鞘の中では剣先が二股に分かれて、抜刀することで一体化し刃となる変形機構を備えた一振りです。随所にネロさンのセンスや技術が散りばめられており、鐔には太極図がデザインされています。正統派の刀ではありませんが、挑戦的な意欲作と言えましょう。
造 … 菖蒲造。
刃… 刃文なし。後述。
柄 … 諸捻巻風。
鞘 … 二股の変わり鞘。
鍔 … 太極図の意匠。
IL/Lv … 390/70 (RE:400/70)
絡繰 … 変形、発光
染色 … 不可(可)
入手 … トームストーン交換
備考 … ガーロンドォ……。
変形機構を備える刀も様々な個性があるなかで、この刀も負けず劣らずに個性的です。展開の流れは、二股に分かれた刀身がドッキング→刀身中程にある収納式ブレードが鐔に向かって展開→変形完了後に魔導的な刀身の補強等の効果が発動(=発光)?の順。
鐔の上に設けられたパーツは、魔導に関わる機能を司るように思えます。
斬撃と刺突にあたり、刀の斬れ味を大きく左右する刀身の中央~先端は一枚刃(と言いつつ実際は二股からの合体ですが)、根本部分は収納できてスライド展開させるブレードとしてあるのは天才機工士ネロ様のセンスなんだよ、ガーロンドォ……。
また、一般的な日本刀とは異なる製法で鍛えられた金属刃であり、鎬筋(刃と峰側の境目)こそありますが、刃文や横手筋(鋒の境目)がありません。ひとまずの分類は菖蒲造としましたが、おそらく「○○造」のような意識はなかったことでしょう。察するに、刀という武器の本質……どのように扱い、どのような性能が要件となるのかをネロさンなりに定義した上での選択ではと感じます。
ガレマール帝国出身で、シドとは学生時代に鎬を削りあったのち、第XIV軍団の幕僚長まで務めたネロ・トル・スカエウァ。その後に色々(雑)あって、彼がガーロンド社へ入社(笑)した際に製作した刀です。
ガーロンド社会長代行のジェシー曰く、いつのまにか設計図をロウェナ商会へ売り込んでいたうえ、その設計や試作に費やした代金はガーロンド社につけられており、シド会長は今すぐ引っ捕らえろとおかんむり。しかしネロさんはふらりと姿を消し、うまいことガーロンドォを出し抜いたのでした。
ひんがしやドマはもちろん、エオルゼアにも無い切り口……いわゆる帝国式魔導技術の発想と技術に基づいており、同様の思想となるガーロンド・マジテックサムライブレードも含めて「魔導刀」と呼ばれ、保守的な刀鍛冶はこれを刀と認めないそうです。
確かに、たたら製鉄や折り返し鍛錬等の形跡はなく、認識としては「日本刀の形をしたソード」とするのが近いでしょう。とはいえ、例えばインドのカリーが日本でカレーになったように、日本の寿司がカリフォルニアでSUSHIになったように、その地においての独自発展も尊重すべきだ、とも思います。伝統を堅持しつつ、発展や革新を果たせたら何よりですよね。
2019年6月4日 … 初版公開。
この記事へのコメントはありません。