1. 随筆
  2. 1149 view|最終更新 21/09/16

ウヌクアルハイについて整理したいと思う。

この記事は 5.3 くらいまでのネタバレを含みます。まだ第一世界を救ってないよ!ロールクエストの途中だよ!等のヒカセンは回れ右でござる!

 

ウヌクアルハイくんを覚えておいででしょうか。石の家に突如現れ、魔大陸の闘神を倒せと指図してきた彼。当初は立ち位置が判然とせず、紅蓮編でも進展はなく、なんとなくすっきりしない三闘神クエストと同様に放置されるのかと思いきや漆黒編で回収された時間差攻撃は記憶に新しいところです。

※「古の神々」のアレレポイントは『エオスト』さんのこちらの記事がわかりやすいでござるよ!
【FF14 雑記】「クロニクルクエスト:古の神々」通称「三闘神クエスト」における辻褄のあわない部分について 『エオスト – Story of Eorzea -』

ともあれ。きょうは、漆黒編で語られた内容を踏まえ、ウヌクアルハイなる存在を振り返ってみたいと思います。また、光の戦士云々でごちゃごちゃになるため、本記事ではプレイヤーキャラクターを「ヒカセン」と称します。

ちょっと横道

彼のお話をする前に、ちょっとだけ横道。漆黒編のストーリーでは、黄道十二星座がフォーカスされます。古代人……アシエンの意思決定組織は「十四人委員会」と呼ばれ、各メンバーは黄道十二星座、へびつかい座、それらを巡る存在である太陽をシンボルにしていました。

この辺は以前ふせったーでいっぱい書きましたので、詳細はそちらに譲ります。キモは、エリディブスがへびつかい座で、ヒカセンが太陽であるということ。

https://fusetter.com/tw/zMO59CE3

蛇足: 現実世界でのへびつかい座について。

みずがめ座やさそり座などと比べると影が薄い、へびつかい座。上記でも「十二星座 + へびつかい座」と記していますが、実は黄道 (こうどう。太陽の通り道) にギリギリかかる位置です。よって事実に基づけば「黄道十三星座」が正ですが、この手の解釈は千年来の星占いで用いられるため、どうしてもハブられがちなんですね。蛇だけに。

理由を端的に言えば、占星術と天文学の違いです。占星術では 12、天文学では 13。それぞれの観点ではそれぞれ正しい、どちらの道が続いていくのか……なんとも示唆的です。

参考 → 宇宙・天文まめ知識 黄道には12星座でなく13星座あるのか?

عنق الحيّة

ウヌクアルハイ。耳慣れぬこのフレーズはへび座のなかで最も明るい恒星・へび座アルファ星 (α Serpentis) の別名で、アラビア語の「蛇の首 = Unuq al-ḫayya」に由来します。ふせったーで記述したように、へびつかい座をシンボルとしたのはエリディブス。へびつかい座はへび座を左右に分断して内包する星座ですから、ウヌクアルハイがエリディブスを「我が主」と呼ぶのも納得な関係といえましょう。

ではまず、彼の行動を時系列順に列挙します。

    1. 光の戦士候補として第十三世界に生まれる
    2. 闇の増長を止められず闇の氾濫が発生
    3. エリディブスに救われて次元圧潰の仕組みなどを知る
    4. 他の世界での再発を防ぐための協力を求められる
    5. 闇の勢いが増す原初世界へ渡りヒカセンと接触する
    6. 第一世界の経緯を参考に第十三世界の再生を図る

初登場時に語られたのは 4 と 5 だけ。残りの 1,2,3,6 は漆黒編で明らかになった (≒お話が付け加えられた) 部分ですが、うまく設定をリンクさせたなぁと感心しきりです。さておき、彼の行動を解きほぐしてみましょう。

第十三世界にて

第十三世界にも光の戦士候補たちは存在していましたが、幼い彼らの成長・成熟・団結より早く闇の軍勢が世界を覆い尽くしたとされます。こうした光と闇の均衡は以下補足のとおりアシエンがいろいろ画策していたのですけれど、結果的に第十三世界担当アシエン・イゲオルムが (アシエンの宿願的には) やらかしちゃった。

補足: アシエンの宿願について。

アシエンは 13 ある鏡像世界を次元圧壊アーダーにより原初世界へ統合せんと活動していました。次元圧壊アーダーは鏡像世界側で特定の属性を高めることで発生しますが、高めすぎると氾濫が勃発して次元圧壊アーダーが成就する前にその世界は崩壊し、統合不能な無の世界と成り果てます。過ぎたるは猶及ばざるが如し。つまり、

  • 鏡像世界側で特定の属性を異様に強くしつつ
  • やりすぎて氾濫が起きないようにしながら
  • 原初世界で大災害が発生するよう仕向ける

という微調整が必要です。第十三世界は、鏡像世界側の調節をしていたであろうイゲオルムが失敗しちゃったんですね。イゲオルムが強かったのはもちろん、きっと「なりそこない」が抱える (アシエンたちからみれば) 浅ましい欲望や欲求を読み違えて、聖石が想定以上に濫用されたのではないかなぁ。

いずれにしても、鏡像世界で活動するアシエンの微妙な力加減と、原初世界で活動するアシエンの絶妙な火加減が重要です。失敗すれば失敗しただけ完全なるヒトから「欠け落ちて」しまうのですから、彼らはなんとも困難な業を背負ったものだと感じます。

そうして命を落としたウヌクアルハイの魂を救ったのは、白法衣ことアシエン・エリディブスでした。彼は「調停者」の立場にあり、アシエンの宿願を達成するためならば、ハイデリンの使徒たる光の戦士をも利用してきた手練。自らの世界を救えなかったウヌクアルハイに「同様の悲劇を起こしてはならない」と説き、彼の劣等感や無力感に付け込んで手駒としたのです。

原初世界にて

そうしてエリディブスへびつかいに操られる蛇となったウヌクアルハイは次元を渡り、原初世界のヒカセンに接触します。このとき、彼がヒカセンおよび暁へ求めたのは、魔大陸の闘神討伐。彼は自らが第十三世界の生まれであり、エオルゼアで妖異と呼ばれる異形の存在は、第十三世界の命の成れの果てであると語ります。

補足: 闇の軍勢について。

アラグ始皇帝ザンデが契約した「闇の軍勢」は、闇の氾濫によって無の世界と化した第十三世界に蠢く魔の者たち、つまり現代エオルゼアで言う妖異でした。ここから、原初世界での五千年以上前に第十三世界で闇の氾濫が発生したと推定できます。もちろん、異世界との時間的整合性は不確かですから、真実は闇の中。

さておき、かの世界は闇属性の影響を強く受けています。筆頭が暗闇の雲ですし。また、第一世界の罪喰いがまさに光属性の魔であるように、その世界の魔は氾濫した属性に倣う摂理のようです。

闘神が覚醒し相争えば、星のエーテルが使い果たされ、未曾有の大災害が起きるであろう、と。蛮神討滅で一致した『暁』とウヌクアルハイは、困難の末に闘神ならびに闘神を利用せんとしていた帝国軍を退け、彼の「故郷の惨禍を繰り返したくない」との願いは達せられました。

第一世界にて

原初世界は救えましたが、彼の故郷である第十三世界は壊れてしまったまま。どうすべきかをずっと思案していたウヌクアルハイは、ヒカセンが第一世界に渡り、光の氾濫を起こした世界を再生させたと聞き及びます。もし同様に闇を払えたら、第十三世界にも希望の芽があるのではないか、と。魔と化してしまった者を元通り蘇らせることは難しくとも、壊れた世界の再生なら、できるかもしれません。

補足: 無の世界と次元圧壊について。

次元圧壊アーダーが起きれば原初世界に統合され消滅しますが、第十三世界は無の世界と化しただけで消滅していません。ほかの鏡像世界は次元圧壊アーダーで消滅していることを考えれば、挽回の望みはあるといえましょう。

クリスタリウムのような拠点があるのか、あるいは既に完全なる無の世界なのか。そのあたりは今後の展開があるかを含めて未知数ながら、メタ発言をすれば、FFXIV の設定チームならいくらでもうまいこと紡ぎ上げるのだろうなという信頼感があります。

アゼム太陽の導きによって第一世界に渡ったウヌクアルハイは、自らの意志で「英雄」たらんと歩みを始めます。まずは、修行を兼ねた賞金稼ぎの道を。迂遠で陳腐にも思えるそれはしかし、彼が目標とする伝説の英雄たちが辿った歩みと同じだったのです。傍らに、多くの仲間がいることも。

考察タイム

……以上が、ゲーム内で明確に語られる彼の言葉や行動履歴です。でもこういうのって、一方の言い分だけではわからないモノですから。いろんな角度から光を当てることで浮かび上がる表情と見えてくる陰影があります。というわけで考察タイム!

壱: 敵と味方、どっち?

明確に敵対してはいませんが、顔見せ (マスクしてたけど) となる三闘神クエストでのウヌクアルハイは、独断的でトリックスター的な思惑を感じる行動をとっています。それこそがエリディブスへびつかいに操られる蛇だった証左なのは前述しましたが、彼自身も以下のように書き記しています。

「均衡」を是とする考え方は、我が主のそれに通じる部分がある。
「光」も「闇」も世界の存続に欠かせぬものであり、
いずれかの急激な増大は、世界の存在そのものを無と化す。
初めて出会ったとき、我が主はこう言った。
私は光の使徒ではない、だが「今」は、光に与する……と。
機に応じて立場を変えられねば、調停者の使いは務まらない。
我々の正義は、「闇」にも「光」にも「均衡」にもない。
その時々で形を変える正義を追究し、破滅を回避する。
勝利なき不毛な戦いを「調停」する……それが我らの使命なのだ。

『三闘神討滅記 女神の章』より

このときのウヌクアルハイは、自らを調停者だと自認しています。もともと光の戦士候補として生まれながら、それを調停する役回りをしていたということ。どこか一歩引いた立ち位置にいたのです。

ですが、第一世界で自らの進むべき道を見いだした彼は、あらためて光の戦士として歩むことを決意します。これまでは誰かの後ろをついていくしか出来なかった彼が、自力で進むと決めたのです。その時をもって、ウヌクアルハイは真に味方となったのだろうと思います。

弐: エリディブスとの関係はどのようなもの?

ウヌ→エリでは師弟関係や協力関係といった印象です。主って呼んでいますしね。一方のエリ→ウヌではおそらく便利な駒どまり。「故郷の惨禍を繰り返したくない」というウヌクアルハイの願いすら、したたかなエリディブスは利用したのではと推測します。

エリディブスは「三闘神の覚醒を防ぎ闇の増長を防ぐことが目的」と伝えウヌクアルハイを原初世界に送り込みました。が、以下のどちらに帰結しても良いよう画策していたのではと考えます。

a. 三闘神の覚醒を阻止できなかった

三闘神の討滅に失敗すれば、霊災が発生します。……霊災は、次元圧壊アーダーが発生したことの裏返し。であれば、アシエンとしては目標達成ですよね。調停者を名乗るエリディブスも、あくまでアシエン側です。この時点で第一世界は光の氾濫が起きたかその直前くらいでしょうし、原初世界に着火さえできれば次元圧壊アーダーです。

b. 三闘神の覚醒を阻止できた

見事に三闘神を倒せたなら。その場では霊災が起こらないものの、帝国軍には少なからぬ衝撃が走ります。軍団長までられていますし。すると、帝国の根幹が揺らぎます。建国の経緯にまで遡る文民と軍閥の対立。属領の蜂起と内乱。拡大と爆縮。暴走を起こし、帝国は禁忌を犯します。黒薔薇です。皆殺ミナゴロスイッチですね。突拍子もないように思えますが、実際にそれが起きたからこそクリスタルタワーが次元を渡ったのです。

補足: 黒薔薇について。

黒薔薇は、エーテルの流れを強制的に停滞させる作用でもって生命活動を停止せしめます。停滞とは、光属性の性質。つまり、どこかの世界が『光の氾濫』を起こすような状態のときに原初世界で『黒薔薇』が拡散されたなら、その世界は次元圧壊アーダーを起こして原初世界に統合され、原初世界では霊災が発生します。

この予測が当たっていれば、アシエンの意に沿う結末へ誘導する舞台装置めいた扱いと表現して差し支えないでしょう。ウヌクアルハイという名前からもエリディブスの思惑が透けるようです。無論、アゼムことヒカセンが筋書きごとブチ破るんですけれども。

参: ウヌクアルハイの思惑は?

初登場時点では、様々な感情と願いを仮面の下に宿していたのではと推測します。

「世界を救いたい」
「氾濫を繰り返させたくない」
「希望を持ちたい」
「強くなりたい」
「英雄になりたい」

これらをエリディブスに見透かされ、あるいは煽られ利用された可能性は先述しました。しかし彼を使役する鎖エリディブスから解き放たれ、第一世界で様々な経験と仲間を得て残ったのは、まっすぐで力強く、それでいて簡潔な願い。

「故郷の世界を救いたい」

英雄と呼ばれるために行動するのではなく、世界を救わんと足掻くことこそが英雄の証になるのだ、と。

肆: ウヌクアルハイはアゼムの魂を持つのか?

(*´꒳`*)わかんない!(元気いっぱい

ヒカセンはアゼムと呼ばれる古代人の魂を引き継いでいるとされます。第一世界のアルバートもそう。エメトセルクがアゼムのクリスタルに刻んだ言葉は以下です。

命のかぎり歩み 地上の星々を繋がんとした 親愛なる者の記録をここに

お前が手繰れば 運命は集うだろう たとえ今は天地に隔たれ 心隔たれていようとも

第十四の座──その名を アゼム

ウヌクアルハイは、第十三世界は英雄候補たちが集えなかったがために敗れたと語りました。それでもってアゼムではないとも考えられますが、ただ彼が幼かったために自身の権能を行使できなかったとか、14 に別れたうちのひとつ程度の「魂の濃度」では大災害に太刀打ちできなかった等の可能性もあります。第一世界では仲間が集っていますし。

エメトセルクの記した権能こそがアゼムをアゼムたらしめる核ならば、超える力の種類は関係なさそう……でも、魂が同じなのにそこが違うってどうなんだろう。それに、ヒカセンも (たぶん) アルバートも超える力は過去視なんですよね。ウヌクアルハイは蛮神の心が読める異能ですから、現時点で確定できないものの、違う可能性がちょっぴり高いかも。

補足: 超える力の種類について。

一覧はこちらの wiki をご覧いただければ早いですが、ヒカセンは過去視の異能を持ちます。おなじく過去視の超える力を持つのは、ヒカセン、ミンフィリア、イゼル、アレンヴァルド、たぶんアルバート一行。ほかにもいるかも。

アルバート一行は、ヒカセンと原初世界で鉢合わせた際に過去視が発動しています。ただし、アルバート一行はエリディブスを介して原初世界に来たため、各々が元々持っていた異能とは異なるかもしれません。というか、第一世界にいた頃の彼らが過去視をした描写はなかった気がするので、このあたりは語られるまで闇の中かもしれませんね。

終わりに。

漆黒編は、様々な伏線を拾い集め昇華して回った物語です。ウヌクアルハイが登場した三闘神クエストは消化不良な面も大きいけれど、彼がウヌクアルハイと名付けられたことを以て、漆黒編の根底を支える物語の素地が生まれた……あるいはより明確になったのかなと考えます。そういう意味で、非常に重要な存在とも言えます。

ウヌクアルハイが舞台にあがった時点では、彼はアシエン・エリディブスに与する存在である、程度の立ち位置だったと推測します。けれども、そうして置いた「点」が、漆黒のヴィランズで描かれた星々と繋がり、くらくも眩く、瞬きはじめました。その光が、望む運命を照らしだせるかは、杳として知れません。

彼が進むと定めたその道は、どこまでだって続いていきます。歩みを止めたくなる時もあるでしょう。しかし、あと一歩を踏み出す決意こそ……手が届かぬように思えても、諦めを乗り越えてなお手を伸ばさんとする意志こそ……人が人たるための証明なのだと、私は信じています。

そして、自らの足で歩むことを決めた彼ならば。冒険の先にある彼なりの答えを、いつかきっと見つけ出せるだろうとも、私は信じています。彼の行く末に、光があらんことを祈って。

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