侍のジョブクエストを振り返ってみよう!という企画記事、「侍の足跡」。ストーリーを振り返り、登場人物の行動を反芻することで、FFXIV における侍の在り方を探るものです。本記事は各クエストのご紹介と総まとめ。それぞれでぼちぼち詳細に触れておりますので、興味とお時間のある方はどうぞどうぞ!
前半まとめ
Lv50~Lv60 のクエストはこちらから。侍とは何か、大義とは何かを問うものでした。クガネに舞台を移した後半が応用編だとすれば、こちらは基礎編ですね。
侍とは
ムソウサイを訪ねてウルダハに辿り着いた女侍マコトとの邂逅から、物語は再び動き出します。ムソウサイの祖国・ひんがしの国では、彼の弟子……冒険者からは兄弟子であるウゲツなる者が、野望を抱き暗躍していると語られます。相対する赤誠組に協力する運びとなるものの、一抹の不安は拭えないまま。
裏切りとは
副局長のシデンは、ウゲツ一派に内通していました。冒険者の活躍でシデンは討ちとったものの、局長のコンゴウがウゲツとの一騎討ちで敗れます。首魁のウゲツは自らの掲げる大義を語り、動揺する隊士たちに弟妹弟子の冒険者やマコトとの関係を告げました。仲間や世間に裏切られた者、裏切った者は誰か。
太平とは
モモジゴの助力で誤解は溶け、ウゲツ一派との決戦に勝利した赤誠組。自らの手で兄を討ち果たしたマコトは赤誠組局長となり、これからのクガネを、ひんがしの国を護ることを誓います。コガラシに憧れた彼女と赤誠組は、コガラシと同じ大義を掲げます。いつか真なる泰平を掴み取る日まで。
後編のまとめ
主役はウゲツでした。ヒカセンとマコトちゃんは脇役。コンゴウ局長の描かれ方がなんとも噛ませ犬的だったのは残念無念ですが、いきなり刀を抜くような不心得者ゆえ仕方ないでござる。(薄情
一連の終結後、マコトが表裏一体だったと語っているように、ウゲツの思想も理解はできるんです。ムソウサイとの修行にて、ひんがしの国に蔓延る腐敗を目の当たりにしたのでしょう。道中で貧しい人々の暮らしも見たのでしょう。彼のなかに芽生えた義憤が、彼を革命思想に傾倒させてもおかしくはありません。彼らが本気であることも理解できます。心から国を案じていて、目下の状況ではそれが衆生救済の最適解だと考えていたことも。たとえ一時的に乱世に戻ろうと、流した血の先にこそ未来があるのだァー!と。
……理想はわかりますが、いささか性急に感じるのも確かです。幕府を打倒したあとの展望はどうだったのなぁとか。そこが雑だと、割を食うのは民衆です。侍のように自らを守る術はなく、差し出せる財産もなく、刈られるばかりの民草を、彼らは守りきれると考えていたのでしょうか。あるいは理想に酔い、そんなことにも考えが至らなかったでしょうか。そのような革命を、民衆は望んでいたのでしょうか。解放の名のもとに、暴力が理を鏖殺する世を招くだけではないでしょうか。
悪を見咎めれば直ちに刀を抜くのではなく、抜くべき時を見極める姿勢が重要です。目の前の罪を斬るのはたやすくて手っ取り早いけれど、その奥底にある腐敗を糺すことこそ、困難で迂遠ながら、何よりの世直しだと思うのです。かくして、光の戦士の助けもあり、赤誠組は立ち直りました。よりよい国としていくため、志を同じくする仲間たちと共に、一歩ずつ歩んでいくことでしょう。
マコトも、状況が状況を呼ぶピンボールゲーム状態で赤誠組局長へ就任しましたが、ある意味で、彼女のような者こそが良いのかもしれません。力で、刀で切り開くことの意味と怖さを知るからこそ、拙速な行動には出ないことでしょう。胸に手を当ててじっくり考え、おっかなびっくり進んでいくのが良いのです。
紅蓮編の総まとめ
前編は、ムソウサイとの世直しの旅を通じて、ひとりの侍としての在り方を考えさせるものでした。後編もそうした延長線上にありながら、個人から集団、社会や国家との関わり方にまでテーマを広げた内容となりました。
太平の世において刀を持つ者。言い換えれば、何かを成し遂げる力を持っている者です。その力で、何を成すのか。人心を乱す悪を斬るのか。混乱を起こし大禍を招くのか。今回の選択が正しいものだったのかは、わかりません。今はただ、ウゲツ一派が敗れ、彼らの紡ぐ未来は潰えたということだけ。
……これって、なんだか漆黒編のメインストーリーに近い気がするんですよね。どちらも正解かもしれなくて、どちらも譲れないものがあって。ウゲツが最期にマコトへすべてを託すのも、あの人のようで。
さておき、これにて紅蓮編の侍ジョブクエストは完結です。救った者、救えなかった者、背負う物、託された物を忘れないように、未来へ継いでいきましょう。
次回、侍ジョブクエスト漆黒編!世直しムソウサイ伝!
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