1. 1457 view|最終更新 21/10/02

侍の足跡・壱之巻 ~侍への道 / 老剣豪ムソウサイ~

※本記事は侍クエストの核心事項を扱います。閲覧注意にござるよ!

はじめに

本連載「侍の足跡」は、侍ジョブクエストを振り返り、追体験するものです。NPC の発言を網羅し、あのとき光の戦士を取り巻いた状況を、改めて確認していくのが目的。その後、私なりの感想や考察などを書き記しますので、理解の種や他山の石としていただければ幸甚に存じます。

侍としての第一歩が、ここから始まります。[+] を押すと当該シーンの画像がべろんと出てきます。文字起こしはその後に。大変縦長になっておりますのでご注意くださいませ。

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今回は、侍ジョブ取得クエスト「侍への道」と侍 Lv50 クエスト「老剣豪ムソウサイ」の二本立てです

ジョブ取得クエスト「侍への道」

ウルダハ:ナル回廊










コロセウムへ




東方風の老人








文字起こし

(ナル回廊にて)

砂都の市民 :
いやはや、世界は広いねぇ!今日ほどそれを実感したことはないよ。砂都の市民 : というのも、今しがたコロセウムで、物凄い剣技を目の当たりにしてきたんだ……!
それは、本試合ではなく余興として行われていた腕試しだった。東方から来たという貧相な老人が挑戦者を募っていて、筋骨隆々とした強豪剣闘士が名乗りをあげたんだ。
東方の剣術なんてものは、ウルダハでは色物扱いさ。そのうえ、年寄りと強豪剣闘士の戦いだなんて、悪趣味な見世物の類だと思うだろう?
それがだね……蓋を開けてみると、老人は見事な剣さばきを見せて、剣闘士を圧倒したんだ!
そして、相手を追いつめていった老人は、あろうことか、剣を鞘に納めたんだよ。
対戦中に武器をしまうだなんて、コロセウムでは自殺行為。当然のように、剣闘士は隙を逃さず斬りかかった。
しかしだ……次の瞬間、倒れたのは剣闘士の方だったんだ!老人は、相手の斬撃よりも素早く剣を抜いたうえに、強烈な一撃を食らわせたのさ!
鮮やかな異邦の技に、観客は総立ちで拍手喝采!私もいまだに鳥肌が立ちっ放しだ……!なんでも、「侍」とかいう東方の剣術士の技らしい……。
ひょっとして……君は武者震いしているのかい?コロセウムでは「饒舌な興行師」が次の挑戦者を募っていたが、やめておいた方がいい……あの老人の強さは尋常じゃないよ。
コロセウムでは「饒舌な興行師」が次の挑戦者を募っていたが、やめておいた方がいい……あの老人の強さは尋常じゃないよ。

(コロセウムにて)

饒舌な興行師:
寄ってらっしゃい見てらっしゃい、これぞ東方の神秘だよ!
海の彼方からやって来た、眼にも止まらぬ剣技を操る老人に、そこの強そうなお姉さんも、挑戦してみないかい?
見事、そちらが一本取ることができれば、滅多に手に入らない「ひんがしの国のお宝」をあげちゃうよ!
ただし、ひとつだけ条件がある!勝負に使う武器は、老人が持つ物と同じ「刀」だ!その気ならば、剣術士ギルドで「東方風の老人」に声をかけてくれ!
東方の剣技を操る老人に挑戦して、一本取ることができれば、滅多に手に入らない「ひんがしの国のお宝」をあげちゃうよ!その気ならば、剣術士ギルドで「東方風の老人」に声をかけてくれ!

東方風の老人:
ほう……これはまた不思議な「気」を感じる。
今度こそ……少しは、まともな者だとよいのだが……。
お主が次の挑戦者だな。我が名は「ムソウサイ」と申す。遠くひんがしの国から参った「侍」である。
侍とは「刀」という剣の技を中心とした東方の武人のこと。お主に一振りの刀と、この「魂技石」を貸してやろう。なに、侍が持つお守りのようなものだ。
まずは、これらを身に着けてみよ。形だけでも、侍となれるであろう……。

侍Lv50クエスト「老剣豪ムソウサイ」

ムソウサイ













































バトル開始













バトル後

















滅殺のベロアルド戦






















撃破後










「くいっくさんど」にて














文字起こし

ムソウサイ:
ほう、眼差しが変わったな。
その様子だと、渡した「魂技石」から剣技を……いや、こっちの話じゃ。
さて、ワシから一本取ることができるかのう……。勝負に向けて、身支度を整えておくがいい。覚悟が決まったら、声をかけてくれ。
覚悟は決まったようだな……。それでは、闘技場へ向かうとしよう。

饒舌な興行師:
さあ、さあ、皆さんお立ち会い!
神秘の東方からやって来た、並ぶことなき剣豪「ムソウサイ」!お次に挑戦するのは、さすらいの冒険者だ~!

????:
その勝負、ちょっと待ったァァァ!
そこのジジイをブチのめすのは、この俺……コロセウムの覇者「滅殺のベロアルド」様だァ!

ベロアルド:
やいジジイ! さっきは、よくもイカサマしてくれたな!
あんな頼りない細身の剣を渡しやがって!いつもの剣だったら、お前なんかに負けるわけねぇんだ!

饒舌な興行師:
おっと~!
先ほど、コテンパンにされたベロアルドが乱入してきたぞ~!
悪行がたたってコロセウムを追放された強豪剣闘士!そのプライドに火を点けてしまったか~!?

ムソウサイ:
なにを今さら……同じ刀で勝負する、
そういう決め事であったろうが……。

ベロアルド:
うるせぇ!
小細工抜きでもう一度、俺と勝負しやがれ!

ムソウサイ:
やれやれ……。
この地の輩は、抜き身の刀そのものだ。

(ムソウサイの居合一閃で剣を折られるベロアルド兄貴)

ベロアルド:
ヒィィッ!
お、覚えとけよォォォ!

(美しい遁走を披露するベロアルド兄貴)

ムソウサイ:
ふう、思わぬ邪魔が入ったが……。
気を取り直して、いざ勝負じゃ。

(バトルに勝利)

見事であった!魂技石から瞬く間にこれほどまで技を引出し、ワシに叩き込むとは……お主只者ではないな!
よかろう、お主に滅多に手に入らぬ「ひんがしの国のお宝」……さらなる「侍の技」を授けよう!
いかがした?侍の技は、この地ではまず手に入らぬ価値あるものだ。
ワシの弟子となれば、我が生涯をかけた奥義の伝授も考えんでもないぞ……?

聞き覚えのある声:
ジジイこの野郎! 騙しやがったな!
ベロアルド : ひんがしの国のお宝って、金銀財宝じゃなかったのかよォ!

饒舌な興行師:
おおっと、ベロアルドが今度は仲間を連れて戻ってきた~!
しつこい! しつこすぎるぞ~!

ベロアルド:
うるせぇ!
文句のあるやつは、ブチのめしてやるぞォ!

ムソウサイ:
騙してはおらぬぞ。
お宝が金目の物だとは一言も言っとらん。どっちにしろ、お主は手も足も出なかったがな……。

ベロアルド:
黙れ黙れ!
今度こそ、俺の本当の実力を見せてやる!

ムソウサイ:
ぞろぞろ仲間を連れてきながら、よくもそんな戯言を……。
まあよかろう、もう一度、痛い目を見たいようだ。だが……今度はワシではなく、我が弟子が相手になる。
お主なら、こやつらごとき軽く捻ってくれるであろう。……のう?

ベロアルド:
しゃらくせえ!
邪魔するもんなら、コイツもやっちまえ!

(ムソウサイの一喝でピンポン玉めいて弾け飛び倒れるベロアルド兄貴)

ムソウサイ:
強引に任せてしまい、あいすまぬ。
だが、ワシの目に狂いはなかった。お主こそ、我が弟子に相応しき逸材のようだ……。
ワシはひんがしの国で、弟子にすべき者を探しておったのだが、祖国では行き過ぎた伝統主義が、侍たちの目を曇らせていてな……これといった人材が見つからなかったのよ。
そこで、遥々「えおるぜあ」の剣客が集うこの場まで出向き、腕試しと銘打って、才ある者を探していたのだ。
そんな骨折りの甲斐あって、お主という天賦の才に出会えた。素性の知れぬ年寄りが何を世迷言を、と思ったことであろう。されど……ワシは紛うことなく真剣だ。
是非ともお主に弟子となって、我が剣技の担い手になってもらいたい……!

(→いいえ)
ムソウサイ:
むう……残念無念。
かくなるうえは、お主の気が変わるまで……ワシはここを動かん!

(→はい)
ムソウサイ:
よくぞ申した!
では、これより我らは師弟の間柄……どうかよろしくお頼み申す!
師となった以上、弟子の名を知らぬわけにいかぬ。お主、名を何と申す……?
Yuki……ふむ、よい名である。さっそくYuki殿に侍の心得を説きたい。ひとまず、「くいっくさんど」という居酒屋まで来てくれ。

(クイックサンドにて)

さて、まずは侍の歴史について語ろうかの……。かつて、ひんがしの国は群雄割拠の戦乱の時代にあった。そんな乱世にあって、多くのツワモノたちが刀を手に戦った。
そう、ワシらが操る剣技は、戦の中で磨かれていったのだ。だが、天下が統一されると、誰もが刀を持つ時代は終わった。刀は権力の象徴となり、「侍」だけが持つ物となったのだ。
太平の世で刀を持つ侍には責任が伴う。それは、平和を維持すること……。二度と乱世に戻さぬためには、秩序を保たねばならぬ。
だが、調和を乱そうとする悪は尽きぬもの。そんな不埒な悪を成敗し、太平の世を護ること。これこそ、刀を持つ者の責務、侍の大義なのである。
その大義は、この地においても変わることはない。ワシの弟子となったからには、お主にも、「えおるぜあ」に蔓延る悪を懲らしめてもらう。
この地で世直しの旅をするのだ。すでに基本を修得したお主には、何よりの修行ともなろう。手始めに、この「うるだは」に巣食う悪を探り……

饒舌な興行師:
いやはや、とんだ大騒ぎになったねぇ。
でも、どさくさまぎれに、戦いを賭け試合にして、たんまり儲けさせてもらったよ。

ムソウサイ:
モモジゴよ、これまで世話になったな。お陰で、弟子を見つけることができた。これからは、儲けた金で達者に暮らしてくれ。

モモジゴ:
いんや、俺はまだまだ爺さんについていくぜ。
滅法強いアンタといれば、また儲け話がありそうだ。それに、ウルダハの悪を探るとか何とか言ってたよな?
情報収集なら、興業で各地を渡り歩いてきた俺に任せとけって!大体、爺さんはエオルゼアのことなんか全然知らねぇだろ?

ムソウサイ:
……それもそうじゃった。
「べすぱあべい」に辿り着いた後、ここまで来れたのも、お主と出会えたお陰だったからのう……すまんが、これからも頼む。

モモジゴ:
間違って盗賊相手に、剣闘士にならないかと勧誘しちまって、
殺されかけた俺を助けてくれたのはアンタだ。爺さんは命の恩人だからな、気にすんなっての!
お姉さんも、よろしくな!この爺さんのお眼鏡にかなうなんて、よっぽどだよぉ!せいぜい、修行に励んでくれたまえ……!

ムソウサイ:
そんな訳で、このモモジゴの手を借りることになった。ワシらで、この都の討つべき悪を探っておくので、お主は、しばし己で技を磨いておいてくれ。

私見や考察

記念すべき侍としての第一歩がこれら二つのクエストです。「侍への道」をクリア後に「老剣豪ムソウサイ」をそのまま受けられますから、間髪を入れずに進めた方も多かったのではと思います。そしてこのクエストでは、ムソウサイが願う侍の姿……FFXIV の侍が抱くべき志が語られます。

太平の世で刀を持つ侍には責任が伴う。それは、平和を維持すること……。二度と乱世に戻さぬためには、秩序を保たねばならぬ。だが、調和を乱そうとする悪は尽きぬもの。そんな不埒な悪を成敗し、太平の世を護ること。これこそ、刀を持つ者の責務、侍の大義なのである。

力ある権力者の闘争に、力なき民が巻き込まれる。力に押さえつけられた者が、力による報復をなす。その連鎖が、乱世の姿です。かつて乱世を平らげるために生み出された「刀」は、乱世の平定を経たいま、ふたたび乱世へ逆戻りさせぬため振るうべきであり、大義による行動が重要だ……と。

ここで気をつけるべきなのが、正義と大義は違うモノだということ。どちらが良い悪いはこの場では扱いませんが、私としては、自らが掲げるのであれば、それは正義ではなく大義と呼びたくはあります。

世を乱さんと目論む者を成敗せしめるのが侍の責務であると同時に、世を乱さぬために必要悪を呑み込める度量と見識、大義が必要です。いうなれば、大義のために正義を犠牲にできるか。事象だけを見れば、人を殺めることにほかなりません。それでもなお、泰平の世を護るために成敗せねばならないのです。

……難しいですよね。手垢のついた表現ですが、正義や悪は人の数だけ存在します。泰平の世と言っても、どのような温度で、どんなシルエットで、どういった息遣いの世界なのか。大枠こそ一致すれども、細部の共通認識はないでしょう。平和や幸せのかたちが各々で違い、それを成す手段もまた違うように。であればこそ、大義でもって、正義や悪を飲み込んで、太平を護る気概が重要なのだと考えます。

ムソウサイが説いた心得は、紅蓮編の終幕までを一本に貫くテーマだと私は認識しています。そしてムソウサイには、この志を信じて貫くだけの強さがありました。同時に、ウゲツ……冒険者の兄弟子であり、ムソウサイがエオルゼアに渡る原因となった彼もまた、ムソウサイの教えを忠実に修めるだけの技量を持ち、その崇高な志も理解した。……理解したのだけれど、理解の方向が異なっていたのです。

ゆえに、ムソウサイをはじめとした人々の大義、矜持、悔恨……人生を巡らせる歯車は、どこかチグハグに回ることとなりました。そのひとつが、コロセウムでの見世物だったのでしょう。そこに光の戦士という大きな歯車が噛み合ったことで、彼らのすべて……侍という存在の在り方、侍という存在に重ね合わせてきた各々の在り方を巻き込み、音を立てて軋みながら、収束するかのように動き始めたのです。

しかし、まずはムソウサイが言う通り、光の戦士は侍としての修行を積むこととなります。ムソウサイの言う「悪を成敗」した先に何が待ち受けているのか。自身の見出すべき大義とは何か。様々な思惑が交錯するのは、もうちょっとだけ後のお話。


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