1. 随筆
  2. 465 view|最終更新 19/10/20

プロデューサーレターレビュー – 5.0に向けて。

昨日、FFXIV公式サイト内のフォーラムにて、3年半ぶりにFFXIVプロデューサーレターが公開されました。今回はせっかく文章で公開されましたので、それぞれの内容について私なりに見ていきたいと思います!文章の中身が変わらない程度に句読点や改行をいじりつつ、さっそくいってみよう!

第62回FFXIVプロデューサーレター (2019/05/10)

FFXIVプレイヤーの皆さん、こんにちは! プロデューサー兼ディレクターの吉田です。
最近ではすっかりPLLに移行してしまい、これが3年半ぶりのプロデューサーレターとなります。
ラスベガス、パリ、東京と、三か所のファンフェスで、『漆黒のヴィランズ』をお知らせさせていただいてから、世界中よりたくさんの期待のお声と同時に、多くのフィードバックを頂戴しました。
今日はその中から二つのトピックスについて、久しぶりにプロデューサーレターをお届けいたします。

動画や配信というフォーマットは、ユーザーを大きく拘束します。もちろん、配信側はさらに準備やら何やらがあります。それでもなお配信に拘るのは、双方が抱えるそれらデメリットを、配信がゆえの利益(ユーザーとの距離感やSNS等各種コンテンツの相乗効果、量による満足感etc)が上回ると読んだ戦略の結果です。

そこに需給の関係があり、決して悪いことではないのですけれど、以前の記事でも書いたように、今後はこういう簡単な文章でいいから平行してやってほしいなぁ。

■漆黒のヴィランズで追加される新ジョブにヒーラーが含まれない点について■

東京ファンフェスでの情報公開前には、「ヒーラーロールに新しいジョブの追加があるだろう」と、多くの方が予想されていたようです。特に発表済みであった、もう一つの新ジョブである”ガンブレイカー”がタンクロールであったことから、この予想が強く支持されていったものと思われます。

しかしながら、実際には”踊り子”という遠隔物理DPSが追加となることが発表され、踊り子を歓迎してくださる一方で、「なぜ、ヒーラーロールに追加がないのか」というお声を頂戴しました。
結論から先にお伝えすると、ゲーム全体のバランスを考えて「今回の拡張パッケージでは、まだ、ヒーラーロールにジョブを追加するべきではない」と判断しました。その主な理由は3つです。

1. 拡張のタイミングで追加できる新ジョブの数は2つで限界であること

拡張パッケージではレベルキャップの開放を伴うため、単純に追加されるジョブが2つでも、実際の作業としては、既存ジョブへの新アクション追加とバランス調整のための変更を伴います。新生FFXIVサービス以降、現時点でリミテッドジョブである青魔道士を除けば、既にジョブは15ジョブあり、今回のガンブレイカーと踊り子で17に達します。
僕としても開発チームとしても、拡張の目玉として優先的に新ジョブの追加を検討していますが、パッチ運営と拡張開発の期間を考えると、2ジョブを追加するのが精いっぱいです。つまり、この枠を複数ロールで奪い合うことになります。

2. 遠隔物理DPSが2ジョブしか存在しないこと

紅蓮のリベレーターリリース時点で、各ロールの内訳は「タンク:3」「ヒーラー:3」「近接物理DPS:4」「遠隔魔法DPS:3」「遠隔物理DPS:2」となっています。今回はこのロール間バランスを取り、均等にジョブの選択肢を持ってもらうため、遠隔物理DPSを足そうと考えたのが理由となります。これで2枠あるうちの1枠を使いました。

3. タンクロール間/ヒーラーロール間のバランス

近接物理DPSは現状でも4ジョブ存在しているため今回は見送りとし、残り1枠をタンクとしました。FFXIVのタンクロールには、役割としてMT/ST(OT)という概念が存在しており、今のままジョブ数が奇数でバランスを取るよりは、偶数にした方が方針を決めやすいことが、今回、ガンブレイカーを追加した大きな理由です。
一方でヒーラーロールは、蒼天のイシュガルドで占星術師を追加して以来、白魔道士/学者とのバランス調整に苦慮しており、皆さんにも随分とご心配をおかけしました。今回は「この状態で無理にヒーラーの新ジョブを追加して、さらにバランス調整を困難にするよりも、今存在する3つのジョブでのバランスを優先した方が良いだろう」という判断をいたしました。

以上が、今回ヒーラーロールに対して新ジョブが追加されなかった理由です。
ご期待くださった皆さんには申し訳なく思っていますが、全体のゲームバランスや新しいジョブ体験を考え、今回はこのような判断になりました。しかしながら、ヒーラーロールへの新ジョブ追加の要望が多いことは身に染みてわかりましたので、今後のジョブデザインにおいて、大いに参考とさせていただこうと思っています。

追加ディスクの目玉でもある新ジョブについて語られています。

まずはガンブレイカー。あくまで推測ですが、タンクはMT組とST組に分けられるのかもしれませんね。現状でMT向きは戦士&暗黒、ST向きがナイト&戦士とすれば、たとえば暗黒&ガンブレイカーをMT組、ナイト&戦士をST組といった具合。
この組み合わせはいくらでもいじれますし、個々人のイメージや好みが大きく絡みますから、難しい舵取りとなりそうです。ナイトと暗黒、光と闇の騎士がメインタンクというのもカックイイですし、戦士はデストで斧を振り回し、ガンブレイカーは射撃を有効活用して攻撃重視、みたいなのもいいですよね。

踊り子に関しては、そういうことだろうなーと思っていた通りで、個人的には納得。FFXIの流れを汲むようなので、各種サンバやステップ、フラリッシュ等で支援と攻撃をしていくのかなと思います。アウラチャンの踊り子を見たいので、みなさんお願いしますね₍՞◌′ᵕ‵ू◌₎

ヒーラーロールのあれこれに関しては、なかなか難しいですよね。ピュアヒーラーの白魔道士、バリアヒーラーの学者といるなかで、どちらもできるスイッチヒーラーとして占星術師が登場。両方の役割を持てる以上、単純な回復面は抑えられ、カードや編成含めた運用で勝負といった状況に思います。
仮に、そこへひとつ追加となると……たとえば、白魔と新ヒラを「回復特化のピュアヒラ」、学者と占星を「攻撃重視+バリアヒラ」のコンセプトにし、ダイアとノクタは、かつてのクルセードスタンスのような扱いとか。今回のタンク4種化の動向も影響してきそうですし、このあたりはよく観察しておきたいですね。

 

■漆黒のヴィランズで追加されるロスガルとヴィエラの性別について■

漆黒のヴィランズでは、既にお伝えしました通り、ロスガル族とヴィエラ族という、2種類の新たなプレイヤー種族を追加します。しかし、ロスガルは男性のみ、ヴィエラは女性のみ使用可能ということで、各地域から様々なフィードバックを頂戴しています。この実装についても、その意図を以下にてご説明させていただきます。

あまり追っていないため詳しいことは言えないのですが、ヴィエラ男性・ロスガル女性も実装を!という署名活動が海外であった、らしい。もちろん、実装できるだけの環境があれば開発側もしたかったところだとは思うのですが、そのあたりは取捨選択なので納得してください、というお話。それに納得するかも含めて、ボールがこちらに渡ってきた状況ですね。

 

1. プレイヤー種族を追加する際の開発コストの問題

ファンフェスの基調講演などを通じて、「今回の種族追加は、FFXIVにとっておそらく最後になる」とお伝えいたしました。これは単純に、非常に大きな開発、そして運営コストがかかるためです。種族の追加はそれぞれの種族の顔/髪/ボディーなど、わかりやすい開発コスト以外にも、既存装備アイテムの種族対応という、莫大な開発コストが発生します。各種族はそれぞれ異なる体型、骨格をしているため、特に装備系のアイテムについては、ロスガルが着ても、ヴィエラが着ても、デザインが破綻しないように調整する必要があります。

ざっと調べましたが、FFXIVには既に約10,000もの装備アイテムが存在し、これらを「各種族が装備できるように調整する」のはすべてデザイナーの手作業になります。これが種族を追加する際に発生する「瞬間コスト」になります。加えてパッチ5.1以降に追加される装備は、これまで6種族×2性別×装備数だったものが、7種族×2性別×装備数になり、さらに装備だけでなくエモートなどにも影響します。
FFXIVは3.5か月をメジャーアップデートサイクルとして運用していますが、前述の通りこれらはすべて手作業で行われており(そうしないとクオリティが上がらない)、単純に費用をかけて人を増やしたとしても、デバッグやクオリティチェック作業にも影響するため、それだけでは解決できないほどコストが大きく膨らむことになります。

これらを考えると、パッチサイクルを守ろうとした場合、7種族2性別以上の種族追加は、現時点では見通しが立っておらず、それが「今回で最後の追加」という言葉に繋がっています。※実際には今回6種族2性別+2種族1性別ずつになりましたが、総数は同じです。

筆頭に挙げられたのが、コスト面の問題。FFXIVに限らず、世のすべての製品・プロダクトに関わるモノです。コストを考えないで良いのなら、どれだけ幸せでしょうね……!そういった意味で理解できるのですが、同時に「それを言われてしまうと」という伝家の宝刀でもあります。個人的には、FFXIVだからということでもなく、こういうのは企業側に同情的な私です。
無論、収益の向上やコスト圧縮の成功等により、風向きが変わる可能性はあります。そのあたりは、後述されていますね。

 

2. プレイヤーフィードバックとしてヴィエラ実装を求める多くの声をいただいていた

上記のように「これが最後の種族追加になる可能性がある」ということで、「どんな種族を追加するべきか」については、非常に長い時間頭を悩ませました。特に世界中からのフィードバックで、FFXIIに登場したヴィエラ族の追加を望む声が、非常に大きいことを知っていたからです。ヴィエラ族の実装は、3.0リリースの際にも同じように悩み、蒼天のイシュガルドの際には「FFXIV初の拡張パッケージなのだから、オリジナル種族にしよう」ということで、アウラ族の実装を決めました。
しかし、今回はヴィエラ族を実装しないことで、多くの方ががっかりするだろうな、という思いがあり、何とかこのフィードバックや希望を叶えてあげたいと考えました。これが、ヴィエラ族を実装することに決めた最大の理由です。

ヴィエラ族については、足掛け期間が長くなってしまったとはいえ、ユーザー意見をピックアップした格好となるわけですね。そのなかで、上記のようなコスト面と、下記のような「開発側のやりたいこと」を勘案した結果が、ヴィエラ女性とロスガル男性のチョイスであったと。

 

3. FFXIVの世界観/キャラクタークリエイションの幅を広げる獣人族の実装

紅蓮のリベレーターで登場した人狼族は、幸いにもご好評の声をいただき、今後の長い運営を考えても、やはり「単なる美形ではないキャラクター」の実装は、FFXIVの拡大に際して、必要なのではないか、と考えるようになりました。実際にはもっと以前より、獣系のプレイヤーキャラクターを実装したいと思っていたこともあり、ヴィエラ同様に種族追加が最後になる可能性があるのであれば、世界観やキャラクタークリエイションの幅を広げてくれるであろう獣人族は必要だと判断しました。

これらのキャラクタークリエイションは「個性の幅」であり、単にたくさんの人が使ってくれるかどうか、という観点だけで実装するわけではなく、ふと見た瞬間に「そこにその存在がある」ことが、世界を作っていく上で重要になると思っています。2と3の理由がせめぎ合ったため、そうなのであれば、素直に双方を叶えることが、プレイヤー体験として重要だと考えることにしました。もちろん、それぞれが片方の性別しか使えないとなれば、お叱りをいただく可能性もあり、悩んだ末のことではありますが、ゲーム体験を優先するという判断をしました。

ヴィエラ男女、あるいはロスガル男女に焦点を絞り、どちらか一方だけを実装する方法もありましたが、それよりは、あらゆる面で可能性を広げるためにも今回の形をとることにしました。漆黒のヴィランズをプレイしていただければエピソードが出てきますが、ヴィエラ族にもロスガル族にも、それぞれ別性別が存在しています。
今すぐには、彼ら/彼女らとの出会いはありませんが、いつか僕たちがさまざまな問題を解決できた日には、もしかすれば、その姿を目にする時がくるかもしれません。ただし、これは今後必ず実装されるという意味ではないこと、今はそれをお約束できるタイミングではないことを、どうぞご理解いただけますと幸いです。

公式で公開されている紅蓮秘話の第八話にて、シドの生い立ちや帝国および属州のお話のなかで「毛むくじゃらの獣のような顔」というボズヤ人の特徴について書かれています。余談ですが紅蓮秘話はどれも良いので読んでください……読んで……読め(豹変
あるいは、ロスガルが実装されなければ顔だけ特殊なルガディンやヒューランで間に合わせた可能性はありますが、ゲーム体験(=開発側がユーザーに届けたい世界)を考えたとき、その選択が及ぼすデメリットも含めて、ロスガル実装に踏み切ったと。

コストや工数の限りがある中で着地点を見出した、という点で私は評価しますが、ユーザー感情として不満が出る決定であることも理解できます。このあたりはなんとも難しいし、平行線にならざるを得ないですよね。こちらは遊びで、あちらはお仕事なのですから。

……一応お伝えしておくと、吉田Pを始めとした開発陣に肩入れ(崇拝の類、一面的な人格を拡大解釈した評価)はしていないつもりですよ!そのうえで、ディレクターとして悪くない舵取りをしたかな、という評価です。

 

■少年/少女のようなプレイヤー種族の実装(余談)■

余談ではありますが、こちらも多くのフィードバックを頂戴している「人間の少年/少女のようなプレイヤーキャラクターの実装」ですが、残念ながらこちらは倫理的理由で不可能なのです。申し訳ありません……。
現在ゲーム市場を取り巻く倫理問題は年々深刻となっており、ゲーム内でセクシャルなポーズのスクリーンショットを撮影することはもちろん、少年/少女に戦いを強いたり、苦痛の表現を行ったりすることも禁止されつつあります。

たとえ、プレイヤーの皆さんに、その気があろうがなかろうが、それを見た第三者の審査機関が「これはNGである」と判断されれば、FFXIVの運営自体を止めなければならなくなります。この点につきましては、時勢を鑑みた上でご理解いただけますと、大変助かります。

海外展開をしている以上、当該国の法令に従わなければならず、仮に違反した結果として運営禁止になれば、その分の損失がプロジェクト全体にのしかかり、結果としてプレイヤー自身に跳ね返ってきます。何事もですが、自分だけならいいじゃん!というのが通用しない世界になっているのですね。自分ひとりくらい、エロいSSをあげて注目と喝采を浴びてもいいじゃん、とか。わざわざ見に来なければ目に入らないんだからいいじゃん、とか。

インターネットの普及からSNSの隆盛により、誰もが気軽に発信でき、誰もが気楽に受信できるようになりました。この利器がもたらす影響力を改めて考え……たいところですが、そういうことやらかす人はそのあたり考えられないからやっちゃうんですよね。くわばらくわばら。
せめてそのような振る舞いをしないよう、知識と見識をアップデートし続けていきたいと思うのであります。

 

■最後に(と、ちょっとしたおまけ)■

我々開発チームは、現在『漆黒のヴィランズ』を過去最高の拡張パッケージにすべく、全力で最後のクオリティアップに努めています。開発サーバーでは、ヴィエラもロスガルも、生き生きと動き回り、皆さんの手でプレイしていただく日に向かって、着々と準備が進んでいます。その日まであと二か月あまり……。ぜひ、新たな冒険の日の訪れを、心待ちにしていてください!

最後に、僕が考えた最強のロスガルと、最強のヴィエラを載せておきますね(異論は認めない)。

おっと、そうでした。東京ファンフェスの基調講演などでお話した通り、ロスガルとヴィエラは、いずれも頭部が特殊仕様のため、ヘルムなどは装備してもグラフィックスが表示されません。メガネなども表示不可だったのですが、発表を受けて「いずれ何とかしてほしい!」という皆さんの声を聞いたキャラクターチームは、作業の合間を縫い、僕に黙って対応してくれたようです。
総数540を超える小物グラフィックスパターンを、それぞれのフェイスパターンに対して、すべて手作業で対応してくれました。 /salute

FFXIV開発チームは、不可能を可能にすべく日々努力をしてくれるチームです。僕も含め、また一歩ずつ不可能の壁を取り除いていこうと思いますので、引き続き楽しくゲームをプレイしながら、ご声援いただけますと嬉しく思います。

それではまた、次回プロデューサーレターライブや各種イベントでお会いしましょう!

ロスガルかっこいい!!ワイルドさのなかに知的なセクシーさがありますね!ヴィエラちゃんは他の方にお任せしようと思っていましたが、ロスガルくんは結構気になり始めてきた……そして、眼鏡の対応をがんばったキャラクターチームの皆さんに喝采と労いの言葉を!実際、本当に黙って対応したのか、”プロデューサー”の策かはわかりませんけれど、これは嬉しい驚きですね。

ただ、先にも「手作業でないとクオリティが」と言及されていましたが、ディテールに関してはその通りながら、ベース部分を標準化・機械化できたらより良いのかなーと、漠然とは思ってしまいますね。もちろん、そのシステムの導入コストやらを考えると、等々複雑になってしまうわけですが!

 

まとめ

つんつん

個人的には、現状の確認(と眼鏡のおまけ)ができた、といった感想で、好印象です。インパクトのある新情報があるとすれば、やっぱりPLLに発表となるのでしょうね。いわゆる「拡張ディスク前の静けさ」といった昨今ではありますが、新クラスや新種族に向けた準備期間ともいえます。
それぞれの描く5.0に向けて、良い用意をしていきたいですね!

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