侍のジョブクエストを振り返ってみよう!という企画記事、「侍の足跡」。ストーリーを振り返り、登場人物の行動を反芻することで、FFXIV における侍の在り方を探るものです。本記事は各クエストのご紹介と総まとめ。それぞれでぼちぼち詳細に触れておりますので、興味とお時間のある方はどうぞどうぞ!
世直し参人衆
侍の足跡は、ウルダハのコロセウムから始まります。東方の剣術を操る老人「ムソウサイ」と、興行師として彼を見出した「モモジゴ」との出逢いが「侍」なる道を光の戦士に示します。光の戦士に素質を感じたムソウサイは弟子に勧誘。侍の大義を果たす「世直しの旅」を称する修行が始まったのです。
小義と大義と
まずはウルダハの地に潜む、貧民の生き血を啜る高利貸の成敗。そのなかで、成敗する相手や状況の見極め……闇雲に刀を振るうのではなく、大義のために一閃させるべきであるとムソウサイは説きます。小義と大義の心得、刀の抜き方。侍とは何か、の根幹をなすお話です。
忌むべきもの
畜生にも劣る外道に成敗を下したのは、光の戦士ではなくムソウサイでした。弟子に経験を積ませるのではなく、自らの手で斬ったのは何故か。そこにはムソウサイの苦い過去が関係していたと考えられます。誠の大義へ至るための、師としての決断。それほどまでに、弟子へ心血を注いでいたのです。
罪斬り
モモジゴがかつて犯した小さな罪。しかし、罪は罪。見逃しては侍の大義に悖ります。ゆえにムソウサイは、躊躇なく刀を振り抜きました。……斬られたのは、モモジゴの罪。悪しき行いは悪ながら、改心と贖罪が能うのなれば、斬るべきは何か。短いながら、白眉となる物語でしょう。
まことの目的
成敗よりも、その後に語られる内容こそが肝心。先にも明かされているとおり、ムソウサイの宿願は「大罪人コガラシを討つ」こと。今回は、それを成せるのは弟子である光の戦士だけであろうことが仄めかされます。師のためにというのはもちろん、大義のためにも、コガラシを見逃すことはできません。
悪を斬る
……大罪人コガラシは、ムソウサイの別名。かつて犯した罪を明かし、自らを倒すことが侍の大義であると語り、問答無用の真剣勝負を仕掛けるコガラシ。これまでの人生、旅路、すべてをぶつけ合う闘いののち、大罪人は地に伏します。大義のため、成敗を下すため、光の戦士は柄に手をかけ……。
前半まとめ
正直にいえば、侍ジョブクエストの印象、割と薄かったんですね。あっさりしているように思えたというか。王道時代劇風ストーリーの明快さがあって、決して悪くはないのだけれど、さほどインパクトもないというか。ですが改めて振り返ってみると、ムソウサイの掲げる「侍の大義」がそれぞれの物語を貫きながら、単純な勧善懲悪に陥っておらず、良い塩梅だったのだなと思うようになりました。
正義や悪は人の数だけ……と、第一回で書きました。まさしくその通りの出来事がクガネ・赤誠組編、というよりはメインストーリーでも起こっていくわけですが、その流れを含めて、正義や善悪といった概念への葛藤や逡巡が侍ジョブクエストの真髄と考えます。
正義、善悪。万人へ適用できる、これらの正解はないでしょう。時代や環境で移ろいすらします。でも、であるがゆえに、安穏とせず研鑽を積み、太平の世を護り、よりよい時代とするための志……時に清濁併せ呑むほどの志を「大義」と呼びます。そして、その営みを護る者こそが侍と呼ばれるのでしょう。精進していきましょう。
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