モモジゴ:
よう、Yuki!この宿に、アンタ宛の手紙が届いたんだ。差出人は、前に爺さんを訪ねてきた、あの女侍のマコトさん。
一度会っただけなのに、文をよこすなんて何事だろうね?ともかく、開いて読んでみなよ。
マコトからの手紙:
拝啓、Yuki殿。先日は誠にありがとうございました。貴方にお願いしたきことがあり、筆を取った次第です。
以前にお話した、ウゲツ一派が、我々の想定を上回るほど急速に、勢力を拡大させています。
お恥ずかしい話ですが、取り締まりを行う赤誠組の隊士にも、多くの被害が出ており、兵力の損耗ぶりは目を覆うほど。神出鬼没のウゲツ一派に、翻弄され続けています。
貴方にとっては、遠い異国の出来事かもしれません。ですが、幕府が倒されれば、この国はふたたび戦乱の世に戻り、罪なき民にも、甚大な影響がおよぶでしょう。
ゆえに恥を忍んで、赤誠組への協力をお願いするのです。もし、助力いただけるのであれば、クガネまでお越しください。赤誠組屯所にて、心よりお待ちしております。
モモジゴ:
これってつまり、爺さんの心残りだった、一番弟子の愚行を、最後の弟子である、アンタが止めるってことだよな。
でも、協力するかどうかはYuki次第だ。俺としては、爺さんのためにも、力を貸してやってほしいけどな……。
物柔らかな赤誠組隊士:
はて、見慣れぬ侍だが……。そうか、君がマコトの言っていた、異国の侍だね?
彼女は今、ウゲツ一派の密談が行われるという、紅玉海のサカズキ島へ行っている。
しかし、どうも帰りが遅くてね……。心配なんだが、私はここを動くわけにはいかないんだ。君、もしよかったら「サカズキ島」へ様子を見に行ってくれないか?
マコト:
これは、Yuki殿。助かりました、ありがとうございます。
ここで、ウゲツ一派が密談を行うという情報を掴んだので、敵の動きを探るため、先回りして潜んでいたのですが……。
奴らは、我々が来ることを事前に察知していたようです。逆にこちらが待ち伏せを受け、仲間が……。
ひんがしの国には厳しい身分制度があります。この者は、寒村の貧しい農民の出でした。過酷な年貢を取り立てられ、生活は困窮を極めたと聞きます。
そんな身分から逃れるために、制度の緩い特区であるクガネに渡り、赤誠組に入って侍になったそうです。
そして、いつか出世して、理不尽な身分制度を変えるという夢を持っていました……。
実は、赤誠組の隊士は皆、武家の出身ではなく、いわば寄せ集めの集団なのです。しかし、誰もがこの者と同じように、憂国の志を抱いています。
一方で、ウゲツは国を変えるためには、幕府を倒すしかないという、過激な思想に傾倒した……。
確かに、我が国は様々な問題を抱えています。されど、幕府を倒してしまったら、各地の大名の覇権争いが再燃し、ひんがしの国は、たちまち戦乱の世に逆戻りすることでしょう。
太平の世を護るために、ウゲツの野望はなんとしても、止めなければなりません……。それでは、仲間の亡骸とともに、「赤誠組屯所」に戻りましょう。
仲間の亡骸は、どうにか連れ帰ることができました。手厚く弔ってやりたいと思います。
物柔らかな赤誠組隊士:
まさか、敵に察知されていたとはな……。死んだ仲間は残念だったが、マコトを助けてくれてありがとう。
彼女から聞いたよ。あの剣豪ムソウサイの最後の弟子なんだってね。君が我々の力になってくれるというなら、大歓迎だ。
マコト:
Yuki殿、今一度、意志を確認させていただきます。
遠路はるばる、クガネへ参られたということは、我々、赤誠組に協力してもらえるのでしょうか?
(→ いいえ) ……左様ですか。それは残念です。もし、気が変わるようなことがあれば、お声がけください。私たちは、ここで待っていますから……。
(→ はい)
ありがとうございます、Yuki殿。ムソウサイ様の弟子が味方とは、頼もしい限りです。
それでは、貴方を赤誠組の局長に紹介したいと思いますが、ひとつだけお願いがあります。
それは、Yuki殿が、ムソウサイ様の弟子だということを黙っていてほしいのです。
貴方にとっては、理不尽に思えるかもしれませんが、この国ではムソウサイ様は、大罪人ウゲツの育て親……。貴方にも余計な疑いが、かけられ兼ねないのです。
ただ、こちらの副局長であるシデンさんだけは、すべての事情を知り、理解してくださっています。
シデン:
そういえば、紹介が遅れたね。私は、赤誠組副局長の「シデン」という。我が組はお堅い組織なもんで、何かと融通が利かないんだ。
先ほども、お偉方の出迎えのため動けなくてね、ちょうど現れた君に、紅玉海まで行ってもらったのさ……。それでは、組イチの堅物、局長の「コンゴウ」を呼んでこよう。
マコト:
こちらの、Yuki殿が、我々、赤誠組の強い味方になってくれます。エオルゼアから来た侍ですが、剣の腕は私が保証しますよ。
きょっ、局長っ……!なにをっ……!?
コンゴウ:
こんな異国の者を信用できるのか?ウゲツ一派、もしくは帝国の間者ではないのか!?
マコト:
Yuki殿は、そんな方ではありません!身元も私が責任を持って保証します!
シデン:
まあ、どこの出身でもよいではないか。我々とて武家の出ではなく、元は農民や商人の出ばかり。身元が怪しいというのなら、私とて同じだろうに……。
コンゴウ:
……ふたりに免じて、ここは信じることにしよう。されど、おかしな動きを見せたら、容赦なく斬るぞ。
シデン:
すまなかったね。またもやウゲツ一派に、仲間を殺されたものだから、すこぶる気が立っているんだよ……。
一派の全貌は、まだわかっていない。ウゲツがどこに潜んでいるのかもわからないんだ。
しかも、今回の一件からすると、こちらの情報が漏れているようだ。もしかしたら、組の内部に間者がいるのかもしれない……。
そんな状況の中、今度、幕府の重鎮である大老が、異国の大使館を訪問するため、クガネに来ることになっている……。
もし、大老がウゲツ一派に暗殺でもされたら、それこそ大変だ。赤誠組総出で警備に当たることになっているので、その際には是非、君にも協力してもらいたい……頼んだよ。
マコト:
局長の無礼、私からもお詫びします。ウゲツ一派の捜査が一向に進まず、コンゴウさんも、苛立ちを隠せないようです……。
では、後日また赤誠組屯所へお越しください。お待ちしております。
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