1. 随筆
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「バフを炊く」。

以前プレイしていたPSO2では、一般的ではない編成や立ち回り方をメインに据え、その特性を最大限活かした状況でコンテンツの攻略に挑むことを「○○軸」と呼びました。FFXIVで言えば戦士7名&学者1名で挑むプレイを「戦士軸」みたいな。それはいつのまにか、単に「メインとなる戦法や立ち回り」を指す意味も持ち始めます。ことばは生き物ですね。

翻って、FFXIV。
「バフ(自己強化技)を炊く(たく)」なる表現があります。FFXIVよりも古いゲームが発祥かと推測しますが、FFXIVでも比較的目にする表現です。割と古参……言い換えれば年齢層高めと思しき方が使っているような、というお話はさておき。

本来の「炊く」とは、ご飯を炊く・大根を炊く(※西日本の用法)といったように、食べ物の調理に限定して用いられることばです。バフとは、自己強化等の行動を指します。ということは、バフを炊くとは、ご飯を食べるようなイメージで、強化効果を取り込むイメージから来ているのでしょうか。
あるいは「焚く」が転化したのかもしれません。焚き火(休憩ポイント)でバフアイテムを使うゲーム内において「焚く」と表現されていた、なんてお話をかつて聞いたことがあります。

……まあ、今日のところはそのあたり割とどうでもよくて。

なぜ「バフを使う」ではなく「バフを炊く」と入力するのか。余分な想像や想定や連想を、わざわざ意図的に挟み込ませるのは何故なのか。なかなか面白いなと思うのです。

考えられるひとつは、単純にユーモア。……その観点からすれば、本記事は大変野暮ですけれども、さておき。説明的な「使う」ではなく、連想と一捻りが利いた「炊く(焚く)」を用いた人がおり、その感覚に追従する人達がいて、世に広まったのではないでしょうか。冒頭でお話した通り、ことばは生き物です。最初に「炊く」とした人には明確な意図や用途の限定があったけれど、伝播するに従って変質、なんてことは十分に考えられます。

 

そしてもうひとつは、符牒(ふちょう)としての存在価値。隠語やスラングにも分類できますが、符牒。
符牒とは「その言葉が意味するところ」を知る仲間内でのみ使われることばのことです。

「ハルヤマ式」「1A」「DHD」などと書かれたパーティ募集があります。知らない人が見たら暗号ですが、その意味を知っていれば「アルファ零式3層のパントクラトル処理法」「アルファ零式4層のハローワールド処理法」「シグマ零式4層の心無い大天使処理法」のことだとわかります。そういった類。

「バフを炊く」なることばは、その真意を知る者にしか通じず、通じたならば仲間なのです。言い換えれば、仲間であることを確認しあう側面をもちます。

キミはバフを炊くのかい?炊かないのかい?こちら側かい?あちら側かい?

そんな意図を明確に持っている人は滅多におられないでしょうけれど、符牒・隠語とは、仲間内で通じた時の楽しみのほかに、そういう側面があることも忘れずに、自分の手が届く範囲で扱いたいものです。

 

 

 

……ただまあ、FFXIVには、

 

 

DPSがDPSを出す

 

 

なんてブッ飛んだ表現が公式に存在し、まぁもう炊いても割ってもいいんじゃないかなっておもっちゃうわたしなのでしたー₍՞◌′ᵕ‵ू◌₎

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