黒と白銀を基調にした出で立ち、素直な刃文と鍛え肌はシンプルな機能美を感じさせます。刀の本場・ひんがしの国の役人の佩刀と同じであることから、ベーシックでオーソドックスな一振りといえましょう。
造 … 鎬造。
刃 … 直刃、柾目肌。
鐔 … 稲穂の意匠?
柄 … 白糸諸捻巻、黒鮫皮。
鞘 … 黒の石目塗、鞘尻に銀の金物。
IL/Lv … 139/56
絡繰 … なし
染色 … 不可
入手 … 製作/クエスト/NPC販売
公式 … 地鉄太刀
鎬造の直刃で柾目肌の太刀。奇をてらわず、質実剛健な王道の日本刀です。鞘などまで含めた色味も落ち着いており、個人的には大変好ましく感じます。同型の不変鋼太刀と比べれば、あちらは刃文が湾れで各部の色が異なる等、同型とはいえ個性がみられます。
使用する素材から、鞘はダークチェスナット材(洋栗)のようです。現実世界で鞘材といえばホオノキが一般的とはいえ、エオルゼアならばエーテルで解決にござるゆえ。鞘尻には銀の金物がつけられており、鞘の耐久性アップに貢献するとともに、見た目の華やかさも演出してくれます。鞘の塗装は石目塗でしょうか。居合を主体とするエオルゼアの侍にとって、滑り止め効果のある塗りは親和性が高いですね。
鐔とその周辺も銀色でまとめられており、黒と白銀のカラーリングは見栄えがします。複雑で豪華な面々に比べればおとなしいとは言えますが、シンプルがゆえの存在感と美しさを感じさせながら、いろいろなコーディネートにあわせやすい一振りといえましょう。
中身も一緒とは限らないものの、ひんがしの国の幕府が設置した「紅玉台場」の防人(さきもり)の佩刀と同じ見た目です。上述のとおり、冒険者が手にできる本品は鞘材が多少個性的なため、ひんがしの国制式品のレプリカ的な出自なのかもしれませんね。
かつて長崎に開かれていた出島的な存在のクガネ。そのクガネおよび周辺往来を管理するのがひんがしの国なのは、ストーリーでも語られます。ここ「紅玉台場」は明確にひんがしの国管轄であり、任期が三年であること、幕府の通達で配属される部隊であることなど、過去日本の防人制度と一部共通の設定があります。
過去日本の防人は装備類を自前で用意する必要があり、税の免除などの優遇措置もありませんでしたが、クガネ防人は装備が支給品で、無事勤め上げることで奉公・実績に勘定されるあたりに違いがあります。一緒に写っているイカルガさんは下級武家の三男坊で、このお勤めを足がかりに禄を食んでいこうとしているとか。故郷の妻と幼い娘のためにも気張っていただきたいものですね。
ちなみに、クガネの赤誠組とお揃いの刀はこちら。
地鉄(じがね)とは、日本刀用語では『折返し鍛錬の結果として表れる模様』のことです。この刀にも見られる「柾目肌」や「板目肌」、あるいはそれらの特徴を複数持ち合わせたものは「平地板目で鎬地柾目」なんて評されたりします。何言ってるかわかりませんよね。せっしゃもよくわかってござらん。
そして、名称に「地鉄」とある理由は……これもわかりません₍՞◌′ᵕ‵ू◌₎でも、あったらダメということもありません。ダイヤモンドは使われていないし、力士像が象られてもいないし、バァニング!ラァァブ!もしないけれど、金剛打刀などありますし。柾目肌が美しい刀ですから、それを強調するために冠したのかも。
ちなみに、英語版は Titanium Tachi、仏語版も Tachi en titane なのに、独語版だけ Hartsilber-Tachi。前ふたつが「チタン製太刀」でドイツだけ「ハードシルバーの太刀」。チタンインゴットは独語版でも Titan ですから、どういうことなんでしょうねぇ、なんて締まりのない〆でご紹介おしまいにござる!
2020年7月24日 … 初版公開。
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