(イシュガルド下層にて)
ムソウサイ:
待ち侘びていたぞ、Yuki殿。その風格、もはや、一人前の侍といったところか。
これまで3都市で悪を討ってきたこと、無駄ではなかったな。お主の成長、ワシも嬉しく思う。
さて、この寒風吹きすさぶ都で、悪を探ってみたところ、モモジゴが、ある噂に大層心を痛めておるようだ。
モモジゴ:
聞くも涙、語るも涙の話さ……。西部高地で、貧民の恋人同士の身投げがあったんだ。
情報通のとある貴族の次男坊によるとだね。女の方が下級貴族の息子、オンフランに目をつけられ、無理やり仲を引き裂かれた挙句、心中したって噂なんだよ。
男女の仲を引き裂く奴なんて、俺は許せないね。なんとか、その貴族のボンボンを、懲らしめてやりたいんだ!
ムソウサイ:
しかし、そのような噂だけで裁くわけにはいかん。まずは、「雲霧街」で身投げした男女のことを聞いてみよう。
やさぐれた貧民:
ああ、あのふたりは気の毒だったよ。でも、妙なのは、わざわざ西部高地で飛び降りたこと。身投げできる場所なんて、ここいらにいくらでもあるのにさ……。
ムソウサイ:
この街は、身分の隔たりが著しいようだな。ひんがしの国もまた然り、あるまじき事態じゃ……。
冷淡な貧民:
例の心中の件か……。オンフランに目を付けられたのが運のつきさ。なんせ彼は、強欲で有名なイドランシューの息子だからね。
疑り深い貧民:
身投げ? いや、あれは怪しいね。アタシはその男女のことを、よく知ってるんだけど、仲を引き裂かれたくらいで、心中するようなふたりじゃないよ。
ムソウサイ:
ふむ、心中ではないとしたら、これは曲事の匂いがしてきたのう。それにしても、先刻からモモジゴの姿が見当たらん……。
モモジゴの声:
ひ、ひええええ~ッ! 助けてくれ~ッ!!
ムソウサイ:
あれはっ! モモジゴの悲鳴っ……!?すぐ近くのようじゃ!
うーむ、モモジゴの服のボタンが落ちていたが……あやつは、いずこへ……?
怯えた様子の貧民:
あ、あのう……私は、そのボタンを落とした人に、身投げした男女の話を聞かれたところだったんです。
でも、急に見知らぬ男たちがやって来て、その人を、乱暴にどこかへ連れ去ってしまったんですよ。ああ、恐ろしや……それでは、私は失礼します……。
ムソウサイ:
むう、只ならぬ事態となってしまった。ワシは下級貴族の息子「おんふらん」を、上層で見かけたという、情報を聞いておる。
もしや、何か事情を知っているやもしれん。「らすとびじる」という場で、佇んでいたというので、今すぐ向かって、そやつを追及してみよう。
(ラストヴィジルにてオンフランを発見)
こやつが「おんふらん」のようだが、今にも身投げしそうな様子じゃ……。
オンフラン:
な、なんだよっ!?死なせてくれっ……!俺のことは放っておいてくれよっ!
ムソウサイ:
なにも、止めはせぬが、死ぬ前に聞きたいことがある。身投げした男女のことを調べていた仲間が、何者かに連れ去られてしまったのだ。
ふたりは、お主のせいで心中したという噂だが……何か、知っておることはないか?
オンフラン:
確かに、俺はふたりの仲を引き裂いた……。だが、あいつらは、心中したんじゃないんだ。
俺が女を家に連れ込んだときに、彼女は知ってしまったんだよ。親父が戦神鉱の裏取引で、不正に利益を得ていることを……。
そこで親父は、あいつらを西部高地に呼び寄せ、口を封じるため、心中に見せかけて……殺したんだ!俺は、彼女のことが本当に……本当に好きだったのに……!
あんたらの仲間も、始末するつもりかもな……。だとしたら、ふたりを殺したときと同じく、西部高地のブラックアイアン・ブリッジだろう。
ムソウサイ:
左様であったか……。死ぬのは勝手だが……お主はまだ若い。
この後、すべてを失うかもしれんが、まだやり直しはきくぞ。ワシとは違って、羨ましい限りじゃのう……。
オンフラン:
…………。
ムソウサイ:
さあ、急いで「ぶらっくあいあん・ぶりっじ」に向かおうぞ!モモジゴを救うのだ!
(ブラックアイアン・ブリッジにて)
イドランシュー:
く、くそう……!役立たずの傭兵どもめ……!
モモジゴ:
た、たすかった……。もう、ダメかと思ったよ……。
ムソウサイ:
遅れてすまぬ……途中で雪に足を取られてしまった……。
お主が、我が身可愛さに若き命を奪った者か……。勝ち目はないぞ、観念するがいい。
イドランシュー:
ふん、何者か知らんが、傭兵を倒したくらいで……図に乗るなよ!
(銃を構えるイドランシュー)
ムソウサイ:
やはり、反省の色なしか……犬畜生にも劣る奴。侍の大義にかけて、悪を許さず!
(ムソウサイの居合が一閃、倒れるイドランシュー)
ふう……これにて一件落着……
(膝をつくムソウサイ)
モモジゴ:
じ、爺さんっ!
ムソウサイ:
……ぬう、今一歩なのだ。志半ばで……くたばるわけにはいかん。……ええい!
(立ち上がるムソウサイ)
さて、モモジゴによれば、「えおるぜあ」の主要都市は、これですべてまわったことになる。
モモジゴよ、これまでよく付き合ってくれたな、感謝しておるぞ。
あとは、ワシの最後の目的。極悪人「コガラシ」を成敗するだけ……。
Yuki殿、各都市で悪党を成敗したことで、お主は、並ぶことなき立派な侍となった。それも、コガラシと匹敵するほどにな……。
そろそろ修行も終わりのときを迎える。お主のような才ある弟子を持てて、ワシは果報者じゃ。……さあ、今は「いしゅがるど」の街へ戻ることにしよう。
モモジゴ:
Yuki、大変なんだ!街に着いてすぐに、爺さんが倒れちまったんだよ!
今は、宿で安静にしているけど、医者の話では、爺さんは重い病を抱えていたようだ。もう、刀を握ることだって難しい状態らしい……。
そして……もう……長くはないだろうって……。
そんな身体で、エオルゼア中を回って、悪を討って、俺のことまで助けてくれたんだ……。
なぁ、Yuki。爺さんが言ってた、「コガラシ」とかいう侍の成敗……なんで、あんなに無理をしてまでやろうとしていたんだろう?
本人は口にしないけど、よっぽど深い理由があるみたいだ。代わりに俺たちが、その大義を果たしてやれたらな……。
とにかく、俺はここに残って爺さんの看病をするから、また見に来てくれよ……約束だぞ。
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