納される鐔付近はこんな感じ。金か真鍮か黄銅か、セフィロトが身につけている装飾品と似た材質・形状です。【改】ではセフィロトの纏う風と葉のオーラが付与されます。
鞘もまた同様で、まるで「串」の字のようなフォルムになっています。もしかして、セフィロト戦のギミック (失敗すると地面から生えてくるタケノコで串刺しになる) のイメージから来ていたりするのでしょうか。
柄はこれまた比較的オーソドックスな柄巻が施されており、グリップ力向上効果のありそうな突起も含め、力いっぱい振るうことができそうです。紺色の糸はセフィロトの体色からきていそうです。鐔も「セフィロトの樹」を意匠化したもののように思えますね。
魔神セフィロトの特徴を踏まえつつ、個性的な仕上がりとなっています。染色できないため合わせやすい色は限られるものの、この刀を主軸として色々なコンセプトを立てられそうな一振りです。
魔神セフィロトは「クロニクルクエスト:古の神々」で登場します。女神ソフィア・鬼神ズルワーンとあわせて、通称「三闘神」といえば伝わりやすいでしょうか。しかしながらこの三闘神クエスト、前述の通りストーリーの質はちょっと微妙かな、と思うところがあったりなかったり。そのあたりはストーリーまとめが評判のエオストさんがゲーム内テキストに基づいてお話されていますので、よろしければそちらを!ただ、エオストさんの記事末尾でも言及されているように、
MMORPGは、走りながら考える側面が大きく、無理にでも辻褄をあわせなければならない場面がある
のです。そして、辻褄をあわせるために使える材料が少ないときは、どうしても粗が出てしまい、解像度の低いストーリーとなりがち。逆にいえば、様々な点が散りばめられた状態なら、いい具合に点と点を繋ぎ合わせ、線を創り出せます。そうして高評価を得たのが、新生蒼天紅蓮を経た漆黒のストーリーなのです。
ちょっとアレな表現ですけれど、FFXIV設定班の方たちは「こじつけの達人」だと思っていて、せっしゃもそれなりに荒唐無稽なこじつけを嗜んだりしますが、彼らのそれは人々を葬り去るほどの威力と精度なのでヤバいんですよね
— 松乃雪 (@Matsu_no_Yuki) September 10, 2020
ちなみに三闘神関連で登場するウヌクアルハイくん。漆黒ストーリーにて物語のド核心な存在であった旨が語られますが、その文脈は三闘神クエスト時点では考えられていなかったと推測されます。実際、こちら側にもあちら側にもつける立ち位置で三闘神クエストは終わっていますしね。そうして残しておいた「点」を繋ぎ合わせて積み上げた結実が漆黒の反逆者で。数年の時を経た再生・再利用によって重みを持ったといえましょう。……であればこそ、三闘神それぞれの掘り下げが小さく少々味気ない……のは、今後に期待としておきましょうかね!
2020/09/18 … 初版公開。
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