食欲は人間の三大欲求がひとつと数えられるように、程度の差こそあれ、食べなければ人間は生きられません。ならば何を食べるのか。それは生きるための選択であり、人生の縮図といって差し支えないでしょう。
エオルゼアには様々な食品、料理があります。お店から購入できるだけでなく、調理師として自作に挑めるものも多数。それらには土地の特産品が使われていたり、風土や文化に根ざしていたり。アイテム点数の都合上、どうしても現実世界並とはいきませんが、文化を窺い知るには十分なほどに存在します。
そして、たとえば調理師のジョブクエストでは、美食の文脈でストーリーが進行します。その一方で、これまた現実と同じように、栄養さえあれば良いじゃんという考え方も存在します。この極地にいるであろう食品が、Patch5.3で登場した「賢人パン」です。ストーリー的な役割はネタバレのため伏せますが、これが興味深い。
けんじんぱん
賢人パン。栄養学を修めた賢人が考案した食品で、魚や野菜の粉末を練り込んだパンです。サンドイッチ等にして手軽に食べられ、栄養はしっかり摂れるものの、魚や野菜を練り込んでいるために独特の風味が鼻に抜ける、と。現実世界で再現された方は比較的おいしいと仰っていましたが、材料の違いは大きそうです。そのあたりを含めた詳細な随筆は後日に譲るとして。
これまでにも、シャーレアンは必ずしも美食ではないと語られてきました。合理的な思考を尊ぶお国柄もあるのか、長時間の仕込みや調理が必要な食事ではなく、栄養さえ摂れれば充分と考える人が多いとのこと。知識の都だけあり、食事に時間を割くくらいならば研究に時間を費やしたい、という層も多いようです。栄養学の賢人が考案したパンであると同時に、賢人になるような人はだいたいそんな感じ(クルル談)ゆえに、賢人が食べるパン、という意味で呼ばれる側面もあるのかなと思います。
サンドウィッチさん
脱線ですが、現実世界での「サンドイッチ」は、イギリスのサンドウィッチ伯爵が語源とされます。そしてエオルゼアにも「サンドイッチ」という料理があることが上の画像からわかります。ということは、エオルゼアにもサンドウィッチ伯爵、あるいは賢人サンドウィッチが存在したのでしょう。賭博ないし研究に没頭するあまり、片手で食べられる食事を……と考案した彼あるいは彼女にちなんで名付けられたのではと推測します。
フレーズ警察ではありませんが、現実世界の固有名詞に起因するものをファンタジー世界に持ち込むのって、こうした整合性がネックになったりします。FFXIV はそのあたりうまいことやっている印象で、むしろそういうことを気にする人をもクスっとさせるウィットがあるように思いますね!
真・賢人パンのレシピについて
クルルとラムブルースの発言から、正しくおいしくない賢人パンのレシピを考えてみましょう。まず、魚要素。手早く食事を済ませるという存在理由からして、内蔵を取り除いて干し、削り粉にする……等の手間はかけないでしょう。生魚の切り身や、小魚であれば丸ごとミンチにしたのではと考えます。骨もカルシウムですしね。
続いて野菜。入れる野菜を「味」でちゃんと選べば問題なく美味しくなるものですが、そこは「栄養」の一点突破がゆえに、青臭くなるのでしょう。また、生地に使われる麦も重要です。色からおそらくライ麦と思われますが、栄養価にステータス全振りの品種であればお味はお察しかもしれません。
具体的な素材
・イワシ等の小魚を丸ごとミンチ
・サバ等の切り身をミンチ
・モロヘイヤ(栄養価が高いから
・青じそ(栄養価が高いから
・ライ麦(栄養価が高いから
あるいは、野菜は粉末タイプの「青汁」を混ぜ込むのでも良さそうです。魚の生臭さ、野菜の青臭さ、ライ麦の酸味。これら「負の三位一体」が鼻腔をガツンとお見舞いしてくる賢人パン、どなたか挑戦してみてはいかがでしょうか!
おわりに
₍՞◌′ᵕ‵ू◌₎せっしゃは……おいしいごはんがたべたいので……。
賢人パンを端緒とし、エオルゼア各国から第一世界まで、それぞれの食文化を調べてみたい気持ちがふつふつと。近いうちに、昨今マイブームなフィールドワーク系記事として公開できればいいなぁと思うせっしゃでございました!ひとまずはご好評いただいているフィールドワーク系記事をふたつご紹介しておしまいにござる!
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