1. 2751 view|最終更新 21/10/02

侍の足跡・参之巻 ~海都を震わす人斬りの宴!~

※本記事は侍クエストの核心事項を扱います。閲覧注意にござるよ!

はじめに

本連載「侍の足跡」は、侍ジョブクエストを振り返り、追体験するものです。NPC の発言を網羅し、あのとき光の戦士を取り巻いた状況を、改めて確認していくのが目的。その後、私なりの感想や考察などを書き記しますので、理解の種や他山の石としていただければ幸甚に存じます。

今回は Lv54 で発生する「海都を震わす人斬りの宴!」です。[+] を押すと当該シーンの画像がべろんと出てきます。文字起こしはその後に。大変縦長になっておりますのでご注意くださいませ。

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侍Lv54クエスト「海都を震わす人斬りの宴!」

「りむさ・ろみんさ:上甲板層」にて









































「こすた・でる・そる」にて




















グルミ・ボルルミの船にて




















甲板にて



























バトル:忍者風の傭兵を倒せ!





























「こすた・でる・そる」船着き場にて
































「ぐりだにあ」にて




文字起こし

(溺れた海豚亭にて)

ムソウサイ:
待っていたぞ、Yuki殿。
お主の刀を差した佇まいも板についてきたな。「うるだは」の悪を討ったことで、侍の風格が出てきたようだ。
さて、この潮の香り漂う都で、悪を探っていたところ、「いえろうじゃけっと」と申す者たちに捕まりかけてな。聞けば、この街で連続殺人事件が起きているというではないか。
被害者は皆、鋭利な刃物で斬り付けられていたもので、腰に刀を差していたワシが、犯人と疑われてのう……。
モモジゴの証言で事なきを得たが、遺体を検分させてもらったところ、確かに刀傷が残されておった。もしや、我らと同じ侍の仕業……?
無暗に殺生を繰り返すとは、刀を持つ者にあるまじき所業。この事件の犯人こそ、この都の討つべき悪とみた。侍の大義にかけて、悪を許さず!

モモジゴ:
よーし、犯人捜しといこう。
なんだか、わくわくしてきたぞ……。さっそく、人が集まる「国際街商通り」で、事件の情報を集めようぜ!

(国際商通りにて)

スヴォズブレート:
連続殺人事件?
ああ、この国際街商通りでも、もっぱらの話題さ。なんせ、被害者に馴染の客がいたもんでね、早期解決を望むよ。

キョキョルン:
連続殺人! 怖いっちゃ!
だって、キキルン族もやられたっちゃ!がたがた、ぶるぶる、夜も眠れないっちゃ!

モモジゴ:
イエロージャケットに捕まったときは、そら大変だったよ。
刀を差した東方風の爺さんなんて、いかにも怪しげだもんな……。

ムソウサイ:
うーむ、被害者の共通点とは……?

ベーンシング:
あの事件のことを聞きたいのかい?
酷い話でね、この街に寄った旅人まで殺されたんだ。いったい、何の恨みがあってそんなことをするんだろうか……。

ムソウサイ:
市場の馴染客と旅人、そして「ききるん族」か……。被害者に共通点は見受けられぬようだ。
こちらが集めた情報では、被害者は皆、船着場付近で行方がわからなくなって、遺体で発見されている。
ふむ……犯人は無差別に、桟橋を通りがかった者を殺していると見た。

モモジゴ:
通り魔ってやつか、恐ろしいねぇ……。
だが、そうなってくると、どう犯人を捜せばいいんだ?

ムソウサイ:
ここは、囮を仕掛けるというのはどうだ。
人通りの少ない深夜の桟橋を歩き回り、犯人を誘き寄せて、ひっ捕らえるのだ。

モモジゴ:
そいつはいい考えだ!
で、誰が、囮となるんだい……?

(ふたりに見つけられるモモジゴ)

ええっ! 俺っ!?
な、なんでまた、俺なんだよ~!

ムソウサイ:
被害者に共通点はないと言ったが、
不思議と、この街に多い海賊連中は含まれておらん。つまり、武器を持っていない者だけが狙われたわけじゃ。
ということで、腰に刀を差しているワシも、Yuki殿も、囮役は務まらん。いやはや、残念至極である……。
臆するな、犯人が現れたら、すぐにワシらが捕えてやる。それでは、「船着場」の方へ向かうとしよう。

(船着場にて)

モモジゴ:
ああ、なんでまたこんな目に……。
くわばら、くわばら……。

ムソウサイ:
しからば、いい頃合いになったら、
作戦開始といこう。

モモジゴ:
で、で、で、出たァァァァ~ッ!!

(モモジゴの爆音絶叫により遁走する下手人)

ムソウサイ:
むう、あの刀は……。
ひっ捕らえる間もなく、犯人に逃げられてしまったな……。お主の悲鳴に大層たまげたようだ。

モモジゴ:
め、面目ない……。

ムソウサイ:
まあよい、実はあやつが持つ刀に見覚えがあってのう……。
祖国の港街クガネでは、「えおるぜあ」から来た豪商が、銘刀を買い漁っていると、たいそう噂になっておった。
立ち寄った小鍛冶の店先で、売約済みになっておった刀に、あの一振りに似た銘刀があったのを思い出したのだ。確か買い手は、「ららふぇる族」の豪商という話じゃったが……。

モモジゴ:
この辺りのララフェル族の豪商といえば……ゲゲルジュさんだ。
俺は踊り子の興行でお世話になったことがあるけど、あの人がそんなことを……?

ムソウサイ:
該当する者がいるのだな、その者を追究してみよう。
して、どこへ向かえばいいのだ?

モモジゴ:
ゲゲルジュさんは、「コスタ・デル・ソル」に住んでいるよ。
何かの間違いだと思うけどなぁ……。

(コスタ・デル・ソルにて)

ゲゲルジュさんは、下衆なところもあるけれど、それは、ほら、あっち方面のことだからなぁ……。

ムソウサイ:
さあ、単刀直入に、この者を追究してみよう。

ゲゲルジュ:
ワシのまどろみを邪魔する者は誰じゃ……って、あなたは?
三大珍味を集めてくれた冒険者殿ではないか!
きょ、今日はまた、東方の者まで連れだって、いったい、どんな用件で参られたのじゃ?

(ゲゲルジュに経緯を説明する)

なるほど、ワシに連続殺人の疑いがかかっておると……。もちろんそれは間違いじゃ、ワシは潔白である。じゃが……犯人に心当たりがあるぞ。
それはきっと、「グルミ・ボルルミ」の奴であろう。貿易で巨万の富を得て、悠々自適に暮らす道楽者じゃ。そいつは、東方の物のコレクターでな、特に刀を集めておる。
こないだも、由緒ある銘刀とやらを自慢しながら、人を斬ってみたいとぼやいておったが……まさか実行するとはな。昔から趣味の悪い奴だったものの、ついに一線を越えよったか……。

ムソウサイ:
その者で間違いなさそうだな。
おのれ、道楽で人を斬るとは、まさしく鬼畜の所業……。
ゲゲルジュ殿、一度は疑ってしまったこと、誠にあいすまぬ。どうか、その不届き者の居場所を教えてもらえぬか?

ゲゲルジュ:
奴は船に住んでおってな、しばらくはこの辺りに投錨していたが、
そろそろ、場所を変えるとか言っていたのう。

モモジゴ:
船か、乗り込むのは難しそうだな。
でも、今逃してしまうと、もっと困難なことに……。

ゲゲルジュ:
ぬほほほほ、ちょうどよかったのう~。
実はワシのもとに、そのグルミ・ボルルミから、船上で開かれる「宴の招待状」が届いておったところなのじゃ。
冒険者殿に借りを返すためにも、その招待状をやろう。船着場で待っている、「グルミ・ボルルミの従者」に渡すがいい。
そこの興行師にでも、ワシの変装をさせれば、気付かれずに、他の者も従者として船に乗り込めるであろう。奴は厄介な商売敵でもある、片付けてもらえば、こちらも助かる。

ムソウサイ:
かたじけない、恩に着る。
では、モモジゴには変装をしてもらい、船着場へと向かおう。

モモジゴ:
もしかして……
また、俺が危険な目に遭うんじゃないか……?

(ゲゲルジュに変装したモモジゴ)

ぬほほほほほ、船上の宴とはまた、高まるのう~!……似てる?

ムソウサイ:
なかなか、風光明媚な眺めじゃな。
紅玉海を思い出すわい……。

グルミ・ボルルミの従者:
これはこれは、ゲゲルジュ様のお付きの方ですね。
それでは、招待状を拝見してもよろしいでしょうか?
……確かに。それでは、グルミ・ボルルミ様の船へとご案内します。

(グルミ・ボルルミの船内にて)

媚びへつらう招待客:
さすがはグルミ・ボルルミ殿!
宴も東方の趣向を凝らしていて、実にお見事!

グルミ・ボルルミ:
ホッホッホ、こんなものは大したことない。
さて、自慢の刀のお披露目といこうかのう……。
れは、ゲゲルジュ殿……よくぞ、いらしてくださった。おやおや、貴方も東方の侍風の用心棒を、雇われたようですな!
それは、結構、結構。しかし、私の刀のコレクションにはかないますまい!

ムソウサイ:
罪なき人々を斬った刀を見せびらかす気か……?
鬼畜の沙汰も、ここまでだ。

グルミ・ボルルミ:
お主、ゲゲルジュではないな……?
しかし、どこかで……。

モモジゴ:
アンタに斬り殺されかけた者だよ。
忘れたとは、言わせねーぜ!

グルミ・ボルルミ:
そうか、あの夜の……。
フフフ、刀というのはな、眺めるだけより使うほうが、何倍も愉しめると気付いてしまってのう……。

ムソウサイ:
外道め……もはや縄をかける気も失せた。
……斬捨御免。

グルミ・ボルルミ:
善良な市民の宴に押しかけて、脅しをかけるというのか?
よかろう、私の用心棒と手合せしてもらおう。余興には持ってこいだ……表へ出よ。

(甲板にて)

出あえ、オスティルグレイン!

ムソウサイ:
……刀の握り方がなっとらん。
格好だけの偽者と見た。

オスティルグレイン:
偽者も本物もあるもんか。
侍ってのは、刀を持った剣術士のことだろう?俺は剣術を極めたんだ、この銘刀の斬れ味を試してやるぜ。

ムソウサイ:
やれやれ……。
Yuki殿、本物の侍の違いを見せてやろうぞ。

グルミ・ボルルミ:
いや待て……すぐ終わってしまってはつまらん。
お主の出番は最後にとっておこう。うってつけの前座を呼んでやる。
さあ、我らは高みの見物といこう。

ムソウサイ:
ほう……ではワシも下がるとしよう。
偽者どもなんぞ、Yuki殿、お主ひとりで充分じゃろう。

グルミ・ボルルミ:
者ども、この曲者を斬り捨てぇい!

(バトル開始)

さあ、せいぜい余興を盛り上げてくれい!
ホッホッホ、なかなかやるではないか。それでは、私の可愛いペットを放ってやろう。
ヴァナラちゃん、エサの時間ですよぉ!

むう、魔物を放つとは卑怯な……。あのケダモノは、お主に任せた!
エセ忍者どもは、ワシが片付けよう……参る!
そのケダモノは、動作が鈍い、動きをよく見て避けるのだ!
いいぞ、その調子じゃ!

わ、私の可愛いヴァナラちゃんが……!
お、おのれ、こちらも侍の出番だ!

さあて、ぶった切ってやるかぁ……。

真打ちの登場といったところか。どうせ、そやつは刀の握り方も知らん偽物じゃ……。
中途半端な侍かぶれの剣術士なんぞ、相手にもならんわ。

だ、黙れクソジジイ!
見せてやるよ、侍の技ってやつを!

なんという大ぶり……見るに堪えん。
当たるわけなかろう、止まって見えたわい。

これでも食らえっ!

目潰しとは卑怯な!

うるせえ! 勝てばいいんだ! 勝てばよぉ!
クソッ! こうなったら……奥の手だ!

刀で戦うことすら放棄するとは……。侍はおろか、剣術士の誇りすら捨てたか……。

バカな……この俺が……負けるとは……。

ぜ、全滅だと……?かくなるうえは……逃げるが勝ち!

逃がすものか! あやつを追うぞ!

(バトル終了)
(波止場に追い詰められるグルミ・ボルルミ)

ムソウサイ:
やっと追い詰めたぞ。
船を捨ててまで逃げおって、この卑怯者めが……観念せい。

グルミ・ボルルミ:
わ、私の部下を全滅させるとは……。
お主ら、いったい何者……?

ムソウサイ:
我が名はムソウサイ、
そして、この者は我が弟子Yuki殿。人の姿をした浮世の鬼に、天誅を下しに参った侍である。

グルミ・ボルルミ:
ムソウサイ……どこかで聞いたような……。
ハッ、東方で刀を買い付けるときに聞いた、伝説の剣豪の名ではないか! どおりでかなわぬわけだ……!
え、ええい、いくら剣豪といえども、私の持つ銘刀の切れ味にはかなうまい……!
お主もこの刃の餌食となるがいいッ!!

ムソウサイ:
罪なき人々を殺めておいて、反省の色ひとつないとはな……。よんどころなし……斬る。

(ムソウサイの居合が一閃)

ムソウサイ:
このような者、Yuki殿には斬らせたくもない、
ワシの務めじゃ……。
さて、思わぬエセ侍との戦いになったが、冒険者殿にとっては役不足であったろうな。
侍にとって、最もよい修行となるのは、実力が拮抗する侍と、剣を交えることなのだ。しかし、この地には、なかなかおらんのが難点じゃのう……。

モモジゴ:
ふう、解決したね。
それにしても、爺さん、アンタすげー人らしいな?

ムソウサイ:
なあに、昔の話じゃ。
今は気ままな、隠居の老いぼれよ……。

ゲゲルジュ:
グルミ・ボルルミの奴を片付けてくれたか。
越えてはならん一線を越えたのだ、当然の報いよの……。
この後始末は、任せておくがいい。ワシの私有地で起こったこと……外には漏らさぬ。

ムソウサイ:
何から何まで、かたじけない、恩に着る。
これにて一件落着。悪の蔓延る世は栄え……

(膝をつくムソウサイ)

モモジゴ:
爺さんっ! 大丈夫かっ!?

ムソウサイ:
ああ……案ずるでない。
少し、疲れたまで……歳は取りたくないのう……。
さあ、次の都へ向かおう。風の向くまま、気の向くまま……。
ほう、どうも森の方に風が向いているようだ。モモジゴよ、森の都へと参ろうぞ。

モモジゴ:
森都といえば、グ、「グリダニア」か。
あそこは……まあ、いいや、向かおうか。

(カーラインカフェにて)

モモジゴ:
ハ、ハハハ……あ、相変わらずいい街だね。

ムソウサイ:
森と調和した、素晴らしき街ではないか。
しかし、そんな街にも隠れた悪はいるもの。ワシらが探り当てるまで、お主は己で鍛錬を積んでおいてくれ。

モモジゴ:
さ、さっそく、俺、この街の悪を探すため、
情報収集に行ってくるよ~!

私見や考察

Lv50 クエストは侍の心得を説いたもので、Lv52 クエストは実践的なケーススタディでした。今回のお話は前回にも増して明瞭な勧善懲悪……になるはずだったところ、突発的に生じた「余興」でお話がガラリと展開した格好です。

辻斬りの容疑を突き付けた際、悪びれもせず白状したグルミ・ボルルミ。直後のムソウサイの反応からもわかるように、あの場で斬り捨てられていても不思議ではありませんでした。しかし、終盤に語られた「実力が拮抗する侍と剣を交える」状況をムソウサイが期待したため、泳がすことにしたのでしょう。

前回の「刀の抜き方」や「小義を捨て大義を得る」判断だけでなく、悪を始末する前に利用できる箇所は使う、したたかな計算があったように思います。結果、似非ニンジャと虚仮サムライを打ち据えただけでしたが、侍の命でもある「刀」をぞんざいに扱う連中を反面教師として本分を再確認できた……かもしれません。

ムソウサイとの世直しの旅において、今回のお話は最も明瞭な勧善懲悪ストーリーです。外道に堕ちて人を殺める鬼畜に、因果応報の天誅を下す。これを弟子である光の戦士に任せることもできたでしょう。しかしながら、

罪なき人々を殺めておいて、反省の色ひとつないとはな……。よんどころなし……斬る。

このような者、Yuki殿には斬らせたくもない、ワシの務めじゃ……。

と、自らの手を下したのはなぜか。

弟子の成長と覚悟を見定めるのも師の定めであり、この一件で見極めることもできたけれど、弟子の手を汚すことへの危惧があったのではないでしょうか。

「天誅」「世直し」の名を借りてはいるものの、有り体にいえば殺人です。正義や大義、信条や信仰など、様々なモノが依り代となりますが、そうしたお題目がなければ、そうして正当化して自らを慰めねば、人を殺める行為は心を歪ませます。

そして、人を殺めるという行いは、その者が掲げていた正義や大義、信条や信仰を断ち斬るのと同義なのです。ゆえに、その者の抱えた闇や葛藤……言い換えれば、断ち切った者の人生の輻射を浴びてしまいます。

自らの大義を確立できた時分ならまだしも、つい先日まで刀の抜き方も知らなかった弟子を、そのような危険に曝してよいものか。ムソウサイの脳裏に、かつての弟子を巡る苦い記憶が甦ったことでしょう。伸びしろがあり、様々なことを吸収できるからこそ、いまこの時は大事を取ったのではと思うのです。

もちろん、既に様々な (と一言にまとめるのも憚られますが) 経験を積んできた「光の戦士」には、大したことではないかもしれません。それでも、ひとりの「駆け出し侍」として考えれば、この気配りは有り難いと考えます。それだけ、ムソウサイの期するものが伺い知れるお話だったと言えますね。


次回、肆之巻・森都を濡らす詐欺師の涙!

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